uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 965

「くっ」
 
 そんなふうに言いつつ、勇者は聖剣でそれを切った。何が起きてるのかという、四肢を落とした空のなにかはまだ終わってない……ということだ。
 私達をどうにかしたいのなら世界の外の鬼でも引っ張って来るのが一番手っ取り早い。G-01は鬼ではもうどうにもならないが、勇者ならまだまだ苦戦する相手だ。
 それにあの渦……あの空に出来てる渦はどうやら何処かへと繋がってるらしいからね。一度鬼を地上に落としたことがある教会である。
 それならばもう一度やってもおかしくない。でもどうやら鬼……ではないらしい。鬼は世界を作るシステム的な……神の使徒的なかんじだが、あの渦の奥にはもっと別の……邪悪があるような。
 
 まるで地獄の蓋を開けたかのような……そんな感じだ。
 
 渦の奥を見つめてる勇者。何かを感じて、再び聖剣をふるう。見えてないが、感じる手応え。
 
「させない」
 
 見えない敵に対応していく勇者。その場にどっしりと構えて、勇者は聖剣でナニカを弾き返していく。
 
 
 そんな勇者の戦いの下では、パワーアップした砂獣達と地上の人々の戦いが始まってた。大きく、強く、そして巨悪になった砂獣達。それに対して、皆は劣勢になってる。
 皆の勢い……それが完全に死んでる。今まではそれこそ一撃で砂獣たちを殺せた。だからこそ、次から次へと対処することが出来た。けど今はそうじゃない。
 数は圧倒的に砂獣が多いんだ。一体一体に時間をかけてなんていられない。けど適当に相手できるレベルじゃなくなった。だからこそ、追い込まれていく。
 このまま自分たちの可能性に気づかずに彼らが殺されてしまったら、とても困る。劣勢なって……防戦一方になっていくと、どんどんと嫌な考えが巡ってくることだろう。そうなると、きっと仲間の死もどんどん積み重ねなって、そしてそれらが嫌な想像を更に生む……そんな悪循環が重なる。
 
 そうなると再びテンションを上げるのはとても大変だ。自分たちはまだまだやれるんだって気づいてくれないと……
 
「仕方ない」
 
 私は一人の人間をかばった。ドローンでね。危ないところをドローンを割り込ませて助けたのだ。そしてそのまま大破するドローン。
 
「くっ、俺を守って……なんだ?」
 
 大破したドローン。そのパーツが自然と……いやこの場合不自然なんだが、勝手に彼の武器へとくっついてく。そして新たな形へとなって、武器の形状を変えた。
 
「そうか……これで仇を取れってことだな!!」
 
 そんな介錯を勝手にして、彼はドローンの敵討ちの為に、その武器を思いっきり使ってくれた。すると、それによって強力に進化してる砂獣を今までのように切ることが出来た。
 
「凄い! これなら!!」
 
 そう言って彼は次々に砂獣を片付けていく。けど本当は別にあれはパワーアップしたわけじゃない。ただわかりやすく側を変えてみただけである。パワーアップした……と思わせることで、自然と彼の中の力のタガを外したのだ。
 だから誰の武器でもこれだの出力アップは出来る。けどあと何人かは同じようなことをしたほうがいいだろう