私はG-01をある場所に向かわせる。まあ大体想像付くだろうが、ネナンちゃんのところである。私はどうあってもこの世界では部外者。いや一時的に私をこの世界の者……と誤認させることも今の私には可能だろう。
なにせこの世界のシステムを私はもう完璧に把握してる。だから出来る……けど、それでも代えがたい存在は居る。そう、それが『ネナンちゃん』である。
世界にサンクチュアリ者はたった一人。そして世界はそれを知ってる。当たり前だけどね。世界がそれを知らなくてどうするんだよっことだし。
だから私でも変えを利かすことができないネナンちゃんのところへと飛んだ。一足だ。それで十分。私はネナンちゃん達が見えてくると、腰のブースターを調整して優しく地面に降り立つ。とりあえずメタリファーはもうちょっと勇者達に任せておこう。勇者の方にもなんか世界から供給させてるエネルギーを正しく変換して与えてるから、ジャル爺達と協力してくれれば倒す……まではいかなくても持ちこたえるくらいは出来るだろう。
「ジィゼ様?」
ネナンちゃんがそんなふうに私を呼ぶ。子どもたちはG-01って言いにくいみたいで『ジーゼ』とか『ジィゼ』とか呼ぶ。どうやらかなりネナンちゃんも無茶やったみたいだね。
結構彼女はボロボロだ。私じゃないと気づかないだろうけど、彼女の存在……それに傷が入ってる。きっとサンクチュアリの権限……それを無理矢理行使し続けた結果だろう。
だからこそ無理しない範囲でやることか望ましいんだけど、状況が状況だけにしかたなかっただろう。結果的に彼女のおかけで沢山の人が助かってる。
『どうやら世界を解明できたと見てよいのですか?』
そんな通信が入ってくる。アイのやつがなかなかにぼろぼろな姿はちょっとウケる。けどそんな事をいったらまた嫌味が飛んでくるだろう。きっと「いつまで待たせる気ですか?」とかね。
だから私は余計な事は言わずに肯定だけしてあげた。