「ふん!」
私はG-01の手をプニプニに突っ込んだ。そして無理矢理開こうとする。なんかブチブチと音がする。実際、こういうブニブニしたものって軟体なんだから、そこを開こうとしても、指の隙間とか、それこそ拳を開いたってその間にそのブニブニが流れてきていくら掻き分けても意味なんてない……となったりするだろう。
まあ実際掴んだりできたわけだし、そこまで軟体でもないって感じかもだが、生きてるような感じがあるブニブニである。つまりはその軟体性は変化できておかしくない。そして実際、かき分けようとしてもすぐにその間を埋めるようにブニブニは落ちてきた。
でもそれを許す私ではない。G-01は確かにその戦闘能力に目が行きがちだが、一番の特徴はその汎用性と言っていい。なにせ様々な世界を巡っても大丈夫なように作られてるのだ。そしてそれにはその世界を、そして状況を見極めるための分析能力が大切だ。
それによって、このブニブニを分析して私はわずかでも干渉できるようになってる。さっきまではこっちもボロボロだったから、なるべくエネルギー節約するように動いてたから、そんな余裕はなかったわけだが、今はエネルギーに余裕がある。今ならできる。
なので私はG-01の手からエネルギーを出して、それでこのブニブニに干渉する。それによって軟体化をある程度抑制させる。それによってかき分けることができるようになった。
「ヨシヨシ」
しめしめ……でもいいが、うまくいって私は上機嫌である。でもやっぱりだけど、このブニブニはそうではない。なんかめっちゃ震え出した。
「え? これって中の世界に影響……ないよね?」
もしかしたら中の世界で大地震が起きてる……なんてことになったら申し訳ない。もちろんだけど、この世界の建物は耐震対策なんてしてないわけで……大地震なんて起こったらどれくらいの被害になるのか……
『何やってるんだ!!』
「あっ神」
なんか神様が戻ってきた。さっきぶりである。それになんかぷりぷりしてるし。
「いや、このブニブニが邪魔だから。なんなのよこれ」
「それを世界を守るために必要な処置だ。それにそれで空獣から世界を隠す役目もある」
「ええ、じゃあ刺激与えるのまずい?」
「不味すぎるからこうやってきたんだ!!」
どうやらこのプニプニはかなり重要な役割を担ってるらしい。世界を空獣から隠すために必要だったのか……もちろん多分だけどそれだけじゃないんだろうけどね。でも世界を喰らう空獣から隠すのが一番大切なんだろう。
それにそれなら宵にはこれがなかった訳がわかった。つまりは宵の時間帯には世界そのものがないから、このブニブニが必要なかったということなんだろう。納得である。
「とりあえず、君のことは私か登録しておこう」
「最初からそうしてくれればイイのに」
私はわざわざ手間をかけてくれてる神にそんなことを言ってた。いやさ、でもこれってこの神の不手際だと思うんだ。だから言われても仕方ないよね?