uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 653

「勇者殿! ありがとうございます!!」

 

 そういうのはこのサーザインシャインインラで唯一まともな部隊をまとめてる隊長だ。『メリアス・アルドパルト』がこっちに手を振ってる。かなりボロボロになってるが、彼は見た目ほどに疲れては居ないのか、まだ元気なようだ。

 けど……

 

(流石に周囲は彼ほどに丈夫じゃないか……)

 

 多分だが、彼はとても特殊なんだろう。それこそ二十代という若さで部隊長までなってるくらいにとても才能がある。周囲がついていけなくて当然かもしれない。実際の所、ちょっとしかまだ話してなんか無いはずだが、彼は特殊……いや特別なのだとわかる。

 自分の様な魔法を使えるものから見たら、彼はとても大きな力を宿してる……とわかる。まあ彼は魔法なんて物を使えるわけではない。それに彼が特別な感じの存在だと言っても、自分や魔王が色々と教えたジャルバジャルやアズバインバカラの兵士達に及ぶかどうか……彼はまだ血浄しかパワーアップ手段をしらないだろうからね。

 事実今もずっと血浄を使ってる。その馴染み具合というか、それで引き出せるパワーが他とは段違いな感じはあるが……それでも血浄ってのは教会がいやいや与えた魔法の様な物。ある意味魔法の一旦である。

 教会は用心深い。血浄には色々と制限があることが自分たちの調査で判明してる。それこそ一定以上のブーストがかかることがないようになってる。それはきっと血浄を使いこなすやつが自分たちよりも強くならないようにするストッパー的な機能なんだろう。だからこそ、血浄でのパワーアップには限界がある。

 

(どういうことなんだろうか?)

 

 血浄でのパワーアップには限界がある。あるはずだが、彼『メリアス・アルドパルト』さんはそれを突破してる気がしてならない

 

「メリアスさん、大丈夫ですか? その……無理とかしてないですか?」

 

 テンション的には彼はとても元気に見える。けどもしかしたらとても疲れてるかもしれない。てか血浄は効率が良い力でもないし……メリアスさんほどに力を引き出してるとしたら、それだけ消耗も激しくなってておかしくない。

 

「無理なんていつもしてます。けど……市民が安心してくらせるようにするためなら、いくらでも無理しますよ」

 

 そういうことではなかったが……彼の目はとてもキラキラしてる。勇者の自分からみても、彼は眩しい……と思えるほどにまっすぐだ。これだけ真っ直ぐなら、ある意味でこのサーザインシャインインラの上層部とかからは嫌われてるんじゃないだろうか? なにせ不正とか、悪どいこととかめっちゃ嫌いそうだし。

 ある意味で彼がこうやってここに存在してるのはなかなかに奇跡かもしれない。もしかしたら彼を邪魔だとおもう奴等は何回も彼を消そうとしてたのかもしれないが、それを乗り越えてここにいるとか……そして別にメリアスさんはそれに気づいてないとかありそう。

 

「血浄は長くは持たないはずですけど」

「我々は血浄を重ねがけしてますから」

「あっ、そうなんですね」

 

 なるほど……とか思ったけど、そんな事できるの? しかもそんな事したら更に消耗は早くなるような……それでもメリアスさんはともかく、その部下たちもまだ動けてるんだから凄い。とりあえず自分は彼等に回復魔法をかけることにした。

ある日、超能力に目覚めた件 15P

(落ち着きなさい。感情のままに力を使うと向こうでも――)

 

 そんな声は光にかき消えた。そして光が収まると、息を切らしてる野乃野足軽がいた。

 

「はあはあはあ……」

(まだまだ未熟で良かったですね)

 

 そしてその水で出来た女性も普通に居た。どうやらさっきの光では倒せなかったらしい。そもそもそういう存在なのかも分からないが……

 

「お前は……一体……なんなんだ?」

 

 息を切らしながら野乃野足軽はそう言うよ。ものすごい疲労感で、怒りに飲まれてた心が戻ってきたらしい。

 

(私がなにか……それは私自身も良くわかっていません。ただ私はずっとこの星を見守ってきました)

「それって……一体。お前はアクアではないのか?」

(アクアというのが私に貴方の事を教えてくれました。だからそのアクアというのと私は別と思います)

「教えてくれた……ということは、会ったのか?」

 

 今の発言から野乃野足軽はそう思った。だって教えてくれた――その表現は会ったことがあるって表現ではないだろうか? 

 

(いいえ、私も驚きました。私にいつの間にか私じゃない記憶があったのですから)

「どういう事?」

 

 なにそれ? と野乃野足軽は思った。いつの間にか自分のじゃない記憶がある? それなんて中二病だ? 野乃野足軽は目の前の存在を訝しむ。

 

(俺を混乱させようとしてる? アクアは実はこいつに囚われてるとか? それで力を得た俺を殺しに来た存在がこいつって事? でもそれなら、既に目的は達してるはずだ。わざわざこんな場所まで来る必要なんてない……か?)

 

 野乃野足軽は目の前の存在が何なのか、それを考える。けど結論が出るわけじゃない。

 

(貴方が言うそのアクアというのは僅かな水に貴方の力を与えた存在ということでよろしいですか?)

「そうだと思うけど……」

(それなら落ち着いて聴いてほしいですが、そのアクアという存在は私という存在に溶けたのかもしれません)

「溶けた? それって……」

(落ち着いてください。別に私が食べたとかそういうわけではないです。ただ私に貴方に関しての記憶があるということはそういう事だろうということです。私はこの星と共にずっとあるので。ですが人を一人一人認識することはありませんでした。

 その認識を溶け込んだ植え付けた存在。それがアクアなのでしょう)

「???」

 

 何が何んだかわからない……という顔を野乃野足軽はしてた。それを観て表情がないその水の彼女も考える。

 

「つまりは私のほうが存在として上位なので私が残り、貴方が生み出したアクアは星に溶けたのだと思います。その時にアクアが溶けたことによって、その記憶が私へと流れたのでしょう)

「それで興味が湧いて俺の所にきた……いや殺しに来たってことか? この星は、俺の様な力をもった存在を許さないと……」

(別にそんな事を思ってません)

「じゃあなんで俺を殺したんだ!!」

(まだ死んでません)

「え?」

(貴方はまだ死んでは居ません。ようやく伝えられました)

 

 そう言ってなにやら頭を押さえるような動作をする水で出来た女性。それを聴いて野乃野足軽はぽかんとしてる。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません) 運命という世界線を壊せ 652

 市街の教会の方へと自分たちは急ぐ。眼の前の……いや目についた砂獣は片っ端から薙ぎ払っていく。建物を駆け、地面をえぐり、そして空さえも走る。

 

「急ぎましょう」

「すげえ……」

 

 一緒に連れて言ってる誰かがそんな事を呟いたのが聞こえたが、自分は聞こえないふりをした。別に馬鹿にしてるとか、そんなのではない。ただ今は皆を守って目的地につくことが大切なだけだ。

 生き残りは十人くらいしか居ない。彼等を守りながら進んでるから、大変……ってわけでもないが、次々と砂獣が湧いてくるからな。そんな事を考えてる間にも、自分の周囲に浮かんでる光の弾が背後の砂獣に飛んでいく。そして当たったと同時に白い炎が立ち上がって灰にする。なにせ砂獣共はしつこい。生命力と言って良いのかわかんないが、奴等はしぶといからな。

 こうやって確実に殺しておく必要がある。ちなみにだが、この自身の周囲に浮かんでる光の玉を制御をしてるのは自分じゃない。自分の中にいるノアがやってる。

 

(やってやりましたよ旦那!!)

 

 とかいってくるのがうるさい。なんとか仕事をしようと必死なようだ。きっと自分へのポイントを貯めようとしてるんだろう。一度反乱してるからな。そんな事を思ってると、聖剣が自分を引っ張るように動く。

 

「おい、ちょっ――」

 

 そのまま突き進んで通路を進んできてた砂獣に突貫して風穴をあける。昔は聖剣はこんな自由に動くなんてことはなかった。けど……最近、自身の中のノアに聖剣が対抗心を燃やしてる気がしてならない。

 まあお互い意識合って、より高みにいってくれるのなら文句はない。ただ真ん中にいる自分がなかなか大変だが。そんな事を思いつつ教会を目指すと教会の周りに、飛んでる沢山の砂獣が見えた。いや近づくにつれて「プーン」という音が大合唱してたからわかってたが……人間サイズの蚊が教会周りに屯してる。

 騎士の人たちと相性が悪い飛行タイプが囲んでるとかどういうことだ? コイツ等に知性なんてものは無いはずだが……それかこの波を起こした教会の意思? この建物内にいる人達を一人残らず殺そうって意思があるのか? 

 

「ひえっ!?」「なんだあれ?」「あんなのの場所に行くのか?」「あれはもう駄目じゃ……」

 

 とか聞こえる。とりあえず自分はそんな弱気な言葉には耳を傾けずに、「まっすぐに走ってください!」とだけ言って、先に出る。そして聖剣を形態変化させ、しなるような形状にして一気につこっんだ。そして教会の建物の屋根の上で、そのしなる聖剣を振り回し、ものの数秒で教会の建物を囲んでた蚊を一掃してやった。

UENOUTAのお絵描き動画! 『小野町春香 色塗り編2』

youtu.be

 

 いやー数週間ぶりでごめんなさい。なかなか進まなくてね。モニター設置したり、それに合わせて部屋を模様替えしたりしてたらね。

 お陰でかなり満足度的には高いです。コードはごちゃごちゃですけどね。しかたない。これはもうどうにも出来ないなって思った。

 

 そのうちモニターの動画もあげます。かなり満足度的には高いです。模様替えもして、今まで寝てた場所も変えて、マットレスも高いやつにそのまま寝ることしました。動画でも言ってるけど、なんかめっちゃ腰が痛くなって。

 それは多分安い方のマットレスの中身を敷いて寝たせいだとおもう。だからもうやめました。やっぱりちゃんと高いの使わないとね。

 でも腰が居たいとプランクがつらすぎてやばかった。腰にめっちゃアレくるね。

 

 最近は新しく買ったモニターでYou Tubeを六窓くらいしてます。だってできちゃうからね。六個表示させても全然アイパッドよりもでかいっていうね。最高です。まあ音はその中の一個しか出せないんですけど。

 

 途中から画角が変わってましたけど、これからのお絵かき配信はあの感じで行きます。てかどうしようもなかったです。

 というわけでこれかもよろしくです。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 651

 決断して、そして動き出してからは早いものだ。けどサーザインシャインインラを囲んでる砂獣はそれこそ逃げ道一つなく包囲してる。そして既にサーザインシャインインラの中へと入り込んでしまってる。もうちょっと持つかもとか思ったが……それはどうやら期待外れだったようだ。サーザインシャインインラの軍隊は一瞬で……いやもっと言えば、防衛線を貼る前にすでに崩壊してた。

 どういうことかと思うかもしれないが、それが事実だ。彼等はどうやら軍隊という名を冠してるだけのただの一般人の集まりだったのかもしれない。そういう訳で、戦線というものはなく、既に砂獣が街を蹂躙してる。なんとか今は外に出てた軍の奴等だけの被害で済んでるのは波がはじまっても侵攻自体は遅れてたからだろう。

 あの金色の鬼を待ってたのかどうなのかは分からないが、アレが出てきてから砂獣達は侵攻を始めたのは確かで、あれが特別に強力というのもわかる。それだけ膨大な量の力を宿してる。だがあの鬼自体は侵攻はしてきてない。まずは砂獣達が……と言うつもりなのかもしれないが、ハッキリ言って、周囲の砂獣達で決着がつくくらいに、ここの軍は軍の体をなしてない。

 もう既に軍は崩壊してるし、あと残ってるのはまともな隊長が率いてるところだけだ。だがあそこもこのままでは時間の問題だろう。なにせ一部隊と、町を飲み込むほどの砂獣の大群……幾らこの世界の人達が屈強だと言っても、それは魔法の補助とかには敵わない。

 頑強で、スタミナも自分の世界の人たちよりも確かにあるが……それは著しく違うって訳じゃない。誰しもが、まともに鍛えてる程度って感じ。だからスタミナは当然有限だし、さすがにずっと動き続けることなんて出来ない。

 

「大丈夫か?」

 

 既に橋を渡っていくつかの砂獣は中央の宮殿までたどり着いてる。けど、まずは周囲で守るべき所がある。それに宮殿は流石に偉い奴等が集まってるだけあって、秘密兵器的な物があるみたいだ。あの橋に設置してた砲台の様なそれだ。なにかいくつかの宮殿から針? みたいなのが出てきて、それが雷撃みたいなのを展開して、砂獣を近寄らせないようにしてる。

 アレなら今の砂獣たちを相手にするのなら、そこそこもつだろう。けどこっちがわ……市街側で避難してる教会の方は無防備だ。一応教会という施設なんだから、なにかあってもいいと、それこそ宮殿のような秘密兵器があってもいいとさえ思うが、どうやらそんなのはまったくないみたいだ。貧乏人は不要ということかもしれない。

 とりあえずここはもうだめだろう。今助けられる人たちはなんとか守ることが出来た。それならば彼等を連れて、避難先の協会に行くべきだろう。そこにはまだここでまともな部隊が戦ってる。そこに合流して、残りの戦力を集結してるところだ。自分はそのために一人で生き残りを助けたところだ。

 

「それじゃあ、そこまで行ければ助かるってことですか!?」

「いや、できれば君達にもまだ戦ってもらいたいんだけど……」

「我々……にも……」

 

 そういう生き残りの彼等は真っ青になってる。それ観て思った。彼等はもうだめだろう。戦う意志が……気力がない。再び剣を取ったとしても、砂獣を前にするときっと体が震えだす。なにせ……心がもう負けている。わからせられてると言ってもいい。戦うときに一番何が大事か……それは勿論強さとか技術とかあるかもしれないが、本当に一番大切なのは立ち向かうべき心だ。

 それがないと、どんな力だって技術だって活かすことは出来ない。そしてそんなものがなくても立ち向かう奴は、そもそもが気持ちだけで行ってるるわけで、そいつ等はきっと死を意識なんてしてないだろう。

 でも彼等はもう違う。死を感じて……死を意識せざる得ないようになってしまってる。時間をかければ、その症状は改善する可能性はある。でも今は無理だ。今日という日でそのトラウマを克服なんて無茶がすぎる。

 

「すみません。無茶を言って。後は我々が対処します。あなた達はせめて、避難してる人たちを守ってください」

 そういうしか出来ない。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 651

 決断して、そして動き出してからは早いものだ。けどサーザインシャインインラを囲んでる砂獣はそれこそ逃げ道一つなく包囲してる。そして既にサーザインシャインインラの中へと入り込んでしまってる。もうちょっと持つかもとか思ったが……それはどうやら期待外れだったようだ。サーザインシャインインラの軍隊は一瞬で……いやもっと言えば、防衛線を貼る前にすでに崩壊してた。

 どういうことかと思うかもしれないが、それが事実だ。彼等はどうやら軍隊という名を冠してるだけのただの一般人の集まりだったのかもしれない。そういう訳で、戦線というものはなく、既に砂獣が街を蹂躙してる。なんとか今は外に出てた軍の奴等だけの被害で済んでるのは波がはじまっても侵攻自体は遅れてたからだろう。

 あの金色の鬼を待ってたのかどうなのかは分からないが、アレが出てきてから砂獣達は侵攻を始めたのは確かで、あれが特別に強力というのもわかる。それだけ膨大な量の力を宿してる。だがあの鬼自体は侵攻はしてきてない。まずは砂獣達が……と言うつもりなのかもしれないが、ハッキリ言って、周囲の砂獣達で決着がつくくらいに、ここの軍は軍の体をなしてない。

 もう既に軍は崩壊してるし、あと残ってるのはまともな隊長が率いてるところだけだ。だがあそこもこのままでは時間の問題だろう。なにせ一部隊と、町を飲み込むほどの砂獣の大群……幾らこの世界の人達が屈強だと言っても、それは魔法の補助とかには敵わない。

 頑強で、スタミナも自分の世界の人たちよりも確かにあるが……それは著しく違うって訳じゃない。誰しもが、まともに鍛えてる程度って感じ。だからスタミナは当然有限だし、さすがにずっと動き続けることなんて出来ない。

 

「大丈夫か?」

 

 既に橋を渡っていくつかの砂獣は中央の宮殿までたどり着いてる。けど、まずは周囲で守るべき所がある。それに宮殿は流石に偉い奴等が集まってるだけあって、秘密兵器的な物があるみたいだ。あの橋に設置してた砲台の様なそれだ。なにかいくつかの宮殿から針? みたいなのが出てきて、それが雷撃みたいなのを展開して、砂獣を近寄らせないようにしてる。

 アレなら今の砂獣たちを相手にするのなら、そこそこもつだろう。けどこっちがわ……市街側で避難してる教会の方は無防備だ。一応教会という施設なんだから、なにかあってもいいと、それこそ宮殿のような秘密兵器があってもいいとさえ思うが、どうやらそんなのはまったくないみたいだ。貧乏人は不要ということかもしれない。

 とりあえずここはもうだめだろう。今助けられる人たちはなんとか守ることが出来た。それならば彼等を連れて、避難先の協会に行くべきだろう。そこにはまだここでまともな部隊が戦ってる。そこに合流して、残りの戦力を集結してるところだ。自分はそのために一人で生き残りを助けたところだ。

 

「それじゃあ、そこまで行ければ助かるってことですか!?」

「いや、できれば君達にもまだ戦ってもらいたいんだけど……」

「我々……にも……」

 

 そういう生き残りの彼等は真っ青になってる。それ観て思った。彼等はもうだめだろう。戦う意志が……気力がない。再び剣を取ったとしても、砂獣を前にするときっと体が震えだす。なにせ……心がもう負けている。わからせられてると言ってもいい。戦うときに一番何が大事か……それは勿論強さとか技術とかあるかもしれないが、本当に一番大切なのは立ち向かうべき心だ。

 それがないと、どんな力だって技術だって活かすことは出来ない。そしてそんなものがなくても立ち向かう奴は、そもそもが気持ちだけで行ってるるわけで、そいつ等はきっと死を意識なんてしてないだろう。

 でも彼等はもう違う。死を感じて……死を意識せざる得ないようになってしまってる。時間をかければ、その症状は改善する可能性はある。でも今は無理だ。今日という日でそのトラウマを克服なんて無茶がすぎる。

 

「すみません。無茶を言って。後は我々が対処します。あなた達はせめて、避難してる人たちを守ってください」

 そういうしか出来ない。

ある日、超能力に目覚めた件 14P

(ここは……)

 

 なにが起きたのか……野乃野足軽はわかってない。だから一つ一つ思い出そうとする。なんか不思議な空間に今、野乃野足軽はいる。まるで宇宙かのような……真っ暗で周囲に光がある。そして野乃野足軽はふわふわと浮いてた。だからこそ宇宙だと思ったわけだけど……さっきまでのことを思い出していくと、一つの結論にたどり着く。

 

「もしかして、俺、死んだ?」

 

 思い出したらそんな気がしてきた。だって溺れたし……あの苦しさも同時に思い出されてくる。思わず喉を手で掴んでみて、自分はちゃんと息をしてるのか……それを確認する野乃野足軽

 

「できてる……けど、これがあの世とも限らないしな」

 

 あの世がどんな所なんてのは野乃野足軽も知らないが、ここがそうじゃないとは言えない。なにせあの苦しさは本物で、いつの間にか彼はこんな場所へといる。どう考えても異常事態だ。それにそもそもがこの宇宙空間みたいな場所で息できてるもおかしい。だからこそ、もう自分には肉体が無いのでは? と思ってた。

 

(危ないところでした)

「お前はさっきの!」

 

 なんかこの宇宙空間みたいな場所にさっき野乃野足軽を窒息死させた存在が現れた。勿論野乃野足軽は警戒する。まさかこんなところまで来るなんて……って感じだ。

 

(落ち着いてください。ようやく言葉が伝わるようですし、話し合いましょう)

「さっきだってこっちは話そうとしてたよ。それをお前は……」

 

 野乃野足軽のその言葉は最もなものだ。いきなりあんな最小の力で最大の殺し方? いや最適な殺し方をされたら、警戒するなという方が難しい。寧ろこれで簡単に野乃野足軽が「あっ、そうだったんだ」とか言ったら、どれだけ脳内お花畑なのかと言うことになる。

 

(あれは貴方がパニックになるから。死ぬのは想定外です)

「え? やっぱり俺、死んだの?」

 

 衝撃の事実にショックを受ける野乃野足軽。まあけど、死んだと言われてショックを受けないやつなんて居ないだろう。たしかに野乃野足軽は死んだかもしれない――とは思ってた。けどこうやって他のやつからそんなふうに聞かされるとショックというか……確定されたみたいで悲しいやらだ。

 なにせ野乃野足軽は今が人生で一番楽しかったまである。だって今まではぱっとしない人生だった。別に不満があったわけじゃないが、今は毎日が刺激的で、そして可能性ってやつが無限大に見えてたんだ。

 野乃野足軽はそれまでは自分の将来ってやつがある程度見えてた。まだまだ高校生なんだから――と大人は言うかもしれないが、このくらいの年になると、自分が特別ではないと……そして社会の仕組みなんてのもわかってるだろう。

 だから高校生なんてのは大人が思ってるよりも現実的なんだ。それは野乃野足軽もそうで、このままなら、適当な大学に進学して、そして適当なブラックじゃない企業に就職して、そして無難を人生を選択するってのは野乃野足軽自身が一番わかってる。なにせ自分自身のことだからだ。けど、ここ最近は違ってた。もっと違う未来……いや今までとは全く違う世界が見えてた。

 魔法とかそれこそ意味不明な力なんてのは結局物語の中の空想上の産物でだけでしか無い――そう思ってた力が実際にあったことを野乃野足軽は実感できた。だからこそ、この普通の人生に刺激が出来た。

 これからはきっと違う毎日が続いていくんだと思ってた。でもそんな矢先に死んだなんて……残念でならない。そしてその原因が目の前にいるんだ。恨みが溢れ出すのも当然というものかもしれない。

 

(ええっとですねそれは……)

「お前が……俺を……ようやく、これからだって思ってたのに……これからきっと色んな事ができたと思ったのに……」

(おおお落ち着きなさい。話を聴いて……)

 

 野乃野足軽の体からはなにやら青白い光が沸き立っていた。髪の毛が逆だってそしてその瞳が光ってる。

 

「お前が! 俺を!!」

 

 その瞬間、体から湧き出た光が周囲に放たれる。