「あれか……」
都市核を内包してる砂獣が現れた。その姿はずんぐりむっくりとしてる。まるで力士のような見た目。そして腕にはまるで昆虫の甲殻のようなそんなのがついてた。顔はとても細長い。キリンの首がそのまま顔になってる……とでもいおうか? そんな感じ。そして8つの目のようなものが見える。
背後には先端が膨らんだ6つの尻尾? もある。なんというか、とても変なやつだ。基本的に砂獣は砂漠の生き物をベースに凶暴化してる感じなのかと思ってたけど……まあそうでもないのも居たけど……あれはなんか色々とごちゃまぜにしてる感じではある。
そして出てきた太っちょの砂獣はその両腕をタイヤの様に動かして突っ込んできた。私はとりあえずそれをよける。すると尻尾からドンドンドンドンとなんか発射される。もちろんそれもよけるが、その球は空宙で弾けて中身が周囲に飛び散った。なんかそれに触れたものがジュウジュウと言ってる。これは……酸? かなり強力そうだ。けど残念。G-01には効かないよ。
G-01の表面は特殊なコーティングがなされてる。そこらの酸なんてきかない。まあきっとそこらの酸ってレベルじゃないとは思うが、それでもG-01の装甲に通るほどの酸ではない。
すると今度はゴキュゴキュと尻尾から変な音がする。すると尻尾の形状がちょっと刺々しくなった? それを更に発射してくる。
「なんかついてくる」
避けると今度は追っかけてくる。どうやら追尾性能が追加されたらしい。色々と状況によって対応できるってことなのかもしれない。なかなかに凄い能力を持ってる。私じゃなかったらきっと倒すのはとても大変だったろう。とりあえず追いかけてくるミサイルのようなそれらを引き付けて私は一気に前方に加速した。ブースターを吹かせて一気に砂獣との距離を詰める。そして拳を一撃叩き込む。それで爆散する――とか思ってたけど、吹っ飛んだだけで爆散することはなかった。
「むむ、見た目通り防御よりなのかな?」
なんか力士のような見た目してたしね。それなのに両手のタイヤを使って素早く動いて、更には尻尾で遠距離をカバーする。なかなかに完璧な布陣だ。防御力も高くて、機動力もある。それに近づかなくてもいい攻撃手段……やっぱり私じゃないとこいつはやばい。
もう一回、今度は力いっぱい殴ってもいいけど……私はナイフを腰から取り出した。G-01でナイフを構えて、再び私は動き出す。今度はもう面倒だったから、追いかけて来るミサイルもナイフで叩き切りながら迫る。けど私が近づくと向こうはにげだした。
むむ、さっきまで追いかけてきたくせに、一発食らっただけでどうやら実力差がわかったらしい。それに更に尻尾が変化して煙を巻き散らす。煙幕? 本当に万能なやつである。