uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

ある日、超能力が目覚めた件 417P

 桶狭間忠国の大きな体を叩きまくる悪魔化が進んだ女性。そのなんか刺々しい尻尾でたたいてるから桶狭間忠国の体はどんどんと血が出てきて、赤くなっていってる。けどその肉体……血で染まるその姿の内側ではかなりの青あざになってた。悪魔の尻尾は細くて先っちょがハートの形になってる……なんて可愛らしい尻尾じゃない。
 彼女の腕よりも太い、ごつごつとして刺々しい見た目。まるで骨が連なってるように、関節まで見えるような尻尾。その先っぽはハートではないが、なんかドリルみたいに先端は螺旋になってた。あれを刺せばきっと桶狭間忠国は死んでしまう。けど流石にそれは使う気はないようだ。
 尻尾でバチンバチンと叩くだけで、筋肉ムキムキ、2メートル級の男がふらつくんだ。いや、むしろ桶狭間忠国だからこそ、あの程度で済んでる……と見た方がいいかもしれない。本当ならあんな尻尾が勢いよくたたきつけられたもっと吹っ飛んでもおかしくないのかも。流石にリアルにそんな事……と思ってたけど、桶狭間忠国はリアルではあるがかなりフィクションみたいな体格をしてた。
 
 けどこのままじゃやばい。いくら桶狭間忠国が鍛えてる筋肉ムキムキのマッチョマンだといっても、あんな尻尾にたたかれ続かれると最悪死……の可能性は野々野足軽が見てるからないが、はっきり言ってみてるだけで痛々しい。今や悪魔の女の尻尾には桶狭間忠国の血がついて滴ってるほどだ。
 
「なかなかタフね。見た目は全く好みじゃないけど……せっかくここまで高まったのだから、色々とやってみたいわよね? ねえ、そこら辺の奴でも殺してみなさい」
『『な!?』』
 
 その悪魔の言葉を聞いて野々野足軽は思わずそんな声を出した。だって一線を越えてるだろう。なんの罪もない人を殺せ? そんな事……させられるわけがない。きっと悪魔はその特異な催眠を駆使するつもりだ。桶狭間忠国がいくらそれをしたくなくても催眠に掛かったらやってしまうだろう。
 
 そしてきっと警察とかには「催眠されてました!」なんていっても信じてもらえるわけがない。確実にこの命令を遂行したら桶狭間忠国の人生が終了する。させちゃいけない……絶対に――と野々野足軽は思った。
 
 けど……
 
『まさか突破された?』
 
 十分に警戒してた。それに予め桶狭間忠国には野々野足軽の力を使って守ってたんだ。一応それも悪魔の力が高まった時に強めてた。なのに……突破された。悪魔の催眠の力は、どうやら野々野足軽が想定してた以上に強まってるらしい。
 
「さあ、最初に目にした奴を、男でも子供でも女でも老人でもなんでもいいわ。殺しなさい」
 
 そう告げる悪魔の女。けど……なんか桶狭間忠国は動かなかった。それを不審に思った悪魔の女はせかすようにまた尻尾を向けた。上からたたきつけるようにして命令を遂行させようとする。尻を叩くような感覚なんだろう。
 
「なに?」
 
 ――なんと、なぜか桶狭間忠国はその攻撃を掴んだ。無事な方の腕……いやもうほとんど無事な所なんてないんだが、それでも動く方の腕でそのしっぽを掴む桶狭間忠国。
 
「――ざ――な」
「は?」
「ふざけるな!」
 
 桶狭間忠国は強い意志をその瞳に宿し、握った手では悪魔の女の尻尾を握りつぶしてた。
 
「きゃああああああああああああああああああああああああああ!?」
 
 そんな悲鳴がこの場に響き渡る。