私は泣いてるネナンちゃんへと近づいてく。ネナンちゃんの両親はなんか最後に私の所に実はきた。そして頭を下げて――
「ありがとうございます」
――そういって消えていった。別に私はあの人達に感謝されるような事をしただろうか? 実際してないような? まあ向こうからしたら最後のお別れをさせてくれたってことになるだろうから、感謝はするか。実際はいつまでだって一緒に入れたんだけどね。
でもそれを知ってるのは私だけだから、彼らは最後の触れ合いをできたことに素直に喜んでたんだろう。でもあんまり純粋に「ありがとう」を聞くと、こっちの胸がチクチクなるっていうね。
それはある。私ってそんなにメンタル強いわけでもないし。悪い事をしてる……
(いや悪いことなんてしてないけど……さ)
実際あれは悪い事――ではないだろう。どっちかというと良いことだ。それは間違いない。でもそこにちょっとした嘘を入れてただけでね。でもそれがあるかないか……で感謝されてもモヤモヤするっていうね。
私が……というかG-01がここまで優秀ではなかったら、私はこんなに胸を痛めることはなかっただろう。G-01め……いや何度も助けられてるG-01を恨むなんてこと無いけどね。
寧ろこれに乗ってる身としては、高性能なのはありがたいことである。なにせ私とG-01は一蓮托生なんだからね。
「うぐ……ひぐ……」
私は泣き続けてるネナンちゃんへと手を伸ばす。そしてG-01の指を一本だけ使って、彼女の頭を優しく撫でる。実際優しく出来てるかな? G-01の指のサイズだと、小指だけでもネナンちゃんを押しつぶせそうだからね。緊張するよ。
このために、最近は殆どやってなかった、シンクロ率100%をやってるくらいである。これなら私の感情を汲み取っての力加減も出来るからね。普通に操縦してだと……流石にこの行為は怖すぎるんだ。だからわざわざシンクロ率100%にした。
でも私は何もいわない。一応設定には忠実なのだ。でもこうやって何も言わずに見守るだけ……ってのもいいだろう。下手にペラペラと慰められても……って感じだろうしね。それにそもそも、私はあんまり気のきいたこと言えそうにないし。
「お父さんと、お母さんは遠くに行ったわけじゃないんだよね……そばにいてくれてるんだよね……ジーゼ様」
私は何も言わないよ。けど頷いてあげた。するとネナンちゃんは涙をゴシゴシと拭いて立あがった。
「もう大丈夫!! ありがとうジーゼ様!!」
その笑顔に私はキュンキュンしたよ。