「なんのつもりですか?」
私は空を看ながらそういう。ずっと、頑なに空を見る。だって、隣と言うには近すぎる位置に魔王がいるから。爆発とか収まって、私達は互いにその体を元に戻してる。外見がって事だ。ただの人形のフレームの姿に戻っていたが、私も魔王も案外そこまでダメージを負わなかったみたいだ。それならさっさと再び戦いが始まりそうなものなんだけど……不思議と戦う気は無くなってた。
暴走という爆発が私の中の戦闘する心も吹き飛ばしていったのかもしれ無い。
(イヤ違うな……)
答えは実はわかってる。けど……その答えも私は聞きたい。初めからこうしてくれてたら、私達は戦う事なんてなかったんだから。
「なんのつもりもなにも。戦いたかったからに他ならないな。我は戦いに飢えているんだ。わかってるだろう?」
「全く、その通りです。わかってます。でもだからわかりませんね。何故にパーツをこっちに渡すんですか?」
そう、魔王は私に力を流すのと同時に、自分が見つけたパーツも押しつけてきてた。実際の所、これが全部なのかはわからない。確実に一つはそのまま持ってるし……こっちにはそれを把握する情報がない。
だからこれが全て……なのかはわからないが、それなりのパーツは私の中に来てた。
「我は使えぬ物をとっておく程に独占的じゃない。使える物だけで十分なだけだ」
「これが全てだと?」
私は皮肉気にそう言った。それは暗にこれだけじゃないでしょ――と言ってる。そしてそれはきっと魔王にだって伝わってるだろう。でも魔王だってそれを明言なんてしない。少しだけだけど、私達は戦いあって、それだけでこいつは私の事を少しはわかったのだろう。
「さあどうだろうな? でも、それだけだ」
「私の事、頑固者だって思ってるでしょう」
「さあな。それでどうなんだ? 納得してくれるか?」
これで納得しなかったら、私は本当に頑固者じゃない。だから私は「はぁ」と大きく息を吐いた。
「今は、納得しておいてあげます」
「それならついでにお前もジゼロワンに我の解放を頼んでくれないか?」
「わかったから強く抱きしめないでください!」
てか、いつまで私を抱きしめてるつもりだ。私はそう抗議してようやく解放された。なんかようやく離れられたというのに胸の辺りがドキドキする。なんなのでしょうかこの鼓動は……心臓がある訳しゃないんですけど……謎です。
もしかしたらあの子が私に変な機能をつけてたのかもしれないですね。後で抗議とシステムをチェックしましょう。