uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

ある日、超能力に目覚めた件 239P

「ほらほらこれ見て小頭ちゃん」

 

 すでに他人の部屋をまるで自分の部屋かのようにくつろぎ、快適に使ってるそうそうちゃん。丸いテーブルの上は彼女が広げたパソコンに占拠されて、ちゃんと電源まで取られてる。

 

「何?」

 

 最初は呆れてた小頭だが、わざわざ指摘しても意味はない……と思ったので、そのテーブルはすでに明け渡してた。小頭はベッドでくつろぎつつ、カバンとかは勉強机とかに押しやってた。何やらここに来た時点で、スマホとパソコンをテーブルに広げて何やらやってたそうそうちゃん 

 そんな彼女に呼ばれたから、ベッドから体を起こして彼女へと近づく。ちなみにだが、部屋に入ってすぐに小頭は制服を脱いで私服になってる。制服はハンガーに掛けて壁の方へと掛けられてる。

 小頭は普通に今はTシャツに短パンだ。黒いTシャツに焦げ茶色の肌触りのいいパンツを合わせたラフな格好。実はそんな小頭の姿をパシャ――とそうそうちゃんは写真におさめていた。それをどうするかはわかんない。

 

「これ見てよ。最近のこの地域のおかしな出来事よ」

 

 そう言ってそうそうちゃんはパソコンの画面を近づいた小頭へと見やすいように向けた。そこにはこれまで彼女が集めてきたであろう資料がまとめられている。何月何日になになにがあった――とか写真つきである。その場所の写真をわざわざ撮っては貼ってるらしい。

 そしてその場所も次の画面でこの周辺の地図上にマークを付けて、カーソルをそのマークに置くと、その記事が連動するようになってる。なかなかにちゃんと作られてた。これで文化祭とかの発表もそのまま提出していいくらいの出来である。

 ちなみにいうと、草陰草案は『不思議研究会』である。更にいうと言うと、部員は彼女と小頭とあと一人の三人だけである。あと一人はちなみに男子だ。

 

「別に何もおかしくないこともあるような気がするけど……」

「いや、これはなにかある。私の勘が言ってるもん」

「でもこれってただの動物の行進じゃん」

「いやいや、いくらなんでもこんな並んできちんと犬が歩く? 集団登校とか集団下校じゃん」

 

 小頭の言葉にそうそうちゃんはそんな反論をする。確かにこの資料にある一つの写真には大小の犬がまっすぐに並んで歩いてる写真がある。それは確かに集団登校みたいである。しかも大きな犬が一番前と一番うしろに陣取って、その間に小さな犬がいるという……まさにそれ。

 普通の犬がこんな歩き方をするだろうか? と言われたら……

 

「確かに野生の犬はしないだろうけど、飼い犬なんじゃない?」

「こんなに? いくらイヌ好きでもこんなに飼わないでしょ」

「それは……」

 

 確かに……と小頭は思った。それにいくら飼い犬でも、こんな感じにあるくだろうか? 普通の飼い犬でも二匹がリードに繋がれても、普通に横に広がってる印象がある。

 この写真の犬は六匹くらいはいる。それが縦に並んでしっかりと邪魔にならないように歩いてる。すると更にそうそうちゃんが衝撃の事を言ってくる。

 

「そもそもリードで繋がれてない時点でこの犬たちは野良犬だよ」

「そんな馬鹿な……」

 

 これほどちゃんとした躾をされてる感じの犬が野良犬? そんなのは流石に信じられない小頭だ。確かにこれは不思議な事……である。けどどうやらそうそうちゃんが言うにはこんなのはここ最近の出来事としては序の口らしい。確かに小頭が見るこのパソコンの画面にはまだ色々な事件の記録が残ってる。