「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「やああああああああああああああああああ!!」
「やれる!!」
「やれるぞおおおおおおおおおおおお!!」
そう言ってザンサンシャカレの人たちはノリノリで襲ってきた砂獣を屠っていく。今でにない感じで砂獣を倒していけるから、ザンサンシャカレの人たちはとても興奮してる。いつだってヒャッハーしてるが、今はそのテンションがさらに高い。実際ここで死ぬ覚悟だってしてる奴らが多かっただろう。
いくら新たな武器を得たとしても……そんな簡単にその性能を実感なんてできないものだ。それに他の街の軍の兵士に貸し出す武器がそんな高性能な訳がない――という先入観だってあっただろう。なにせ彼らザンサンシャカレの軍の装備はひどかった。そもそもが鎧なんてものはないし、武器だって手入れなんて行き届いてなんてない。次の一太刀で折れてしまいそうな……そんなものばかりだった。
きっと余裕がなかったんだろう。そっちに回すだけの余裕だ。武器を手入れするのも、鎧を用意するもの、余裕があるからできること。ザンサンシャカレは今日を生きるのに目一杯だった。だからこそ、必要とわかってることでさえ揃えることなんてできなかった。
そんな自分たちだからこそ、与えるものなんてない。なら他人から与えられるなんて思うこともできないだろう。色々とアズバインバカラへと来て彼らは驚いたことだろう。その豊かさに。
でもだからって自分たちにもそれが与えられるかは別だ。そもそもが全員分の武器を貸し出してもらえただけで十分なことだ。本当なら彼らの装備を整えるだけにする気だった。
ラパンさん達はね。流石にたくさんの教会が残した武器をサーザインシャインインラで回収したと言っても、それでもアズバインバカラに集まってる他の街の軍隊に全部に配る……なんてほどの数はない。だからまずはそれこそ既存の武器を修復することを考えた。
当たり前だろう。実際そこまで施す気もなかった。でも調べてみると、予想よりも全然、それこそ上の者たちから聞いてた話よりも現場はガタガタだったと言ったほうが正しい。
確かに今残ってる街の領主達はマシだが、それでも平民よりはいい暮らしはしてるわけで、下の方の状況を完璧に把握してたわけじゃないってことなんだろう。なので他の街の装備やら物資やら、調べさせるとそれはそれは酷いものだった。実際、彼らの物資だけで再び街に戻る――なんてことも不可能なほどだ。
だからこそ方針を変えてアズバインバカラやジャルバジャルはその物資や装備を差し出したのだ。教会の魔法の武器を解析して似たようなものを作ることが施設でできるようになってるから実際彼らが装備してる武器とか全てがサーザインシャインインラ産ではない。
まあけど彼らはわからないだろう。それにこれは彼らにだけメリットが有ることじゃない。なにせ都市核の確保は大切だ。都市核があれば更にエネルギーが確保できる。そうなれば、アズバインバカラにたくさんの人口が集まったときも、余裕が生まれるのだ。そして戦いでだってそう。
あっという間にザンサンシャカレの兵士だけで砂獣を倒した。彼らは思ってた――「これなら」――と。