とりあえず私はその腕の攻撃を避ける。G-01ならこの思考と体が相反してる攻撃なんて児戯と同じだ。本当なら時空間に影響を及ぼす攻撃が出来るわけだけど、この攻撃はメタリファーの意志じゃない。
だからだろう。この攻撃はただの単純な物理攻撃でしかなかった。
「ここで反撃したら帰ってくれないかもだし……」
さてどうしようか? そんな事を思ってると、通信がはいる。
『今の状況の説明を』
それはアイだ。いきなり私が勇者達を押しやってメタリファーへと攻撃したからその理由を知りたいんだろう。私にはきっとあの扉を開けてほしいと思ってるんだろうけど、あの扉の最後の鍵……それは私では代用できない。それだけは……ね。
なにせその鍵はもうあるからだ。そして既に世界にたった一つの存在として認識されてる。そうそれは『ネナンちゃん』である。サンクチュアリであるネナンちゃんこそが、最後のカギだ。
ならさっさと彼女と言う存在を使って、あの扉を開いて新世界への道を開けば、この世界でやることもおわる。でもそれじゃあね。最後の最後……そこはしっかりとネナンちゃんにやってほしい。
まあ私自身ではそこらへんはどうしようもないからってのがある。
「今は私はネナンちゃん待ちなのよ。だからメタリファーに教会の魂を引き受けてもらって、おかえりいただこうかなってね」
『よくわかりません』
どうやら私の端的な説明はアイには端的に過ぎたらしい。しょうがない、もっとちゃんと説明して上げることにした。カクカクシカジカ――とね。
その間にもメタリファーはこっちに向かって攻撃をしてくる。最初は片腕だけだったのに、なんか今は両手を使ってきてる。そして更にはその髪の毛も使い出した。ジャル爺達は私達が高度を上げたせいで追いかけて来れなくなってしまった。
まあ幸いだけどね。なにせさっきまでジャル爺たちが攻撃をできてたのはメタリファーが逆立ち状態だったからだ。浮き出した時点でその手にはあまる。それに時空間の攻撃は彼らにはどうにもできないだろう。
けど押し付けた魂が体を操ってる状態の今は時空間に影響する攻撃はこないけどね。でも単純に髪の毛は鬱陶しい。
『なるほど、ネナンちゃんが鍵だと。ならそっちに連れていきましょう』
「ええ……ん? はい?」
なんかアイがそんな事を言い出してメタリファーの攻撃を避けそこねてしまった。