uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 832

 でもネナンちゃんにはこれ以上の負担をかけたくない。それに、この龍が言ってたように、危険がある。それこそ消失とかしてしまう可能性だ。なにせ世界を支える力……エネルギーを受け入れることになる。いまだってネナンちゃんはそのエネルギーに苦しんでる。とても制御できてる……なんて言えない。

 だから湧き出るエネルギーを私がつくってるアクセサリーへと移して、それでなんとか毎日を何の問題もなく過ごせるようになってるんだ。もっともっとネナンちゃんが成長すれば、自身から溢れ出てくるエネルギーを制御できるようになる可能性はある。

 けど残酷だけど、はっきり言ってそれまでこの世界は待ってくれない。もっと事態がゆっくり動いてくれればもしかしたら……いや、そんなのはきっとなかったんだと思う。

 

「あの子はきっと耐えられない」

 

 私は龍にそう伝えた。それは事実だ。そうなったらもう候補はいないのか、「残念」「無念」と帰ってきた。これは翻訳する必要ないくらいそのままである。このままではこの龍はもう限界で、そしてこの龍が機能しなくなったら、この世界は崩壊するんだろう。だって明の時に、世界を守ってる……維持してるのはこの龍なのだ。

 もしもこの龍がいなくなったら、宵に飲み込まれることになるだろう。だって世界の外は宵だった。その宵からこの龍は世界を守ってる。龍がいなくなる時、その時が宵へと溶けて、世界はなくなるからね。

 そして鬼たちが世界をくみ上げて、再びそれを龍が包み込むことで、明になる――そういう風になってるみたいだ。それがこの世界のサイクル。でもこの龍がいなくなったら、いつも通りに鬼たちが世界を再構築したとしても、その再構築された世界を包み込む存在がいないのだ。きっと私たちが思うよりも世界というのはもろいのかもしれない。

 だから守って支える存在が必要。それがこの龍だ。つまりはこのまま、この龍の役目を引き継げないまま、こいつが完全に消滅したら、その時点でこの世界は終わり……詰みというわけだ。実際、ここまでのことを教会がねらってたことなんだろうか? 

 確かにあいつらはこの世界をぶっ壊して新たな地……約束の地へと至ることを目標にしてる。そしてそのためには早くこの世界をぶっ壊したい……と思ってる。けどこれでぶっ壊せて本当に約束の地への扉が開くんだろうか?

 

(どんな形でもいいの?)

 

 でもそれは違うような気がする。だって私は神にあった。この世界の神に。神からしたら失敗しても、新たな世界を作るのは造作もなさそうだったけど、奴ら神はどうやら空獣におびえてる。だからこそ、文明やらなんやらを成長させて、空獣に対抗できるような存在を自分たちの世界から生み出そうと考えてる。

 そうなると、世界は崩壊させても、その経験? とかその世界で生き抜いた人たちを次の世界で使って効率を図るのはわかる。でもここで 龍が死んでの世界崩壊は神だって想定外ではないだろうか? もともと伝え聞いてた話では太陽に到達したら……だったしね。

 それにいつだって神が見てるのかもわかんない。もしかしたら神が気づく前にすべてが崩壊したら? 道は開けないかもしれない。だってどう考えてもこれは正規ルートではない。

 まあ、させないんだけど。

 

「安心しなさい。あんたの力、私じゃないけど、私が受け入れられるものを作ってあげるわ」

 

 なにせG-01ならできないことなんてないのだ。この龍の機能……それをなるべく引き継ぐような装置を作り出せば、万事解決だよね。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 832

 でもネナンちゃんにはこれ以上の負担をかけたくない。それに、この龍が言ってたように、危険がある。それこそ消失とかしてしまう可能性だ。なにせ世界を支える力……エネルギーを受け入れることになる。いまだってネナンちゃんはそのエネルギーに苦しんでる。とても制御できてる……なんて言えない。

 だから湧き出るエネルギーを私がつくってるアクセサリーへと移して、それでなんとか毎日を何の問題もなく過ごせるようになってるんだ。もっともっとネナンちゃんが成長すれば、自身から溢れ出てくるエネルギーを制御できるようになる可能性はある。

 けど残酷だけど、はっきり言ってそれまでこの世界は待ってくれない。もっと事態がゆっくり動いてくれればもしかしたら……いや、そんなのはきっとなかったんだと思う。

 

「あの子はきっと耐えられない」

 

 私は龍にそう伝えた。それは事実だ。そうなったらもう候補はいないのか、「残念」「無念」と帰ってきた。これは翻訳する必要ないくらいそのままである。このままではこの龍はもう限界で、そしてこの龍が機能しなくなったら、この世界は崩壊するんだろう。だって明の時に、世界を守ってる……維持してるのはこの龍なのだ。

 もしもこの龍がいなくなったら、宵に飲み込まれることになるだろう。だって世界の外は宵だった。その宵からこの龍は世界を守ってる。龍がいなくなる時、その時が宵へと溶けて、世界はなくなるからね。

 そして鬼たちが世界をくみ上げて、再びそれを龍が包み込むことで、明になる――そういう風になってるみたいだ。それがこの世界のサイクル。でもこの龍がいなくなったら、いつも通りに鬼たちが世界を再構築したとしても、その再構築された世界を包み込む存在がいないのだ。きっと私たちが思うよりも世界というのはもろいのかもしれない。

 だから守って支える存在が必要。それがこの龍だ。つまりはこのまま、この龍の役目を引き継げないまま、こいつが完全に消滅したら、その時点でこの世界は終わり……詰みというわけだ。実際、ここまでのことを教会がねらってたことなんだろうか? 

 確かにあいつらはこの世界をぶっ壊して新たな地……約束の地へと至ることを目標にしてる。そしてそのためには早くこの世界をぶっ壊したい……と思ってる。けどこれでぶっ壊せて本当に約束の地への扉が開くんだろうか?

 

(どんな形でもいいの?)

 

 でもそれは違うような気がする。だって私は神にあった。この世界の神に。神からしたら失敗しても、新たな世界を作るのは造作もなさそうだったけど、奴ら神はどうやら空獣におびえてる。だからこそ、文明やらなんやらを成長させて、空獣に対抗できるような存在を自分たちの世界から生み出そうと考えてる。

 そうなると、世界は崩壊させても、その経験? とかその世界で生き抜いた人たちを次の世界で使って効率を図るのはわかる。でもここで 龍が死んでの世界崩壊は神だって想定外ではないだろうか? もともと伝え聞いてた話では太陽に到達したら……だったしね。

 それにいつだって神が見てるのかもわかんない。もしかしたら神が気づく前にすべてが崩壊したら? 道は開けないかもしれない。だってどう考えてもこれは正規ルートではない。

 まあ、させないんだけど。

 

「安心しなさい。あんたの力、私じゃないけど、私が受け入れられるものを作ってあげるわ」

 

 なにせG-01ならできないことなんてないのだ。この龍の機能……それをなるべく引き継ぐような装置を作り出せば、万事解決だよね。

ある日、超能力に目覚めた件 195P

「むむむ……」


 野々野足軽はそううなりながら、桶狭間忠国のスマホを握ってる。今は放課後で学校の人気のない場所で今は二人っきりだ。いつもなら野々野足軽は放課後は平賀式部とラブラブできる大切な時間だ。けど、今日は習い事があるらしかった。なので彼女は先に帰ってしまった。そうなるとさっさと帰って力の訓練でもするか――となる野々野足軽だが、そこで桶狭間忠国に捕まった。いや奴はきっとタイミングを計ってた。なにせずっとつかず離れずをキープしてたからだ。

 

 それを野々野足軽はわかってる。というか、あの日……野々野足軽桶狭間忠国の関係性が変わった翌日から、実際いつだって桶狭間忠国はそばにいた。そばにいたというと、まるで野々野足軽が許してるみたいだが、そうではない。

 それにそばにいたというのもわかる範囲にいるわけじゃない。ただ向こうがの野々野足軽を認識できる範囲にいるって感じだ。なるべく邪魔にならないように、認識されないように……そうしてた。

 けど散々言ってきたように桶狭間忠国はでかくて筋骨隆々だ。なのに地味な感じになるようにしてる。でもそのアンバランス差によって、逆に目立ってる。なので実際、誰もが気づいてただろう。けど周囲はきっと、野々野足軽が狙われてる――と思っただろう。なにせ野々野足軽が平賀式部と付き合ってるのは何かの間違いだと誰もが思ってる。

 そしていきなり桶狭間忠国が野々野足軽に付きまとうようになったとなれば、その狙いは平賀式部をめぐってのなにか……と周囲は思う。いずれは桶狭間忠国に野々野足軽がぼっこぼこにされるだろうって周囲は思ってる。

 そしてそれを期待してる奴らだっている。けど事実は全く違う。誰もいなくなったことを確認して、放課後の玄関で上履きから外履きへと変えようとしてる野々野足軽桶狭間忠国は接触してきた。

 

「お待たせしました」

 

 ――とかいう謎の言葉と共にだ。

 

「なにが?」

 

 と返した野々野足軽は何も間違ってなかっただろう。そしてその答えとして、桶狭間忠国はこういった。

 

「主の為の組織です」

 

 そういって、桶狭間忠国はライングループを見せてきた。その団体名は「秘密結社」だった。いやいやなんの? と野々野足軽はおもった。普通だって「秘密結社 ○○」ではないだろうか? でもそんなことよりももっと根本的な問題がある。

 

「これは……」

「主の為の組織です」

「いや、なんで?」

 

 なんかグループを見ると、50人くらい入ってる。そして何やらいろいろな情報を発信してる。どこどこで落とし物を見つけた。とか迷子の人を助けたとか……空き缶をこれだけ集めました! とか、なんかボランティア活動的なことをやってるらしい。

 でも野々野足軽は意味が分からない。別にボランティア活動をしたいのなら、勝手にやっててくれればいい。けど、それが野々野足軽と何の関係があるというのだろうか?

 

「組織って……そんなの求めてないけど?」

「主は私たち人間とは違います。その思考、その理念。きっと崇高なものがあるのでしょう。なら、それを実行するためには我々矮小な存在は数が必要だと思ったのです!! 任せてください。今はまだ二桁ですが、その内世界は全て、主の元のひれ伏すでしょう!!」

 

 なんか桶狭間忠国が熱弁してた。それを頭クラッとしつつなんとか最後まで聞いてた野々野足軽。その熱弁をきいて、とりあえず野々野足軽はいうよ。

 

「そんなの求めてない」

 

 そしてそのまま、「解散」をライングループにも告げる。けど……なんかそれを拒否する返信やら、そんなことはいやだという懇願するラインが帰ってきて、冒頭に戻る。

 

(いやいや、なんで? どうしてだよ?)

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 831

「落胆」「謙譲」「候補」「可能性」「危険」「喪失」

 

 そんな文字が私の頭に送られてくる。ふむ……これを訳すとこうなる。

 

『落胆したが仕方ない。候補の存在に譲渡をしよう。だがそれは危険。可能性はあるが、喪失の可能性もある』

 

 ――かもしれない。実際これは私のかなりの想像を含んでる。まあけどニュアンスはそんなに間違ってないと思ってる。そもそもが世界の力? 的な何かを譲渡しようとしてるのである。そしてそれを真っ先に与えようとしたのは私。

 まあ正確に言えばG-01だろう。確かにG-01なら世界の力だって受け入れるだけの土壌があると思う。なにせ何回も鬼の角を奪っているからね。普通なら鬼の角のエネルギーなんて受け入れることはできないだろう。

 風船に空気を入れすぎると破裂してしまうように鬼の角のエネルギーなんてのは普通は受け入れる器なんてのはない。それこそ世界に納まってるような存在ではありえない。でもG-01は違う。

 なにせ世界を渡る前提で作られてるといっていい機体だ。なのでワールドワイドクラスのエネルギーを受け入れるだけの下地がG-01にはあるのだ。そしてそれはこれまでの行動で証明されてる。てかこの龍ならそれをちゃんと感じてるからそれを言ってきたんだと思う。

 

(あと、この世界で私の……G-01の代わりに器に成れるとしたら……ネナンちゃん)

 

 ――だろう。あの子ならもしかしてって感じだ。なにせすでにネナンちゃんはおかしいエネルギーを内包してしまってる。だからネナンちゃんならワンチャンある。

 

「ねえ、それってネナンちゃん?」

「不明」「認識」「違い」「対象」「詳細」「求」

 

 私は頭にたたきつけられる一つ一つの言葉を整理する。するとこうだ――

 

『何者か不明。認識の違い。ネナンなる者の詳細求む』

 

 ――だ。なるほど、と思った。だってこいつは明の時にこの世界を守ってる存在であって、こいつ自体は別段、この世界に生きる者たちを知ってるわけじゃない……みたいな? でも……

 

「あんたこの世界の外側でネナンちゃんとご両親の再開と別れ見てたでしょ?」

 

 それである。私は録画までしてその記録を撮ってたのだ。それだけ感動的な場面だった。そしてそこはこいつがこの世界を覆ってた場所で起きてた。それに……この龍……それまではブヨブヨと呼んでたけど、こいつはネナンちゃんを向けると道を開けてた。

 まああれはネナンちゃんという個人というか、この世界のエネルギーを感知して関係者というか、この世界の存在だと認識したんだと思う。だから実際、この龍は多分あれがネナンちゃんだと認識しなんてしてない。きっとこの龍の認識としては自分の世界に属する存在ってだけだろう。だから私は教えてやることにした。

 私がネナンちゃんを思い浮かべると、『確認』という声が聞こえた。きっと私の考えを覗き見てるね。セクハラである。まあけど、卑猥な考えは全くないからそこは我慢。そして私の頭の中の映像を見たんだろう。ネナンちゃんを確認して龍自身が候補としてた可能性の存在と一緒だったから

さらに「一致」と聞こえた。

 まあそうだよね。だってこの世界のエネルギーを受け入れらる存在なんてネナンちゃん位しか思い浮かばないもん。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 831

「落胆」「謙譲」「候補」「可能性」「危険」「喪失」

 

 そんな文字が私の頭に送られてくる。ふむ……これを訳すとこうなる。

 

『落胆したが仕方ない。候補の存在に譲渡をしよう。だがそれは危険。可能性はあるが、喪失の可能性もある』

 

 ――かもしれない。実際これは私のかなりの想像を含んでる。まあけどニュアンスはそんなに間違ってないと思ってる。そもそもが世界の力? 的な何かを譲渡しようとしてるのである。そしてそれを真っ先に与えようとしたのは私。

 まあ正確に言えばG-01だろう。確かにG-01なら世界の力だって受け入れるだけの土壌があると思う。なにせ何回も鬼の角を奪っているからね。普通なら鬼の角のエネルギーなんて受け入れることはできないだろう。

 風船に空気を入れすぎると破裂してしまうように鬼の角のエネルギーなんてのは普通は受け入れる器なんてのはない。それこそ世界に納まってるような存在ではありえない。でもG-01は違う。

 なにせ世界を渡る前提で作られてるといっていい機体だ。なのでワールドワイドクラスのエネルギーを受け入れるだけの下地がG-01にはあるのだ。そしてそれはこれまでの行動で証明されてる。てかこの龍ならそれをちゃんと感じてるからそれを言ってきたんだと思う。

 

(あと、この世界で私の……G-01の代わりに器に成れるとしたら……ネナンちゃん)

 

 ――だろう。あの子ならもしかしてって感じだ。なにせすでにネナンちゃんはおかしいエネルギーを内包してしまってる。だからネナンちゃんならワンチャンある。

 

「ねえ、それってネナンちゃん?」

「不明」「認識」「違い」「対象」「詳細」「求」

 

 私は頭にたたきつけられる一つ一つの言葉を整理する。するとこうだ――

 

『何者か不明。認識の違い。ネナンなる者の詳細求む』

 

 ――だ。なるほど、と思った。だってこいつは明の時にこの世界を守ってる存在であって、こいつ自体は別段、この世界に生きる者たちを知ってるわけじゃない……みたいな? でも……

 

「あんたこの世界の外側でネナンちゃんとご両親の再開と別れ見てたでしょ?」

 

 それである。私は録画までしてその記録を撮ってたのだ。それだけ感動的な場面だった。そしてそこはこいつがこの世界を覆ってた場所で起きてた。それに……この龍……それまではブヨブヨと呼んでたけど、こいつはネナンちゃんを向けると道を開けてた。

 まああれはネナンちゃんという個人というか、この世界のエネルギーを感知して関係者というか、この世界の存在だと認識したんだと思う。だから実際、この龍は多分あれがネナンちゃんだと認識しなんてしてない。きっとこの龍の認識としては自分の世界に属する存在ってだけだろう。だから私は教えてやることにした。

 私がネナンちゃんを思い浮かべると、『確認』という声が聞こえた。きっと私の考えを覗き見てるね。セクハラである。まあけど、卑猥な考えは全くないからそこは我慢。そして私の頭の中の映像を見たんだろう。ネナンちゃんを確認して龍自身が候補としてた可能性の存在と一緒だったから

さらに「一致」と聞こえた。

 まあそうだよね。だってこの世界のエネルギーを受け入れらる存在なんてネナンちゃん位しか思い浮かばないもん。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 831

「落胆」「謙譲」「候補」「可能性」「危険」「喪失」

 

 そんな文字が私の頭に送られてくる。ふむ……これを訳すとこうなる。

 

『落胆したが仕方ない。候補の存在に譲渡をしよう。だがそれは危険。可能性はあるが、喪失の可能性もある』

 

 ――かもしれない。実際これは私のかなりの想像を含んでる。まあけどニュアンスはそんなに間違ってないと思ってる。そもそもが世界の力? 的な何かを譲渡しようとしてるのである。そしてそれを真っ先に与えようとしたのは私。

 まあ正確に言えばG-01だろう。確かにG-01なら世界の力だって受け入れるだけの土壌があると思う。なにせ何回も鬼の角を奪っているからね。普通なら鬼の角のエネルギーなんて受け入れることはできないだろう。

 風船に空気を入れすぎると破裂してしまうように鬼の角のエネルギーなんてのは普通は受け入れる器なんてのはない。それこそ世界に納まってるような存在ではありえない。でもG-01は違う。

 なにせ世界を渡る前提で作られてるといっていい機体だ。なのでワールドワイドクラスのエネルギーを受け入れるだけの下地がG-01にはあるのだ。そしてそれはこれまでの行動で証明されてる。てかこの龍ならそれをちゃんと感じてるからそれを言ってきたんだと思う。

 

(あと、この世界で私の……G-01の代わりに器に成れるとしたら……ネナンちゃん)

 

 ――だろう。あの子ならもしかしてって感じだ。なにせすでにネナンちゃんはおかしいエネルギーを内包してしまってる。だからネナンちゃんならワンチャンある。

 

「ねえ、それってネナンちゃん?」

「不明」「認識」「違い」「対象」「詳細」「求」

 

 私は頭にたたきつけられる一つ一つの言葉を整理する。するとこうだ――

 

『何者か不明。認識の違い。ネナンなる者の詳細求む』

 

 ――だ。なるほど、と思った。だってこいつは明の時にこの世界を守ってる存在であって、こいつ自体は別段、この世界に生きる者たちを知ってるわけじゃない……みたいな? でも……

 

「あんたこの世界の外側でネナンちゃんとご両親の再開と別れ見てたでしょ?」

 

 それである。私は録画までしてその記録を撮ってたのだ。それだけ感動的な場面だった。そしてそこはこいつがこの世界を覆ってた場所で起きてた。それに……この龍……それまではブヨブヨと呼んでたけど、こいつはネナンちゃんを向けると道を開けてた。

 まああれはネナンちゃんという個人というか、この世界のエネルギーを感知して関係者というか、この世界の存在だと認識したんだと思う。だから実際、この龍は多分あれがネナンちゃんだと認識しなんてしてない。きっとこの龍の認識としては自分の世界に属する存在ってだけだろう。だから私は教えてやることにした。

 私がネナンちゃんを思い浮かべると、『確認』という声が聞こえた。きっと私の考えを覗き見てるね。セクハラである。まあけど、卑猥な考えは全くないからそこは我慢。そして私の頭の中の映像を見たんだろう。ネナンちゃんを確認して龍自身が候補としてた可能性の存在と一緒だったから

さらに「一致」と聞こえた。

 まあそうだよね。だってこの世界のエネルギーを受け入れらる存在なんてネナンちゃん位しか思い浮かばないもん。

ある日、超能力に目覚めた件 194P

 今日も今日とて、いつもの日常を野々野足軽は過ごしてる。朝起きて、平賀式部と共に学校に行って、甘酸っぱい青春を謳歌して、放課後には力の鍛錬。もちろん、学校が終わっても平賀式部とは密に連絡を取ってる。

 互いにそんなに甘々な事を言い合うような性格ではない二人だが、それでも互いに通じ合ってる……みたいな感覚はあった。

 

ピロリン

 

 平賀式部と楽しくスマホでやりとりをしてると、新たなる通知が届いた。それを見て、野々野足軽はただ一つ「はあ」とため息をつく。なぜそんなうんざりするように空気を吐き出すのか……それはもちろんその通知に原因がある。

 結論から言うと、その通知の主は桶狭間忠国だ。あれから桶狭間忠国は変わった。実際対外的には変わってはないだろう。ただ桶狭間忠国と野々野足軽の関係性が変わったのだ。今までは友達……の振りをした何かだった。それか一応友達の振りをしてる何かだった。

 まあつまりは「何か」だったわけだ。二人の関係性に明確なものなんてなかった。だってどっちも打算的に行動してたからだ。けど今はその二人に明確な立場ができた。それは「主」と「部下」いや「奴隷」といってもいい。そして桶狭間忠国には極力かかわるな――と言ってある。それに『平賀式部』は諦めろ……とも。

 実際それを言ったときは野々野足軽はかなり高圧的にいった。そして有無を言わさないような雰囲気を彼的には醸し出してたつもりだ。なにせ野々野足軽は上になると桶狭間忠国との関係性ではそう決めたのだ。なら、それ相応の言い方ってやつがある。

 けど内心ではどきどきとしてた。なにせ桶狭間忠国は見た目ごつい。腕力ではかなわない。実際、殴られた部分はかなり痛かった。無理やり痛みを力で緩和してただけで、実際あの時の攻撃はかなりダメージだった。

 でもそれを見せたらいけないと思ったからこそ、力で無理矢理痛みを無視した。そのおかげで、桶狭間忠国は全く自分の攻撃が野々野足軽には効かないと思ったようだ。それによって格の差ってやつをより感じたらしい。

 あの我慢は無駄ではなかったと野々野足軽は思ってる。それにだ。実際その命令を桶狭間忠国は素直にきいた。

 

「御意」

 

 と言ってた。「御意」ってなんだよって野々野足軽は思ったものだ。けどわかったのならそれでよかったからこれで野々野足軽桶狭間忠国のいさかいは一応の決着をした。実際どういう風に桶狭間忠国が思ってるのかまでは知らないが、それでも桶狭間忠国には野々野足軽に逆らうような気はなくなってるだろう。

 

「ならよかったじゃん」

 

 ――で終われば野々野足軽だって溜息なんて吐いてない。問題は桶狭間忠国が暴走しだしたことだ。何をとち狂ったのか知らないが、桶狭間忠国は余計なことをしてる。それはこの通知の内容に全てある。

 

 通知をタップしてアプリに移動すると、送られてきた全ての内容が表示される。そこには写真が添付されてた。その写真は桶狭間忠国がぼこぼこにした奴らと仲良く写真を撮ってる画像だ。野々野足軽だってわかってる。一文で矛盾してるってことに。ぼこぼこにしてるのに仲良しってなんだよって話である。

 けど桶狭間忠国が送ってきた写真にはそう書いてある。

『僕たち、仲良くなりました』

 そう書いてある写真の内容は全然そう見えない。なにせ仁王立ちした桶狭間忠国の足元にはガラが悪そうなやつらがぼっこぼこで膝立ちピースしてるのだ。

 

「どこが?」

 

 おもわずそんな言葉が出てる野々野足軽はまともな反応をしてる。