uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

ある日、超能力が目覚めた件 313P

 まずは定番としては映画? いや、平賀式部は女の子なんだからショッピングにでも連れ出した方が? とか色々と野々野足軽は考えてた。一応今回はお詫びのデートになるわけだし、プランだって野々野足軽が頑張って考えるときめたのだ。

 色々と考えた結果、まずは無難に映画にいった。だってショッピングといっても、そこらのショッピングモールで平賀式部が服とか買ってるのかよくわかんなかったからだ。

 なにせ平賀式部はタワマン住まいである。それに更には犬まで飼ってる。タワマン+犬……=成功者のイメージと言うか、方程式の完成だ。なので普通のデパートというか、駅に入ってるようなところとかで買い物なんてしそうにないというか。いや、庶民である野々野足軽にとっては駅にテナントを構えてるのなんてなかなかにお高い価格の店という感覚だ。

 けど平賀式部とかはそうじゃないかも知れない。実際いい服を着てる……なんてのは野々野足軽にはぱっと見ではわかんない。でも安物なわけではないだろう。今だってそうだ。

 

(すっげーかわいいな)

 

 ちらっと隣をみた野々野足軽はそんなふうに思ってデレる。平賀式部は美人だが、まだまだ高校一年生なのだ。幼さも残ってて可愛らしさもある。それに私服である。勿論始めてみた……なんてわけじゃない。

 けどこれまでで一度も同じ服はみたことない。実際クローゼットには服が溢れんばかりにあったし、その中からきっと気合をいれて選んでくれたと思うと、より可愛くみえるというもの……と野々野足軽は思ってた。

 

(見世物ってわけじゃない、ある意味であんまりみてほしくもないけど……でも俺の彼女はこんなに可愛いんだぞって見せびらかしたい気持ちもある……うむむ)

 

 なんか変な葛藤をしてる野々野足軽だ。けどそこでそれも無理なのも自覚してた。なぜかって? 実際平賀式部は歩いてるだけで注目されてるし、きっと一人で待ち合わせ……なんてしてたらひっきりなしに男から声をかけられる……それだけの容姿をしてるだろう。

 けど今だけは……今だけはそういうことにはならないのだ。なぜなら――ざわざわ――ざわざわ――と周囲が騒がしいからだ。そしてそれは平賀式部のせいじゃない。もっと別の人のせい……

 

(なんで……あいつ……)

 

 せっかくのデート、実際もう出会うなんてことはないと思ってた。一日くらいしたら、あの仮面を外してやろう(覚えてたら)とか思ってた野々野足軽。それだけの付き合い。だったのに……

 

(なぜだ!? なぜ、あの仮面をつけてあんな美女を連れてるんだ!?)

 

 なかなかに話題のアクション映画を見たあとに映画館が入ってた建物の中のカフェに入って一息ついた野々野足軽達。なにせ映画の感想は語り合いたいじゃないか――とかおもってたらそこには先客がいた。いや先客は勿論当然だけどいる。もっというと目立つ先客がいたのだ。それが仮面をつけた男とその男にパフェをアーンとしてるきれいな女性だった。

 いや、言い直そう。とてもきれいな女性だった。