uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 818

 鬼が叫ぶ。それによって、自分の体は吹き飛ばされる。それだけの圧力がある咆哮だった。近すぎるから、一旦自分を引き離したかったのかもしれない。いきなりその力がごっそりと減った。そのタイミングでこっちは仕掛けたわけだが……黄金の鬼はそれに戸惑ってた。でもそんな戸惑いも長く続くわけじゃない。

 どうやら黄金の鬼は覚悟を決めたらしい。それか、諦めがついたか……

 

「あ……ぐ……が……」

「しゃべった?」

 

 まさか鬼が喋るとは。咆哮は上げてたし、それを考えれば頑張れば喋る可能性は確かにある。でも今まで鬼が喋ったという話はG-01殿からも聞いたことはない。でもあの鬼は普通の鬼ではない。あの鬼には教会の人間が取り込まれてる。いやそれだと鬼が同意してやったように思えるか。

 それは違う。確かに教会のやつは何か目的があって鬼の中へと取り込まれただろうが、鬼自体はそんなの全く関係なく、きっと餌か邪魔だったからでしかないだろう。でも実際ただの人が強大な鬼へと飲み込まれてその意志を保ってる……なんてことがあるのだろうか? けど喋ろうとしてる鬼を見てると、あの教会の奴の意志はまだ残ってるんじゃ? とか思える。

 

あじら……あじら……を」

あじら?」

 

 何を言いたいのか……よくわからない。その次の瞬間、その腕に力を集めて、黄金の鬼は砂を叩く。その威力は凄まじく、叩いたところは一気に凹んだ。さらにその衝撃が周囲に広がって砂が立ち上がり三百六十度全方位へと走っていく。まるで砂の津波だ。不味くないかあれ? あのままだと、サーザインシャインインラの避難民たちも、今この場所に向かってるであろうアズバインバカラの軍隊までもあれに押し潰されそうな……でもだからって全ての方位をなんとかできるだけの力なんてない。そう思ってると、もう一回どでかい衝撃が迸る。

 それによって、周囲に広がろうとしてた衝撃が相殺される。これはきっとG-01殿だろう。他に考えられない。

 

(助かった)

 

 と思いつつ、奴に猶予を与えてはいけないと思い直した。攻撃し続ける!! 狙いは絶対的な鬼の弱点。その角だ。けど一発であれを切り落とすなんてことは自分と鬼のエネルギー量の違いで難しい。でも、やり方はある。鬼の周りでチクチクと攻撃しつつ、タイミングを狙う。