『はわわわほわ! 大変です! パンパンですよ! まだやるんですか!?』
『あはは! 人間って面白いな。ずっとやってるよアイツラ。ほらほら』
『やめ! やめてください!』
けどどうやら二人には中々に大変なことだったらしい。実際そこら辺は野々野足軽も配慮をするべきだった。だってあれからずっと彼らは男女の営みをしてる。最初はそれこそ二人だった。けど悪魔は動き出した。
日に日に女性が仮面の男の狭い部屋に増えていく。そして今では四人くらいの女性が常にいて、夜だけに帰ってくる女性も三人位いる。仮面の男はそんな女性たちといつも組んづほぐれつやってる。
その動きを悪魔っ子は真似して笑ってる。そんな悪魔っ子の行動に天使っ子は顔を赤くしてぷんすかやってた。二人は悪魔の女性を監視するために送られたわけだが、既に五日くらい実は経ってた。その間ずっとそばにいて悪魔の女性と仮面の男の行動をみてた。外に行くときもどっちかがどっちかについていってた。
五日も経ってたら飽きてそうとかそろそろ駄々をこねそうな二人だったが、案外面白くやってるらしい。その間、実は一度も野々野足軽の方へと戻ってもいなければ、連絡もしてない。普通なら五日も飼い主? ご主人様? と会えなかったら、さみしさを感じてもおかしくないような気がするが、二人にはそんな感じはなかった。まだまだ生まれたばかりで純粋で、やんちゃな二人だ。そんな子供らしい二人だからこそ、五日も離れてたら我慢できなくなって勝手に帰ってくる……とかもしかしたら野々野足軽は思ってたのかもしれない。
でも野々野足軽もしらなかった。見落としてたといってもいい。それは二人の時間の感覚である。二人はもとは悪魔の力からうまれた。その時の感覚はないが、天使っ子も悪魔っ子も生き物? ではない。きっと野々野足軽がいる限り、二人は生き続けることが出来るだろう。別にお腹も減らないし、排せつ物を出すこともない。そんな二人には人間的な時間の感覚はなかったのだ。だから二人はそんなに時間が経ってるなんて感じてなかった。
長く時間が経ってると感じたら、天使っ子や悪魔っ子の方から野々野足軽へとアクションをしたかもしれない。けど二人はそんな事もしてない。だってそんな事を思ってないからだ。
そんな風に二人はたのしくやってた。そして野々野足軽は毎日世界を回ってた。ドラゴンを倒してから、野々野足軽は新たな力をどうやって活用していこうと考えてた。けどまずは修行だ! という事で、野々野足軽は毎日世界をかっとんで普段から風の声を聴き、そして世界の風を感じる……そんな事を夢中でやってたら、野々野足軽は単純に仮面の男や悪魔の宿った女性の事を忘れてた。
『それで、鍛えるのもいいですが、悪魔は放置したままですか?』
「え? うん? ……あっ」
それはアースが何気にいった言葉だった。けどそれで野々野足軽は思い出したのだった。