暴走してるエネルギーの中、私はG-01を進める。その歩みに迷いはない。それに歩きづらそうにする訳でもない。風とかも強いし、前方からの圧力だってある。普通ならそれこそ一歩一歩を踏みしめるようにしてじゃないと進めないだろう。
けどG-01にはそんな様子は一切ない。ただ普通の道を歩くかのように歩いてる。まあ流石に中心付近は一歩を踏み出すの……なかなかに重いって感じではあった。後ろに押されないように、こっそりとブースターを吹かせたりもしてた。
「させないよ」
私はそう言ってG-01の両手を展開させる。両手のすべての指の先がぱかっと開く。吸収して抑える……というのがいちばん簡単だ。けど、もうこの世界のエネルギーを奪うというのやめたのだ。
なのでもっと別のアプローチを取ることにする。それにいちばん簡単なことに逃げるのは楽だけど、それだと成長がね……自身の成長を促すのなら、やっぱりだけど、別のことをやるのがいい。
今回やるやり方は初めての試みだ。私もこの世界にそれなりに居て、そしてドローン飛ばすことで、この世界の地形を把握し、そして色々な場所のデータをとってる。色々な場所と言っても、この世界ほぼ砂しか無いんだが……それにこれまで色々な奴らと戦闘をしてきた。それこそ砂獣やら教会の連中やら、そして鬼とかだ。それに私は勇者や魔王が戦った奴らのデータだってちゃんとある。
これまでの戦闘で、沢山のエネルギーの波長を収集してる。なので私はこう考えた。外からエネルギーに指向性を与えることで、この爆発をおさえることができるんじゃないか? ってね。かといって、遠くからだと、伝わりづらいだろう。なにせ私とこのドスコイ砂獣には何のつながりもない。
なのでわざわざ近くまできて、そこで拳じゃなく、手のひらを開くことで友好をみせつける。まあ実際、拳は攻撃だけど、手のひらって攻撃的じゃないじゃん。それに手のひらを開いて、さらにその先の指まで開くことで、エネルギーに干渉できる装置をだしたっていうね。
解析してるドスコイ砂獣のエネルギー。それは暴走してるだけあって、激しい波長をしてる。それにを包み込むようにこっちのエネルギーをひろげる。けど絶対に強くはしない。G-01のエネルギーは強大だ。だからこそ、そのまま抑える……って事ができないわけじゃない。けどそれも楽な道。私はもっと自分を高めるために、同調する方法を模索する。
「むむむ……」
頭がいたい。じわりと額に汗がにじむのがわかる。こちらのエネルギーを細やかに操作して、激しく波打ってるドスコイ砂獣のエネルギーと同調させる。そしてそれをゆっくりとなだめていく。最初は高まるエネルギーを横ばいにするだけしかできなかった。けど、少ししたら、それを静かにしていく方向にもっていって、更には今や完全におさえることに成功した。
「ふう、いい勉強になったよ」
私はそう言って、完全に沈黙してる都市核をドスコイ砂獣の体から引き抜いた。