uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

ある日、超能力に目覚めた件 98P

 昼休み。学校中がざわめいている。けど等の本人はチャイムが鳴るやいなや動き出す……なんてことはしてなかった。山田先輩はまずは友達のところでちょっとしたおしゃべりをしてる。

 けどそれもほんの数分。それも今日は一緒に飯は食えないからって……そんな事をクラスの半分くらいの奴らにいってた。実際クラスメイト半分と一緒に食事をしてる……とかではないだろう。

 普通は多くても五人とか六人とか……流石に昼休みに十人単位で集まって食事をしてる奴らなんていないだろう。なのにそれだけの人に声をわざわざかけるのは、別に一緒に食事にするわけじゃなくて、ただ誘われる前に自分から申告して他の人達への気遣いを見せてるってことなんだと思う。

 そもそもが一緒に食事をする友達がいない野乃野足軽には無用な気遣いすぎて理解できない。大人気である山田先輩はきっと昼休みになると、沢山の人たちから食事の誘いが来るんだろう。それこそ男女問わず。

 だからああやって、沢山の人に断りを事前にいれてるってことだと思う。人気者は行動一つとっても監視されてるような物……それに人気者ほどに、がっかりされる様な行動をとると、一気に評価が下がってしまう。

 それこそ不良がちょっと良いことをやると評価がバク上がりするのと逆である。なんか理不尽な世の中だと思うが、そういうものなのだ。きっと人間がそういう風にできてるってことなんだろう。

 そうやって沢山の人に断りをいれて、ようやく山田先輩は教室を出た。けど、それだけでは済まないらしい。なんか昼休みで廊下に出てた人たちに声をかけられてる。しかも男子は面白がって声を掛けて、応援するような声もあるが、女子はなんか明らかに時間を取らせようとしてるフシがある。

 そんな人達に丁寧に、相手が不快にならない対応をしていく山田先輩はなかなかに根性がある。

 そうやって結局山田先輩は昼休みの半分くらい過ぎたあたりで平賀式部の教室までたどり着いた。流石に三年生の階を過ぎたら声を掛けられることもなくなった。下級生は上級生にそんな簡単に声をかける……なんて出来ないからだろう。

 

「ふう」

 

 そんな空気を一回はいて、山田先輩は教室の扉を開いた。そしていうよ。

 

「平賀さん。ちょっといいかな?」

 

 限りなく爽やかに、そしてイケメン度が高い声かけだった。教室の中にいる女子たちがちょっとざわめいてる。けどそれに応える人物はこの場にはいなかったのだ。そもそもが平賀式部は最近は教室で食事を取ってない。でも素早くこの教室まで来てたらまだ可能性はあっただろう。いつもなら。でも今日は、四時間目の授業中に野乃野足軽に付き添って平賀式部は教室を出て、保健室に行ってしまった。

 その時点で、この邂逅はなり得なかったのである。

ある日、超能力に目覚めた件 98P

 昼休み。学校中がざわめいている。けど等の本人はチャイムが鳴るやいなや動き出す……なんてことはしてなかった。山田先輩はまずは友達のところでちょっとしたおしゃべりをしてる。

 けどそれもほんの数分。それも今日は一緒に飯は食えないからって……そんな事をクラスの半分くらいの奴らにいってた。実際クラスメイト半分と一緒に食事をしてる……とかではないだろう。

 普通は多くても五人とか六人とか……流石に昼休みに十人単位で集まって食事をしてる奴らなんていないだろう。なのにそれだけの人に声をわざわざかけるのは、別に一緒に食事にするわけじゃなくて、ただ誘われる前に自分から申告して他の人達への気遣いを見せてるってことなんだと思う。

 そもそもが一緒に食事をする友達がいない野乃野足軽には無用な気遣いすぎて理解できない。大人気である山田先輩はきっと昼休みになると、沢山の人たちから食事の誘いが来るんだろう。それこそ男女問わず。

 だからああやって、沢山の人に断りを事前にいれてるってことだと思う。人気者は行動一つとっても監視されてるような物……それに人気者ほどに、がっかりされる様な行動をとると、一気に評価が下がってしまう。

 それこそ不良がちょっと良いことをやると評価がバク上がりするのと逆である。なんか理不尽な世の中だと思うが、そういうものなのだ。きっと人間がそういう風にできてるってことなんだろう。

 そうやって沢山の人に断りをいれて、ようやく山田先輩は教室を出た。けど、それだけでは済まないらしい。なんか昼休みで廊下に出てた人たちに声をかけられてる。しかも男子は面白がって声を掛けて、応援するような声もあるが、女子はなんか明らかに時間を取らせようとしてるフシがある。

 そんな人達に丁寧に、相手が不快にならない対応をしていく山田先輩はなかなかに根性がある。

 そうやって結局山田先輩は昼休みの半分くらい過ぎたあたりで平賀式部の教室までたどり着いた。流石に三年生の階を過ぎたら声を掛けられることもなくなった。下級生は上級生にそんな簡単に声をかける……なんて出来ないからだろう。

 

「ふう」

 

 そんな空気を一回はいて、山田先輩は教室の扉を開いた。そしていうよ。

 

「平賀さん。ちょっといいかな?」

 

 限りなく爽やかに、そしてイケメン度が高い声かけだった。教室の中にいる女子たちがちょっとざわめいてる。けどそれに応える人物はこの場にはいなかったのだ。そもそもが平賀式部は最近は教室で食事を取ってない。でも素早くこの教室まで来てたらまだ可能性はあっただろう。いつもなら。でも今日は、四時間目の授業中に野乃野足軽に付き添って平賀式部は教室を出て、保健室に行ってしまった。

 その時点で、この邂逅はなり得なかったのである。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 735

「ちょっと試して見るだけだから許してね」

 

 私は眠ってるネナンちゃんを保護膜で守ってから、優しく放り投げた。あくまでも優しくだよ? ブォン!! とか言う風に思いっきり投げてるわけじゃない。優しく、あくまでも優しくふんわりと、私は投げたのだ。これは虐待ではない。

 ちゃんと保護膜で守ってるしね。あの保護膜は私の未熟な魔法ではなくG-01の機能としてあるちゃんとした代物である。一時的に耐物理に耐反物質とかに効果的な保護膜だ。反物質が何かというと、なんか魔法的な特殊な攻撃のことらしい。それにウイルスとか、そういうのも含まれる。つまりはなんでも守ってくれるすごいバリアだと思ってくれるとわかりやすいだろう。

 滅茶苦茶なチートバリアじゃん……と思われるかもしれないが、これは実は標準装備である。そもそもがこのコーティングはG-01には標準でついてるからね。でもG-01だって破損してたりするわけで、決して万能で完璧なバリアってわけじゃない。

 けどまあ私が駆けつけるだけの時間は稼げる代物ではある。そこらの普通の世界で現地人が使うような魔法やら技術やらで再現できるものではないからだ。けど流石に鬼に対しては不安はある。

 なにせ鬼はG-01でも苦戦するほどの相手だからだ。でもこれは仕方ないのだ。本当にあの鬼がネナンちゃんに危害を加えないのか……それを判断するためには。なにせ私が守ってたんでは、わかんない。

 本当にこの鬼二体がネナンちゃんの両親だとするなら、ネナンちゃんに危害を加えるはずがないじゃん。けどもしも何らかの危害を加えるとするなら……なに? バリアで守ってたら、何もできないじゃんって? 大丈夫、あのバリアは優しく接すれば発動することはない。もちろん、命を害するようななにか……それこそ目には見えないナニカだとしても、自動で防ぐ高性能ぶりである。

 でも本当に慈しむ心と思いがあるのなら、発動なんてしない。いや、それは嘘だけど……流石にそこまでの心の機微とか感じる機能はない。けど攻撃かそうじゃないのかの判断くらいは出来る。

 

「どう出る?」

 

 やっぱりだけど、鬼二体はネナンちゃんの方に気を取られた。いつもならこの隙きに一体を落とすという動きをするのが賢いやり方だろう。G-01ならそれが出来るしね。でも今回はそんなことはしない。

 あくまで見極めるためにしたことだからだ。鬼はネナンちゃんの方にいってやっぱりだけどその口を開く。しかもなんか二体同時に開いて、二体同時に迫ってく。そしてアホなのかもしれないが、二体同時に行ったからだろう、

 なんか二体の顔面がぶつかってた。

 

「アホか」

 

 私は呆れてそんな風に呟いたよ。

ある日、超能力に目覚めた件 97P

「大丈夫?」

 

 そう言って来てくれたのは平賀式部だった。野乃野足軽の様子がおかしいことを心配してくれたんだろう。いつもはそこまで……というか声をかけるとか言うのは極力避けてる二人である。なにせ周囲に疑われてるんだ。下手に親しい間がらなんだと喧伝するようなことは避けてた。

 けど流石に今回はちょっとおかしいと平賀式部も思ったんだろう。それにクラスメイトが体調が悪いときに心配するのは普通の事……むしろ無視するほうが心象としては良くないだろう。それに一番野乃野足軽に近いのは自分なんだ……という自負も平賀式部にはあった。

 実際は平賀式部は左隣で右隣にもクラスメイトはいる。その人もちょっとおかしいのは気づいてたけど、平賀式部は先を制したのだ。平賀式部は目ざとく気づいてた。だからこそ……

 

(この役目を譲るわけないでしょ)

 

 とか思ってる。これなら大っぴらに話しかけても大丈夫なシチュエーションだからだ。なにせ普段から平賀式部はフラストレーションを溜めてる。本当はもっと野乃野足軽と話したいし、一緒にいたいって思ってる。

 でも平賀式部にとって、周囲は煩すぎる。やりたいことも周囲の目を気にしてできないのがもどかしいと思ってる。だからこそ、このチャンスを逃すことはしなかった。

 

「大丈夫、だいじょう――ぶ」

 

 野乃野足軽は辛そうながらもそういった。なんかいきなり顔を逸らされてちょっとショックを受ける平賀式部。実際、今アースのせいで色々と見えてしまってる野乃野足軽は丁度今朝の平賀式部の着替えシーンが脳裏に見えてそのせいで、平賀式部を直視出来なかっただけである。

 実際、一人称視点で見えてるんだから、その人が体を見ようとしないと野乃野足軽にだって見えはしない。視点を操作出来るわけじゃなく、ただ記憶を強制的にアースが野乃野足軽におくってるだけだからだ。

 けど着替えを確認したり、自分の容姿を確認したりと女の子の部屋には鏡はあるだろう。そして平賀式部程のお金持ちの家なら姿見クラスの鏡があるわけで、当然平賀式部はそれの前で着替えてた。それはそうだろう。だって自分の部屋だ。

 誰にも気を使う必要なんてない。普通に堂々と下着姿だった。そして野乃野足軽が見たのも、そんな状態で鏡に映った平賀式部だったわけだ。頭が痛くてそんな興奮してる場合じゃない? 気になる女の子の下着姿となれば、そういう訳にもいかなかった。それに……である。

 その子が心配して近づいて来てくれたんだ。優しい平賀式部を見て、野乃野足軽は思った。

 

(今日はあの下着を着てるんだよな……)

 

 と、彼女の服の下の様子を想像してしまった。だからこそ、赤くなって顔をそむけたのだ。まあけどそれを見てかなり具合が悪いと思った平賀式部は教師に申告する。

 

「すみません先生。野乃野君が体調悪いみたいなので、保健室へ行く許可をください」

 

 そういうと、すぐに先生は許可をくれた。そうして至近距離で体を寄せ合って二人は教室を出ていく。それを見て色々とクラス中では思いが渦巻いてたのはいうまでもない。嫉妬やら、羨望やら関心やら、残念やらだ。

 

(これで昼休みにあの人と邂逅する事を避けられるわね。ナイスよ野乃野君)

 

 とか平賀式部は思ってた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 734

 鬼がどういう反応をするのか……それを私は見極める。もしもこれが本当にネナンちゃんの両親なら、攻撃なんてしてくるわけがない。なにせ私はこんなにも友好的な接し方をしてるのだ。ネナンちゃんにだって危害を加えてなんてない。しっかりとこうやって守ってますアピールをしてる。

 願わくば、こっちのチャンネルに合わせる形で話してほしい。それをしてくれたら、確信できる。ただネナンちゃんが勘違いしてるんじゃなく、本当に彼女の両親だってね。

 

「おっなんかこっちにくる」

 

 私が話しかけて反応を待ってると、鬼がこっちに駆け寄ってくる。感動の再開か? とかちょっと思う。なにせ死に別れた家族が世界の外とも言う場所で再開を果たすのである。本当なら感動的な場面ではないだろうか? まあその姿が凶悪な鬼になってることには目を瞑ろう。

 そんな事を私はちょっと思ってた。けどなんか……

 

「なんかガチ走りしてない?」

 

 そのフォームがなんか陸上選手バリなんだが? そしてそのまま、その口を鬼は開く。しかも……だよ。

 

「顎外れてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

 私はとっさにG-01に回避行動を取らせる。それによってなんとか避けられたけど、鬼は明らかにさっきまで私が差し出してた手の場所をガキーンとその外してまで広げた口で噛んでた。

 いやいやいや……これって……更にもう一体が避けた私を追って……

 

「いや、あくまでコイツラの狙いのは……ネナンちゃん?」

 

 こいつ等の視線がどこにあるのか……そこそこ戦ってきた私には分かる。なにせ鬼の情報だって戦う度に更新してるんだ。そしていくつかのパターンとかを蓄積してる。最初はそれこそ機械的で視線も何もわからなくてやりづらかったが、今や情報の蓄積でそういうのもG-01の鋭敏なセンサーが感知して分かるようになってる。

 そしてそれによると、この二体の鬼はあくまでネナンちゃんを見てる。どうして鬼がそこまでネナンちゃんに固執してるのか……それが謎だけどね。私はとりあえず更によける。

 

「これは攻撃されてるってことでいいんだよね?」

 

 実際の所私は迷ってた。だって相手は鬼だ。もしかしたら熱烈な歓迎の仕方なのかもしれない。

ある日、超能力に目覚めた件 96P

 野乃野足軽はドクンドクンと鼓動が脈を打ってる。なぜかって? それは勿論後少しで昼休みになるからだ。いつもなら、歓喜に震える時間が迫ってるはずだから、早く来い! と思うところだ。

 けど今日という日は違う。来るな……とは流石に思わない。だって授業はかったるいかと野乃野足軽は思ってる。けど、昼休みを手放しで喜べるかというと、そうじゃない。こんな日は一年でそんなにないだろう。それだけ学生にとって昼休みという時間は安寧の時間なんだ。

 だから昼休みは来てほしい。けど来てほしくない奴がいるってことだ。野乃野足軽にとっては……だけど。他のクラスメイトたちは一体何が起こるのだろう? ってきっとワクワクしてるんだろう。ただの観客になれるのなら、たしかに今日のこのイベントは楽しいものなのかもしれない。

 けど最悪、この学校の人気者である人物と敵対することになるかもしれない野乃野足軽は胃を痛めてた。

 

(おかしいですね。負けるわけ無いでしょうに)

(いや、それは何を勝利条件にしてるかでかわるだろう)

 

 頭の中でアース相手にそんな会話をする野乃野足軽。実際、本気でやりあったら、負けることなんてないだろう。それこそ力がある野乃野足軽ならいくら2年先輩である山田先輩相手にだって遅れをとることはない。

 それこそちょっと脳みそに声をぶつければそれで終わる。でもそういうことじゃない。それではある意味で何も解決しないし、人前でそんな事を出来るわけもない。実際、傍から見てる人達には、それをやるとただいきなり山田先輩が昏倒したようにみえるだろう。だからバレることはきっとない。

 でも、不自然に思うやつは現れるかもしれない。そういう可能性からバレるかもしれない。

 

(まあ、力をつかうなんて無いけどな)

(そうでしょうか? 力は使うためにあるものです。それに――)

 

 なんかもったいぶるアース。そしてなんかアース自身がその力を使って、クラス中のクラスメイト……傍は前で授業をしてる先生にまでその力を伸ばしてる。一体何する気だ? と野乃野足軽は思った。たしなめようとも思った。実際、アースが本気になれば、この世界から人類とか滅ぼせそうなやつである。だからたしなめると言っても、本気で機嫌を損ねるとどうなるか……を考えるとそこまで強く出れない野乃野足軽だが、普段はそんなの気にしてなんて無い。

 なにせアースがそういうことには一切興味がない……とわかってるからだ。地球の化身みたいなやつなアースだが、実際環境破壊とかそんなのでぷりぷりしてるところを見たことなんてなかった。

 

(――一体何に遠慮をする必要があるのかわかりませんね。使える物は使ってこそ、欲しいものは得られるのですよ。力を得た事をもっと誇りにして欲しいくらいです)

(おまっ……やめ……)

 

 野乃野足軽の頭に沢山の情報が入ってくる。それはクラスメイト達の記憶とかそういうものだった。昨日の晩ごはんから、何をやってたのか……そして女子なら風呂場での様子とか、どこから洗うかとかまで見えるわけだが……なにせ情報量が多すぎて興奮してる場合じゃなかった。

 野乃野足軽は頭痛くてそれどころではない。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 733

 私はようやく宵へと来ることが出来た。よく宵へと繰り出してるが、ここまで苦労したのは初めてだ。なにせ普段ならもっと簡単に宵へといける。別に街は結界で覆われてるが、出入りは比較的簡単にできる。そしてそこでこの間の空間と言うべきものはない。

 だからこんな苦労をしたのははじめてだ。一体あれは何をしたかったのか……引き止めてたのか……でも最後はなんか拍手万雷だったし……いや実際あれを拍手と思ってるのは私の先入観なのかもしれないけど……拍手に別の意味があってもおかしくはない。

 間の空間から出ると、既にそこには鬼がいた。けどなんか警戒してる? どうやら鬼には私がネナンちゃんではない……とわかってるらしい。いや、普通はわかるよね。間の空間にいた何か? がアホだっただけである。多分間の空間の存在は視界というものがなくて、エネルギーの波長とかなんかで相手を識別してたんだろう。 

 そう思うと納得できる。けど、鬼には目が……人間のように動き回る様な目があるわけじゃないが、目に見える部分はあるから、きっとそこで見えてるんだと思う。直接見えてるからこそ、私がネナンちゃんではないなんて一目瞭然なわけだ。

 それは警戒するよね。けどここでバトルしても……ね。ここで最悪なのはバトルってるときに、ネナンちゃんが目をさますことだ。そうすると予想できる展開がある。

 

ジーゼ様もお父さんもお母さんもやめて!!」

 

 とか言って、仲裁に乗り出すパターンだ。実際これが一番大きい。そして下手すると、私とネナンちゃんが敵対することになる。なにせネナンちゃんはこの鬼を両親と思ってる……いやそんな曖昧なことじゃないね。ネナンちゃんはこの鬼を両親だと断定してる。

 そうなると、私が両親を倒す敵……ということになる。いやいやだけど、ネナンちゃんは私と敵対するだろう。勿論一生懸命説得してくると思う。それで私だって止まれるものなら止まってあげたい。

 けどどうしようもないことってあるじゃん。私が止まりたいと思ってたとしても、向こうが止まらないと、私はネナンちゃんを守るためにも戦わないといけない。鬼を倒せる程の力を既に持ってる私だけど、やっぱり鬼は鬼なのだ。2対一は決して楽ではない。それだけ鬼は強力だ。

 そしてその未来は誰も幸せになんてならない最悪な未来である。どうにかして回避したい。そのためにはこの第一段階? 第一印象とでもいうのか……それはとても大切である。

 

「人間関係だって第一印象が大事だからね」

 

 それと一緒である。いきなりここで先手必勝! ズガーンといったらもうバトルにいくしかない。たしかに鬼は私を警戒してるが……それはもしかしたら鬼ではなく、ネナンちゃんの両親としての親心かもしれない。

 本当にあの鬼がネナンちゃんの両親なら……だけどね。なのでここは私はまずは挨拶かなって思った。ネナンちゃんやあの世界の人達には私は喋れない設定だが、今はネナンちゃんは気絶してるから聞かれることはない。実は寝たふりしてるとしても、バイタルまで観察してるからすぐに気づくからね。

 脳波的にちゃんとネナンちゃんは気絶してる。なら大丈夫。私は私の声を外に出していうよ。

 

「はじめまして。私は敵じゃありません。勿論それはこの子にとって……ということです」

 

 そう言って私はネナンちゃんを見せてあげるよ。