みんなの行動は何一つ、無駄じゃなかった。みんなが一生懸命頑張って、だからこそ、繋がる命がある。みんながその熱を感じてた。その場にいるみんなだ。草陰草案が放った癒しの……いやその時はただ夢中で放った力。それらがこの場にいるみんなの中に染みていく。
その時、アンゴラ氏は目をカッと見開いた。その熱が深く深くに沈んでいこうとしてたアンゴラ氏の意識をひっぱりあげて、彼はもう一度悪魔のような女性に手を向ける。そこにはもう何にもなかった。何も投げるものなんてなかった。けど……いやその手には不思議な……彼が独自に作った文字が手の甲にあった。彼自身の血でつづられたその文字が光って、悪魔のような女性に炸裂する。
「がはっ……ヒュッ――ぜぇあ! ぁあ……」
それぞれ反対に吹っ飛んでいくアンゴラ氏と悪魔のような女性。解放されたアンゴラ氏が空気を求めて息を吸ってる。そしてその間に、ダメージを受けた悪魔のような女性へと桶狭間忠国が迫る。彼だってかなりのダメージを受けてたはず。確かに草陰草案に直してもらったが、体力までは……とかだったけど、彼はさっきよりもさらに鋭く動く。桶狭間忠国の中にもその熱がたぎってるようだ。
アンゴラ氏は回復事態はしてない。けど、彼は自身の力を込めたチョコレートを一気に口に流し込んで、その内側から力を浸透させていった。彼の肌に現れる赤い線。それは力が血管を通ってるからなのかはわからない。
でも、一時的にでも彼はアスリートが時々入るといわれてるゾーンに至ってた。自身の腕に綴った紋。それが有用だったことに気づいたから、彼はその体に自身が信じるオリジナルの紋を刻もうとしてる。
(今までで一番、力の使い方がわかる……)
アンゴラ氏は動いた。まずは一つのガムをその手に置いた。人差し指に板ではない、カプセル型のガムを置く。そしてそれを親指で弾く。するとそれが激しい音を出して弾いたガムの色を拡散させながら進む。
「がっ!? あぁあああ!!」