「私達の側……それも王族派になくとかではなく……ですか?」
『はい』
ふむ……まず最初に考えるのはこれが罠とかじゃないのか? ってことだよね。でも……私はモニターを見る。そこにはドローンが映してる彼女の心拍やら呼吸やら発汗やら……そんなデータがある。人は嘘をつくとき、多少なりとも緊張するものだ。それらは目に見えなくても、わずかばかりでも体には変化をもたらしてる。
モニターすることでそれがわかったりもするのだ。それにG-01にはそういう『嘘』をつくときのデータだってあった。だからそれを参考に彼女を観察してるわけだけど……
「嘘はついてないみたいだね」
私はぼそっとそんな風にいう。これはドローンには乗せてない声だから、向こうに届くことはない。嘘……じゃないということは本気? いや、めっちゃ巧妙に……それこそ魔法的な何かで目的をごまかすような……それこそ精神的操作を何かやってる場合はある。
まだこの人……そう目隠しの聖女さんの言うことを信じることはできない。てか気づいたけど……
『そういえば、貴方のお名前は? 教会では上の方の立場ではないのですか?』
聖女とかいってるからね。確かペニーニャイアンが巫女とかじゃなかった? 巫女でかなりの特権階級だったし、聖女なんて……ね。かなりの高待遇なのが想像できる。
「自己紹介がまだでしたね。名前も知らないものを仲間にできないのも仕方ないこと。改めまして私は教会で聖女をさせてもらっております『ミレナパウス』です」
『わかりました。それではミレナパウスさんでよろしいですか? 私はG-01です』
「ジイゼロワン……様、ですね」
なんか言いにくそうにそういう彼女『ミレナパウス』さん。そんなところがちょっとかわいいって思ってしまう。この世界の人達の名前のほうがよっぽど言いにくい名前が多いと思うが……なんか発音の問題なのかな? G-01って言いにくいらしい。まあけどそこにこだわりはないから、余計な事はいわないよ。
『巫女と名乗る人は一人確保してますが、その人から聞いたことから判断するに、聖女という立場はかなり位が高いのではないですか?』
私はこの際だから教会の内部情報でも聞き出そうおもった。いや、結構ペニーニャイアンは喋ってるが、あいつはそう……自身の周りしか知らないから。それこそ本当の箱入り娘なのだ。知識が偏ってるし、そもそもが教会で育って教会の教育に染められた都合のいい巫女なのだ。
実際それとこの人……ミレナパウスさんがちがうのか? と言われたら今の段階では判断できない。だからこそ、こうやって質問することで見極めようと思う。この人の真意……そしてこの人の人となり……をね。