酸……ではなくて粘着性がました体液で僅かにでもG-01の動きを阻害して、その隙きをついてくる特別な砂獣達。真っ先に向かってくるのは背中に蜂のような羽を持ってる、頭はカブトムシで、腕はカマキリのようなそんなやつだった。そいつはただ突っ込んでくる。その立派な角で体当りしたら、たしかに人の体なら吹き飛ぶ……というか爆散してもおかしくないかもしれない。
それこそトラック……いや電車と衝突したかのような……そんな衝撃を与えることが出来るのかもしれない。それだけの強さがありそうだ。でも私……いやG-01にはそこまで驚異ではない。でもそこになんか変な奴がくっついた。
それは腹が出てる虫である。なんていうか、コガネムシの腹が出てるような……いやなんかコガネムシのコスプレをしてるおじさんみたいな……そんな奴が色々な昆虫を混在させたみたいな砂獣にくっついた。
「あれじゃ、邪魔でしょ?」
私は思わずそんな事をつぶやいてしまう。だってそうでしょ? あんな腹が出てるデブ……というのは失礼かもしれないが、あんな太ましい奴がくっついたらせっかくの スレンダーなボディをしてる混在砂獣の速さが生きない。殺しにかかってるのか?
「こいつら仲良く手を組んでるのかと思ってたけど……違うの?」
実際ちゃんと連携してると思ったんだけどね。その考えを覆したほうが良いのかもしれない。だってあれって……ね。絶対に邪魔だし……
「ん? なんか早くなった?」
ドン! ドン! と混在砂獣にくっついた肥満砂獣がその腹を鳴らしてる。ふざけてるの? と思いそう……というか思ってたんだけど、なぜか重いやつが乗ってるのに混在砂獣は速くなってる。これはおかしい。どういうことだ?
それにドン!ドン!と肥満砂獣はやってるが……それだけだ。もしかして音で加速してるとか? 実はあいつは腹を鳴らしてる訳じゃなくて、屁をしてて、それを推進力にしてる……とか?
だってそうでないとおかしい。なにせ混在砂獣と肥満砂獣はなんと背中合わせの状態なのだ。つまりはそれぞれの羽を使ってない。そうなると飛べてるのももうおかしい。それなのに加速して突っ込んでくる。この種はきっとあの叩いてる腹にある。とりあえず私は砂獣達をスキャンしつつ、腕を振り上げてタイミングを見計らって二匹の砂獣を蝿を叩くかのように叩き落とした。
「面白いことをしてたけど、それだけだね」
私はそんな感想を漏らした。