私は指を砂の中の深くにいかせて自身の探査範囲を広げる。それによってどんなアリ一匹だろうと見逃さないレーダーの包囲網を作り上げる。私が見つけないといけないのは黄金の鬼が繋がってるブニブニである。実際そのブニブニが世界のエネルギーを黄金の鬼へと流してるわけだから、その繋がりをどうにかしないといけない。
「ブニブニのデータは確かあったよね」
この世界の外、そこでブニブニのデータは取ってた。あれは世界を保護するための機構みたいなもので、ある意味で、鬼と同類と思える存在だと思う。だって鬼もこの世界を支えるために存在してる存在だ。宵の度に世界を壊し、そして再構築するのが鬼の役目だとすると、このブニブニは明の間に世界が崩壊するのを防いでる……といえるんじゃないだろうか?
つまりはこの二つの存在はどちらも世界を維持するための機構であり、管理者というか? そんなのだ。なので結構同じ感がある。どっちも世界を支えてるが、でも世界の内側ではなくて外側にいる存在としてね。それはきっと神側へと近い。でもだからこそ、二つの存在を繋ぐパスがつながったのかも知れない。
「むむむ……なかなかに巧妙だね」
すぐに見つかるかと思った黄金の鬼とブニブニの繋がりだけど、なかなかに見つからない。もしかしてもっと範囲を広げてた方が? いや……でも流石に広範囲すぎると、流石のG-01でも精度が落ちる。それでも普通に考えたら優秀だけど、でも十分過ぎるほどの性能があるはずのG-01で見つからないとなると、何か違うのかも知れない。
「ふむ……」
考え方を変えてみよう。もっと別のものを探す……いや待てよ。そもそもがあの黄金の鬼は世界のエネルギーをブニブニから吸い取ってる訳で……それならそのパスがある。ならそのパスを辿るのが一番簡単では? G-01の性能がすごいからそれに頼り切ってたわけだけど、ちゃんと頭は働かせたほうが効率いいよね。
「分かりづらいな……」
黄金の鬼とブニブニのパスを辿ろうとしてるんわけだけど……どうやらこのカーテンは侵入を阻むだけじゃなく、レーダー的な物も阻んでるみたいだ。ならブニブニも中に? って可能性もあるが……でも地中は問題ないって感じではある。あれは世界に溶けるような奴だったから、ここまで範囲を広げてるのなら、どこかで引っかかりそうだけど……何か特殊な隠蔽できる力があるのかも知れない。
それが鬼の力なのか、それかブニブニの力なのかはわかんないが。
「指を中に侵入させようか? いや−−」
私は地中に放った指たちのようにこのカーテンの内部にも指を差し込むか? とか思った。なにせ指はG-01の中でも小さい部位である。アラクネちゃんを送り込んだ時よりも簡単にカーテンに穴を開けることができるだろう。けどそれはやめた。なぜか……それはもう内部にいたからだ。何がって? それはもちろん私がここサーザインシャインインラへと送ったドローンの一機が内部にね。
これは僥倖というほか無い。