uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 875

「出たぞ!! 砂獣・蟻型10 蠍型3!! 抜剣!!」

 

 そんな事を言って頭にターバンみたいなのを巻いて、薄い赤い布を体に巻き付けたような人々と、更には黒い鎧に身を包んだ者たちがその武器を抜いた。黒い鎧に身を包んでるのはアズバインバカラの兵士たちだ。

 そしてターバン巻いた赤い布を服にしてるのは『ザンサンシャカレ』の兵士たちだ。彼らは身軽な格好をしてるが、実際これまでの戦いでは一回の戦闘ごとにたくさんの死傷者が出る感じでかなり危なっかしい奴らだった。なにせザンサンシャカレのちゃんとした兵士のはずの彼らだが、なんか「ヒャッハー」感? が強い。

 なんか正規兵というか、アズバインバカラにいる賞金稼ぎたちに近い。よく飲むし、なんかよくどんちゃん騒ぎをしてるからね。統率がない。いや、一応上司には逆らわないんだけど、その上司もよく飲むからね。本当にこんなやつが総指揮をとっててだいじょうぶなんだろうか? って感じである。まあちゃんと指揮はしてるけどね。

 どうやらザンサンシャカレはなかなかに厳しいらしい。戦闘も、そして生活も……だ。はっきりいうと、破綻寸前……みたいな? 確かに私はG-01のドローンをそっちにも送って街の様子は見てた。

 

「酷い……」

 

 そう言えるものだった。実際、この世界の悲惨さを考えれば、ある意味でこれが当然なのかもしれない。そもそもが私達がここに来て、一つ……いや、二つの街が地上から消えている。

 一つはイレギュラーの砂獣のせいだから事故みたいなものだが、もう一つの方は破綻したんだ。上層部のクズどものせいでね。それで市民たちが割りを食った。そしてここザンサンシャカレもその一歩手前……くらいである。実際、ここの上層部はそんなクズではない。

 ちゃんと頑張ってた。けど……ね。教会はすでに地上の街を見捨ててる。それがどういうことなのか、アズバインバカラとジャルバジャルにいるとわかんない。けど実際、それは地上の街にとっては死活問題なんだ。それに……だ。

 それにちょっと前から教会は理不尽な理由をつけてサーザインシャインインラの水の供給も滞らせてた。G-01が作った施設があったからアズバインバカラもジャルバジャルも水に困ることはなかったが、他の街はそうじゃない。なにせこの世界はほぼ全てだいたい90%の土地は砂である。雨が降って川ができて……なんて流れは存在しない。だって雨なんて降らないし、この世界は宵には分解されてる。そして同じ姿で構築される。水は特定の場所でしか取れないし、魔法で生み出すしかないって感じである。実はいくつか……そういくつか空から実は滝のように流れてる水がある。でも損存在を地上の人たちはしらない。なにせその全てを教会が中央に引っ張ってるからだ。

 なので地上ではサーザインシャインインラの水源しかないのだ。あそこは珍しく地下から湧き出てるタイプと言うか、それとも都市核がその機能を内包してるのかわかんないが、実際サーザインシャインインラがこの地上の全ての水を賄ってる。

 その水を不当に値上げされたら……それこそこの地上の街は全て干上がってしまう。そしてそれが今、ザンサンシャカレで起こってる。とりあえず私はいくつかのドローンを向かわせて、彼らに水を撒かせて人工的な雨を作り上げることにした。なにせこれから救いが行くのに、救われる者達が全員死んでました――って嫌じゃん。そんなのは目覚めが悪い。