uenoutaの日記

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 893

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」

 

 戦場の空気になってる。ダンゴムシの櫓の上で、教会の連中と、そしてザンサンシャカレの兵士たちが死闘を繰り広げてる。最初のときは油断もあったし、仲間が真っ赤な血を吹き出して死んでいくのをいきなり見て、動揺したから教会の連中は逃げ腰だったが、今は覚悟が決まったのか、逃げずに戦ってる。そもそもがそんなに広くない籠の上である。

 そこに動ける状態で着地した時点で有利なのはザンサンシャカレの人達だった。だって教会の主体は魔法で、ザンサンシャカレの人達はそれこそ肉弾戦がメインである。すでにこの籠の上では逃げ場なんてそんなにない。それに血浄よりも効果も効率もそして消耗も少ない新たな方法、具体的に言うと、勇者が伝授したあらたな力『聖浄』によって身体能力は飛躍的に高まってる。

 元々が頑強で精強、そして肉体的な反応も強い彼らが更に動けるとなると、そもそもがピンポイントで魔法を当てる……というのが難しい。それこそ空宙で身動きが取れないって条件が重ならないとね。それかもう範囲攻撃だ。

 けどここは狭い、そこに降りたたれた時点で、範囲攻撃はもうできないも同然だった。教会の連中は、それこそ不可視の風の刃を主体に戦ってる。これなら見えないんだから、避けようがないだろうってことなんだろう。

 けどそれでも……だ。それでも風の発生による空気のゆらぎ? なのか何なのか、そういうのを感じてとって――なのかはよくわかんないが――ザンサンシャカレの兵士たちはそれを避けてる。それかタイミングをあわせて、武器で切り裂いたりだ。

 

 今までは魔法に対する対抗手段って奴が教会以外にはなかった。それは教会が意図してたことだ。 地上の街が教会に逆らわないように……逆らったとしても、鎮圧できるように、魔法という兵器は教会が独占をしてた。けど今使ってるのは、地上に下賜された数少ない魔法の武器を複製した物だ。

 実際、教会はサーザインシャインインラ以外には流出させる気なんてなかったと思う。それにそれを更に複製なんて……本当なら出来るわけもない。きっとサーザインシャインインラへ下賜したあれだけの数なら、まだなんとかなる……ていどだったのかもしれない。

 

 それにそもそもあの武器には仕掛けもあったしね。教会側が操作できる様になってた。けどこのレプリカにはそんな機能はない。わずかにだが彼らが持つ武器には魔力がこもってる。それによって耐久力をあげて、そして切れ味もあがってる。更に魔法が覆ってるんだから、魔法にぶつかる事もできるっていうね。

 数はこっちが少ない。けど、これだけ近づけばザンサンシャカレの方が有利に動いてた。