「危険? そんなの上等だよ!! どんなに危険だって、私はこの不思議を追いかけるよ!」
そんな風にそうそうちゃんはテンション高く宣言した。唾が飛んで、瞳がキラキラしてる。野々野小頭はとりあえず顔についた唾を拭いてこういった。
「あっそ」
そしてとりあえずそうそうちゃんから離れていく。あまりにも興味なさそうなその顔に、時か止まったかのようなそうそうちゃんは野々野小頭の動きをずっと追ってた。そして野々野小頭は自身の勉強机の椅子に横に座ると、その背もたれに肘を置いて拳に顔を預ける。
「けどいきなり消えたりしないでよね。親も周囲も心配するんだからね。そこらへん、ちゃんと肝に銘じててよ。おかしな存在がもしも……もしもいるのなら……だけどね」
「ふふ、ふふふふふ」
なにやらニマニマと笑い出したそうそうちゃん。なんだかんだ言っててもちゃんと心配してる野々野小頭のことが面白いのかもしれない。そんなそうそうちゃんを見て野々野小頭は一言「きも」とつぶやいた。
けどそんなのでは全然そうそうちゃんはめげたりしない。そんなやわな心はしてない。なので「じゃじゃーん」ともう一度パソコンを野々野小頭の前へともっていく。
「実は謎の存在の姿か捉えられた映像があります!」
そういって再び空を映した映像が映る。どうやら定点カメラ的に外を映してるだけみたいだ。それでもビルの光や、車の光がきれいだと思える。それを見てて、そしてそのまま終わる。
「?」
「気づかなかった?」
「何が?」
するとそうそうちゃんが早戻しで動画を戻す。そしてあるところで止めた。そして再び再生する。
「ここら辺、みてて」
そういって動画の中の右上位を示す。さっきは全体をなんとなく見てた野々野小頭はとにかくその一部分だけに注目する。すると……動画が流れて少ししてか、なんかゴミ? みたいなものが流れた。
「ノイズ?」
「違うよ。もっとよく見て。動画のスピードを落としてあげる」
もう一度同じ場面が流れる。確かにスピードが落ちてて、さっきは一瞬だけに見えたノイズがもっとはっきり見える。すると確かにこれはノイズではないらしい。この場面を撮ってるカメラが起こしてる内部的な何か……ではない。だって野々野小頭がノイズと思ったそれはなんか……
「人間?」
「そう見えるよね!!」
ガバッとそうそうちゃんが迫ってくる。でもその動画を夢中で見てる野々野小頭は今度は押しのける……なんてことをせずにその動画見てた。どうやら彼女も興味がちょっとは出てきたらしい。
だって明らかにその人影は飛んでたからだ。