「まあけど飛び出せないけどね」
自立的に都市核はハマってる台座から飛び出そうとしてる。けどそれは出来てない。なにせちゃんとロック機構を仕込んでたからね。それに……だ。はっきり言ってあの台座だって私が用意したのだ。そんなやわな材質で作ってない。都市核が放ってる力……それで本当なら台座をぶっ壊し扉へと飛んでいく……とか教会の三賢人達は想定したのかもしれないが、そんな甘くなんてないよ。
実際あの扉が開いたらどうなるのか……ちょっと興味がある。だって無いなんていえない。でも、まだ解析は完璧ではない。その状態で教会に扉を完成させるわけにはいかない。王様達はこの戦いで教会に勝つ――という事を目標にしてる。
「当たり前だね」
そうしないといい思いをするのは教会だけになるからね。やつらは楽園へと行こうとしてる。そしてその扉がアレだと信じてるわけだ。だからこそ、この世界のすべてを生贄にあの扉を開こうとしてる。そしてそんなことになりたくないから王様達教会から離反した皆は頑張ってる。
けど……だ。そもそもがこの世界は時限爆弾みたいな世界である。教会がもしも楽園への道を開かなかったとしたら、それでめでたしめでたしとなるのか……といえば全然そんな事はない。なにせ導火線に火はずっとついてるのだ。それがこの砂だ。この世界は砂が世界を埋め尽くすのが先か、人々が楽園へと脱出のすのが先か……そんな競争をしてる世界なんだ。
だからこそ、ここでただ教会を叩き潰す……とかしただけじゃ足りない。なにせこの世界事態が危ないんだ。私達はこの世界に骨を埋める……なんてことはない。だから別にこの世界事態が時限爆弾だからって関係なんてない。けど、ここまで関わってしまったのなら
、そしてこれだけ皆が頑張ってるのに、勝利したとしてもそれがなんの意味もなかった……なんて嫌じゃん。
だからこそ、私だってこうやって頭を痛めなからなにかないか? とG-01の解析能力をつかって探ってるのだ。やっぱりあの扉が怪しいからね。この世界をどうにかできたらいいんだろうけど、流石にそんな事は無理だ。まあシステムには干渉できなそうだけど……でもそれをやったら流石に神が黙ってないだろう。
なら希望は楽園? 教会が言ってるだけだけど……皆でその楽園に行けるようにできないか? って探ってる。でも大量の命とかを犠牲にして開くあの扉をなかなか信用できないっていうね。そんな気持ちがあるわけだよ。
「でももしかしたらあの扉が繋がってる先は一つじゃなかったり……」
あたりとハズレがあるかもしれない。私的にはあの扉は空間転移的ななにかじゃないのかな? って思うんだ。それで別の世界に送るっていうね。でもそれなら行き先がいくつかあってもおかしくないじゃん。もしかしたら一つに固定されてる可能性はある。まあその世界が本当に楽園なら最悪G-01でハッキングして無理矢理開けて皆を送ってハッピーエンドだ。
けどもしも行く席の世界が楽園なんて言えるものじゃなかったら? この世界は結局はいつまでも居られないのなら、最終的には皆さんをあの扉の先に送ることに成る。それならなるべくいい環境にいってほしい。
まだまだわかることは少ないが、それでももっと深く解析していけばあの扉を知ることが出来て、そしてその先だってわかる可能性はある。それに……だ。それに教会が扉を開こうとその工程を進める度に情報は飛躍的に増えてる。それだけ扉のシステムが活性化してるってことなんだろう。
だからこそ、その直前までどうにかできると思う。
「待てよ、一斉に都市核を手放すのは駄目だけど……一つだけとかなら、解析に有利になるかも?」
私はちょっとそう思った。