取り敢えず私は勇者につけてたドローンを回収した。なにせ外側に行ってた時には接続が切れてたからね。それまでの情報というか、状況を知りたくはある。回収するといっても、ただデータを母体であるG-01の本体へと吸い上げただけなんだけどね。それによって金の鬼が引き抜いたブニブニしたこの世界を外側から守ってる何か……がどうなったのか判明した。
どうやら何か腕を突っ込まれてそれからは投げ飛ばされたらしい。その後は勝手に世界に溶けたみたいだけど、その後にこのカーテンが出てきて、世界のエネルギーを黄金の鬼へと流入させてるんだから、きっと腕を突っ込まれた時に何かされたんだろう。
「教会のやったことなんてたかが知れてるし、きっとG-01なら上書きなんて簡単だよね」
私はそんな心持ちでいる。取り敢えずこの世界のどこかに、黄金の鬼の影響を受けたブニブニがいるはずた。それか世界に溶けてたり？ それならどうしてかあれと同じ存在を見つけて引っ張り出す必要があるかも知れない。そうなると面倒。それとも何かきっかけが必要なのか？ わかんない。でも実際、そこまで面倒なことにならない気はしてる。
だってあのブニブニと同じ存在に私はあってた。それはこの世界の外側、外側を覆ってる部分が同じ存在なはずだ。けど、私がネナンちゃんと会った時は、別におかしなことはなかった。実際通常の状態ってやつを知らないからなんとも言えないといえばそうなんだけど、でも私たちに敵意はなかった。ネナンちゃんがこの世界の生命体だということで、ちゃんと尊重してくれてたしね。でももしも教会の影響を受けてたらどうだろうか？
奴らは自分達が一番で、他なんてのは全部ゴミ……とか生贄とかにしか思ってないのは明白だ。なのでもしも黄金の鬼に引き抜かれたブニブニと外側を覆ってるブニブニが同一だとしたら、影響を受けてないのはおかしい。もしかしたら切り離した……のかも知れないけどね。
でもそれなら、世界のエネルギーからもそいつだけでも切り離せばいいのに……下手に同じ存在だからそこまではできなかったとか？ とりあえずは私は勇者と黄金の鬼を隔絶してるカーテンをスキャンして、その情報を元に、黄金の鬼の影響を受けたブニブニを探す。
私は腕を掲げて、指を切り離した。それが四方に散っていって、地面に埋まる。それぞれの指がドリルのように回って、地面を穿っていったんだ。もちろん、G-01自体の指はすぐに再生させた。そして地面に埋め込まれたそれぞれの指には拡張したレーダーの機能を付加してたから、さらに深く、広範囲を検索できる。
「どこに隠れようと見つけてあげる」
それはたとえ、次元の狭間……とかであってもだ。
