明と宵の間の空間は外から見ると何も無いような……言うなら宵との区別なんて出来なかったが、数値的には確かに何かあるって分かる程度だったが、どうやら巧妙に隠されてたみたいだ。
そこは勿論だけど、落ちてきてたプニプニが全体にある場所だ。そして中にはいると、外がボヤケて見える。外とは明と宵だ。ここが違う場所なんだと……どっちにも属してない場所だと感じれる。中と外を隔てる窓の中にでも入ったと考えればわかりやすいのかもしれない。擦りガラス越しに、どっちも見てるみたいな……そんな感じた。そんなことを思ってると、なにやら存在を感じる。この間の世界は全部があのプニプニだからきっとそれだろう。
それにしても……
「大量にいるね」
大きいのが一つ……とかではなく、この空間は大量のそれらが集まって形成されてるらしい。だからこそ、大量の反応があるんだろう。そしてなんかこっちに語りかけてるような? 存在が曖昧だから、それを受け取ることはできない。てか解読できない。G-01でもデータというか、前例がないから、ちょっとこれは……って感じだ。
それは私の周囲でうねうねしてる。まるで赤ちゃんの手のようなそれが無数に見える。はっきりいうと気持ち悪いが、それには敵意って奴はないから、恐ろしくはない。私がネナンちゃんを装ってるからだろう。それは、私から……というかG-01からちょっと離れてる。けど、何か求めてるようにその手を伸ばしてる。絶対に触れないけど、なんか握ったり離したり……そう思ってると次はなんかその手をペチペチしだした。
「流石にちょっと怖くなってきたかも?」
そんな事をボソッと呟くよ。一体何を伝えたいのか? ゴメンだけど、私には受け取るすべがない。いやG-01が受け取れないと、誰も受け取れないような気がするけどね。だって様々な世界の知識とか進んだ技術を搭載してるG-01がどうしようもないのなら、誰もこれを受け取ることなんて出来ないような……
何を彼らが言ってるのか気になるが、もたもたしてる場合でもない。私はこの空間を進むよ。というか、既に道は出来てた。どうやら気を使ってくれたらしい。これは私に……というかネナンちゃんに気を使ってくれたんだろう。なにせ今の私の事をこの空間の存在はネナンちゃんだと思ってるはずだ。
だからこれはネナンちゃんへの気遣い。ということで、私は万雷の拍手の中、宵へと向かうことになった。