「なんだあれは?」
「最近各地で見かける勇者が使役してる人形の小型のヤツかと」
「何をしてると思う?」
「我らの侵攻を阻もうとしてるのでしょう」
「あの小ささで、我らの進行を阻む? 出来ると思うか?」
「奴らは得体が知れません。あれに力はほぼ感じませんが、ですがそれはあれの大きいのも同じです。我らには計り知れない力を奴らは持っています」
「警戒すべき……か」
「はい」
そんなやり取りを一番前のダンゴムシに乗ってる教会の奴らがやってる。私はホッとしてた。だって事実はただ奴らの目の前にドローンを晒しただけだからね。
実際ドローンに奴らを足止めする機能も、力もない。けど収穫があったね。
「やつら、私達の力を測ることができないのか……」
それは予想外だった。けどそれもそうか……だって私達の力は別世界の存在ということで質が違う。だからこそ教会の奴らの力の測定的ななにかに私達は引っかからないんだろう。だからこそ、余計にドローンを警戒する。
それは大変に助かる。このまま勝手に警戒してくれればいいんだけど……とりあえずなにかやってそうに、シンクロさせてドローンは動かしておこう。そこそこの数がいるから、四角になったりひし形になったり、三角になったり……と意味もなく、組体操的に形を変えていく。
「何を……奴らはやってる?」
「なにかの儀式でしょうか?」
「もしかしたらあのデカいのを呼び出す儀式をしてるのではないか?」「ですが何もエネルギー反応はありません。確かに奴らの力は未知のものですが、エネルギーが上昇すると熱が発生します。それがない」
「それさえも巧妙に隠せるのかもしれないぞ」
「それは……」
どうやらエネルギーが高まる事を感じることは出来るらしい。それを測定する何かがあるんだろう。深読みしてるのはいいが、深読みしすぎて、逆に動きそうだ。
でもどうしようもない。だって警戒はしてほしいが、警戒しすぎてはほしくはない……みたいなこのアンバランスさが大事だからね。難しい……そう思ってた。