uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1070

 悲鳴な様な叫びを扉から出てきた化け物は出してる。それこそ実際のところはサイズ感の違いもあるし、そもそもが自分たちのような世界の外を渡れるような存在と世界の中だけで完結してる存在のエネルギーの差があるから、そこまで……とか思ってた。
 でもどうだ? 結果的には彼らジャル爺達の攻撃はとてもきいてる。実際、そのエネルギーはとても大きい。その原因はきっとネナンちゃんだ。ネナンちゃんの力は自分たちにも流れてた。けどそれを自分たちは百パーセント活かせてはなかった。
 なにせ世界が違うからだ。そして変換するにもその効率はそこまで高くない。けど彼らはどうだ? どうだなんて言う必要さえないだろう。彼らは純粋なこの世界の人間だ。
 だからこそ、ネナンちゃんから供給させるそのエネルギーを取りこぼすことなく、百パーセント使える。面倒な返還なんて必要ない。けど実際アレだけのエネルギーだ。百パーセントを活かせる存在なんてこの世界の人間でもそうそういないだろう。でもそんなそうそういない中の一部が彼らだ。
 
 潤沢なエネルギーに後押しされて、彼らの攻撃はとても強力な物になってる。一回一回があの扉から出てきた化け物に消えない傷をいれてる。でもそれでも決め手にはなってない。
 効いてはいるが、決定打にはなってない……という感じ。それに相変わらず髪はこっちに多く向いてる。ということは、潜在的にはこの化け物はまだ自分のほうが脅威と感じてる……ということだろう。
 
「応えなければのう! この力もきっとただではなかろうよ!!」
「はい! このチャンス、この機会……逃しはしない!!」
 
 そんな風に叫んでるジャル爺とサーザインシャインインラの隊長さん。二人はその体をずっと化け物に貼り付けて切りまくってる。彼ら二人だけじゃない。他の者達だってそうだ。そのおかけで化け物の歩み止まってる。
 そして傷付けていく中で……異変は起こる。それはあの扉から出てきた化け物に巻き付いてた物……螺旋。それが剥がれていってる。目を隠し、そして体に巻き出た螺旋。
 それが彼らの猛攻によって剥がされていってる。実際剥がれるもの? と思うが、実際剥がれてる。自分やアイの攻撃ではあんな現象は起きなかった。何か……あの化け物に巻き付いてる螺旋が反応をしてるのかもしれない。
 
 自分たちの力では起きない反応……それが起きてると見たほうがいいだろう。そしてその螺旋が取れることがいいことなのか……それともまずいことなのかは正直わからない。螺旋はまるであの化け物を縛るようになってるみたいにも見えた。
 
 だからあの螺旋が剥がれると、もしかしたらあの化け物が本当の意味で開放される……かもしれない。でも彼らの攻撃を止めるなんて事はできない。だって効いてる。そしてここは彼らの世界。
 彼らが自身で世界を守れるのなら……それに越したことはないんだ。そんなそんな時――
 
『世界の解明を完了しました』
 
 ――という声が頭に響く。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1069

 予期せずに扉から出てきた化物の頭が届く位置になった。それにめがけて、ジャル爺さんたちは挑む。体にくくりつけた武器を豪快に使い捨てて迫ってる。向かい来る無数の髪の毛……それを武器の一つ一つで受けては投げ捨てている。そしてその化け物の髪を伝って走り、また別の髪の毛に乗り換えて走り……それをやってドンドンちかづいていってる。
 
 こっちもただ見てるだけなんてできない。彼らの援護をする。少しでも頭を近くに!! 彼らが下から行くのなら、こっちは上だ。とりあえず聖剣を銃の形にして、照準を覗くようにする。そこにスコープとかいうのはない。けど聖剣と自分はつながってる。それこそ強い絆……というか、それは精神論ではなく本当にそうなのだ。
 自分と聖剣は混ざり合ってるといってもいい。なにせ帯刀なんてしてなくても、どこからでも聖剣は呼び出せるほどだ。自分の魂と聖剣は混ざり合ってる。だからこそ、スコープなんてなくても、自身の視界にはロックオンを示す丸い円がいくつもみえる。そして引き金を引く。
 放たれる光線。それがロックオンをした分だけ、分裂して走る。そして髪の毛へと直撃して燃えていく。それを上の方から何度か繰り返して、下を走る彼らを援護する。するとこっちが危険だと判断したのか、髪の毛が多くこっちを無くようになった。狙い通りだ。銃ではさばききれなくなってきたけど、そうなったら剣に戻して応戦していく。なるべくこっちに惹きつけたったからこれでいい。そしてその間に、ジャル爺たちはこの化物へとたどり着いて、その頭へと攻撃を叩き込んでいく。実際、それがどれだけ効くのか……とういうのはよくわからない。
 でもやつはもうあの空の扉とはつながってはない。だからこそ、回復とかはできないはず。なら希望はあるだろう。なにせ彼らが使う武器はG-01殿の技術を使って作られてる。この世界の今までの武器とは確執してる。いやG-01殿はこの世界の技術に沿って作ってるといってた。けどそれは……が自分の感想だ。そしてそれを扱う彼らはこの世界でも有数の強者。
 きっと何倍にもなってるはずだ。まずはジャル爺が切り結ぶ。それに続いて次々と攻撃が炸裂して、この化物はふらついた。逆立ちしてる腕がよろよろとして、砂に取られてがくんと肘をつく。
 けどそれだけではおわってない。彼等の攻撃はまだ続く。それを終わらせない為に、自分は髪の毛を除ける事に全力を注ぐことにした。
 
 それに彼らの攻撃は思ってたよりもずっとこの化物に通ってる。効いてるんだ。

ある日、超能力が目覚めた件 429P

 サイレンが聞こえてくる。ようやく散発的な人材の投入ではどうしようもないと警察も気づいたらしい。少し前までは一台のパトカーがやってきては、なんとか場を収めようと無防備に話を聞きに行ってはその人がおかしくなる……というのを三回は繰り返してた。
 その度に勿論だけど、アンゴラ氏達は止めてた。なんとか説得してとりあえずあんまり近づかないように……と思ったんだ。けどそもそもが危険なところにいる一般人という枠で言えばアンゴラ氏達もそうだし、生放送してる大川左之助たちだってそうなのだ。
 だからこそ、注意こそされ、逆に彼らの言葉に警官が耳を貸すことはなかった。そのせいですでに十人近くの警官があの中に混ざってしまった。パトカーだけで来た警官だけでなく、チャリで現場まで来た人とかも居たのだ。
 けどそんな警官達とは残らず連絡を取れなくなっただろう。それによってようやく現場が想像以上に危険だ――と判断したんだろう。すでにサイレンは途切れる事なく聞こえる。
 何十台というパトカーがきてるし、大きなボックスの車からは、盾をもった人たちまで……アンゴラ氏達もここは危険だと、後ろの方へと下がらされる。なんとかこれまでで分かったこと……分かってる事を話して協力しようかとも思った彼らだが……それをどうやら警察は求めてないらしい。
 
「彼らはまだただの市民の暴動か……それとも集団催眠かなにかだとおもってるみたいだ」
「まあ、しかたないな。これが未知の何者かの攻撃かもしれない……などと思えようか。なにせこの国だ」
 
 そんなアンゴラ氏と猩々坊主の言葉には誰も反論はできない。なにせテロなんてそうそう起きない国である。それに別に今も暴動……といえない。市民たちはフラフラと歩いて、おかしな行動をとってるだけ。
 きっと警察は周囲を人数で固めて、声をかけて、それでも無理なら無理矢理にでも制圧ってシナリオを描いてるんじゃないだろうか? 彼らはわかってない。おかしくなってる人たちに話なんて通じないってことが……警官が大量に出てきて脅せば怖気づく……とか思ってるのかもしれないが……そんな相手じゃないとそこそこの時間現場を見てきたアンゴラ氏達は気づいてる。会話なんてなんの意味もないってことが。
 
「あの……もしもあんなに武装してる警官もおかしくなったら……やばくないですか?」
 
 朝日倉三が真剣な表情でそんな風にいう。カメラに収められてる彼。そしてこのグルーブで一番人気なイケメンな彼の言葉にコメント欄でも「確かに武装した警官までおかしくなったら……」とかいう不安をコメントしてる人たちがたくさんだ。
 
 そしてそれは勿論だけどアンゴラ氏達もおもってる。てかそれは今やほぼ確定してるといっていい。警官側はまずは穏便に……とかおもって警告を出すだろうが、アンゴラ氏達は誰もそれに耳を傾けるやつがいる……なんておもってない。だって皆がおかしくなってる。
 まともなやつが居ないのに、誰に声を届けるというのか……つまりはそういうことである。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1068

「行くぞお主等あああああ!!」
「「「おう!!」」」
 
 そんな感じで元気に駆けるのは複数人の戦士だ。彼らはなんとなるべく武器を体にくくりつけて、使い捨てる気で砂獣を一撃のもとで葬りされる程の武器を使ってるらしい。
 
 けどそれだけの使い方をしないと、この扉から出てきた化け物には対抗できない……ってのもきっと正しい。先頭を担ってるのはジャル爺さんだ。あの人は若返ってから何時だって戦場の先頭を走ってるといっていい。
 そしてそれに続いてる何人かは魔王が目をかけてた人たちだ。元は賞金稼ぎから、ただの兵卒の下っ端だった人とかもいる。元は力ってヤツを教会から制限かけられた技とか技術しか教えられてなかったこの世界の人々だったが、自分たちがきてからそれは変わった。
 それに魔王は戦闘に関しては単純に天性のものをもってる。そんな魔王に真っ先に鍛えられたのがジャルバジャルだ。そこに居たら、自ずと最近こっち側に寝返った人たちよりも成長してるのは当然だろう。
 そして教会が関与してない自己強化……それにはやっぱり教会関係してないから、伸び率ってやつがかなり変わった。最初にこの世界に普及してた血浄……あれ事態が悪かったわけじゃなく、教会によって一般に広められた血浄はリミッターというか、制限がかけられた。
 それこそ、誰もが一律に均等な強さを出せるような……そんな細工だ。でも自分たちが広めた新たな血浄にはそんなのはない。だからこそ、よりうまくそれを利用できる者が出てきてもおかしくなんてなかった。
 つまりは今、この場面であの扉から出てきた化け物に挑もうとしてる彼らは突出した戦力ということだ。
 
 中心はジャル爺とサーザインシャインインラで英雄と言われてたイケメンな彼だ。彼らは出会ってお互いをより高めてた。この世界の誰よりもうまく力を引き出して使ってる二人と言えるだろう。
 
 縦横無尽に迫ってくる扉から出てきた化け物……その髪の毛は速く、強靭で、そして強力……それは間違いない。皆がそれを実感してる。きっとこれまで相対した砂銃のどれよりも強力だと思ってる。
 
 けどそんな攻撃をあの人たちはなんとか受け流してうまく連携して奴の頭へと迫ってた。それはまさにこの世界の人の確かな輝きだろう。
 
『見てみろ!!』
 
 ――と、彼らはまるでその行動で世界に訴えかけてるようだ。

ある日、超能力が目覚めた件 428P

「なんだこれは?」
「まさか新たな力の暴走!?」
「いや、もっと別の何かかもしれないっすよ」
「ちょ……どうやら裸の女性とかいるみたいですよ。ちょっとそっちにいか、いきましょう!」
 
 彼らはこの町にやってきたオカルト好きな奴らで今やその力を本当に開花してしまった人たちである。猩々坊主とチャブ氏やミカン氏やアンゴラ氏……彼等だ。つい最近、ここの近くの上空でドラゴン――かもしれない存在が確認されたから、個人個人でやってきた。そしてこの町で集まって何回か調査をしてたのだ。
 そして草陰草案を通じて知り合った動画配信者の三人……彼らの動画のネタとしても色々とやってた。その時に起こったこの騒動……動画配信者の大学生たちはなんとか近づこうとしてたがそれをアンゴラ氏たちは止めてた。いやな感じがしたからだ。きっと彼の力……が反応してたんだろう。だから彼らのチャンネルだけはまだこの騒動をまともに届けてる唯一のチャンネルとなってた。何とかギリギリの範囲……悪魔の力の影響を受けないギリギリを見極めてなんとか配信を続けてた。
 
『一体何が起こってるのか……自分達にもわかりません。ですが、これが今の、生の現状です。面白がってこないでください。人の塊を観たらとにかく離れてください。近づかなかければ、変になることはないようです! ――っ!』
『わあああああ!?』
 
 彼らのチャンネルでそういって二人は走り出した。彼らのチャンネルは二人がオカルト的な事を話して一人は裏方を担当してた。二人はあわててカメラの方に走る。その背後から、まるでゾンビのようになった人や、地面に手までついて四足歩行をしてる大人の人とかが迫ってたんだ。どうやら目をつけられたみたいだ。
 
 慌てて走って逃げてる二人の顔を映しつつ、カメラ担当の人も走ってるから、かなりぶれてるが、それでもカメラは集団の方へとむいてる。きっと動画配信者の矜持って奴があるんだろう。コメントでは――
 
『危ない!』
『逃げてえええええ!!』
 
――という感じで盛り上がってる。逃げてる彼らに追いすがるように迫ってくる異常な人たち。その目はとても虚ろでどこを見てるのか……けどその時、カメラの端から何かが飛び出てきて、それがおかしくなった人にぶつかる。するとそれと同時に、バチン!! と鳴り響く。投げられた小さな石? みたいなのが砕けてる。
 けどそれはおかしい……とコメントではなってる。
 
『なんだ今の?』
『何投げたの?』
『スタンガンみたいな落としたよ?』
『でもスタンガンって投げるものじゃないだろ?』
『爆竹とか?』
 
 そんな色々な事を言われてる。けどどうやら彼らはそれを明言する気はないらしい。なんとか一息ついて、こういった。
 
『皆さん、この通り今は非常に危険です! この町の人たちはなるべく家から出ない方がいいです。駅の方には来ないように!』
 
 彼らのチャンネルの同時視聴者数は今や世界中で一番になりつつあった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1067

 何故か……そう何故かわからないが、あの扉から出てきた上半身だけの化け物はさっきまでは普通に頭が上……つまりは空にむかってたけど、何故なのかいきなりくるっと上下を反転させた。そしてその手で何故か砂を踏みしめて体を支えてる。髪や腰の布はそれでも自然に逆らって、上へと伸びてた。
 
 いきなり変なことを仕出した化け物。一体何故に? と思ってもその応えはきっとやつしか持ち合わせてないのだろう。扉からだってちゃんと頭が上になって出てきたのに、それなのになんで今さら……あんな……
 
 この状況で一番早くに動き出してたのはネナンちゃんだった。砂に手をついた。その場所から、植物がもりもりと生えてきて、上下逆さまのあの化け物へとからまっていく。その体に対して、とても細い腕……その腕へと植物は成長しつつからまっていく。さらにはその体全体を包み込むように、大樹へと成長しつつある木がその姿を遮ろうとしてる。
 もしかしたら街を囲んでたドームのようになってた植物がさっきの化け物の髪で壊されてしまった。そのせいで外が見えるようになった街の人達にアレを見せたくないのかもしれない。
 確かにあれはかなりのインパクトがある。町の人達の不安を増長させないためにも必要かもしれない。なにせめっちゃでかいやつが上下逆さまで存在してるんだ。でも実際、ネナンちゃんの力ではヤツを縛る……というのは難しかった。それは体を覆ってた大樹もそうだし、その体を拘束するためにその体に巻き付いてた植物もそうだ。
 まずは大樹がスパッと一瞬で切られた。その髪の毛でだ。そして蔦は普通にブチブチとその動きだけで引きちぎってる。やつはその手で動き出す。逆さまになって手で歩き出す。つまりは逆立ち歩きだ。鬼はその髪に絡め取られてる。無数にある髪は、近くの人達にも襲いかかってヤバいことに……救いなのはあれがかなり大雑把だから、あの化け物にとって小さな存在である自分たちにはある意味で当てるのがむずかしそうだってことだ。
 いや、そもそもがまともに狙って無いのかもしれない。それに対して鬼は大きい。あの化け物の攻撃を受けるのに丁度いい大きさ……といっていい。だからその髪の大半は鬼にむかってた。
 けど髪をどうやらこの化け物はG-01殿へとの向けることはない。どういうことなのかはわからないが、その体を直接むけてる。
 
 ズウン――ズウン――
 
 と間抜な形で進んでいく。それに追いすがる様に自分は進んだ。鬼が囚われてる今、あの化け物を止められるのは自分しかいない。ネナンちゃんも奴の狙いが分かったのか、なんとか植物で防ごうとしてるがそれらは髪の毛で一蹴されてる。
 
 そんな中、何人かの腕の覚えのある人たちが果敢にもあの化け物へと挑もうとしてる。ネナンちゃんが育てた木々は確かに潰されるが、それでも残ってるのもある。それをうまく足場にして、身体能力をかなり強化してるその人達は比較的近くなってる化け物の頭へと狙いを定めて動いてるようだ。
 実際逆さまだからこそ、頭までまだ届くかもしれない。その可能性があるんだ。

ある日、超能力が目覚めた件 427P

ファイル1 某日取り締まり室内での出来事――
 何があった? 覚えてることを全ていってくれ。
 
『わかんないですよ。記憶が曖昧なんです。あの日のことは……本当に。気づいたら……ぼうってしてきて……ごめんなさいごめんなさい』
 
ファイル2 某主婦
 貴方はあの時、何をしてたのか記憶はありますか?
 
『はい、いえ……良くは覚えてません。気づいたら……その下腹部にあれが……服もなくて……でもそんなのは全然気にならなくて……ただあそこには楽園があったんです』
 
ファイル3 某観光客
 貴方はどうして……あんな事を? 貴方は貴方の手はいまでもその後遺症で……
 
『スミマゼン……ゴベンナザイ……でもあれは……僕の意思じゃ……ながった……誰かがいったんだ。ぼぐの……悪口を……』
 
 後日、そんな沢山の人の人生が狂った日。野々野足軽は見た。その惨状を。もっと早く教えてほしかった……と思うのは酷だっただろう。きっと天使っ子も悪魔っ子もどういったらいいのか……それがわかんなかったんだ。
 
 それに最初はそれこそこんなではなかったと思われる。きっと何やらおかしいな? 程度。悪魔とすれ違うと様子がなんかちょっとおかしくて、足取りがフラフラしだした……程度。
 
 それにきっと悪魔だってそれに関心なんてなかった。悪魔というか悪魔に取り憑かれてる女性だろう。彼女の意思が強く出てるからきっとその取り憑かれてる人の人格が強く出てる。
 けどその体にはもう悪魔の力が馴染んでる。だからこそ、心が安定してないせいでその体の力が周囲にまでもれてたようだ。道路を歩いてた人とか、ぎょっとしてしまう。学生とか面白がって写真を撮る人だっていただろう。
 
『痴女なう!!』
 
 なんて投稿だってあった。一応顔は隠されてたけど、その裸体は完全に上がってた。けどそれをやった人もすぐに悪魔の力に侵される。意識が遠のいて、その時の欲望? が強くでる。彼は襲いかかった。隣にいた。友達に。
 ちなみにいうと女じゃない。男である。同じ様なことをしてた学生の友達も同じ様な慾望が強く出たんだろう。四人のグループは絡み合ったりしてた。
 
 ある人はスマホを操作しながら歩いてた。その人は猫動画を見てた。すれ違いざまに「あれ?」と思ったけどそれだけだ。意識もしなかった……でも彼女もその力に当てられた。その人は猫になった。猫になって塀に上がって屋根に飛び移ろうとして地面に落ちた。けど正気に戻らない。
 
 そんなおかしな人達がどんどんと出来上がっていく。そしてただ悪魔の女性に付き従うようにする人たちも増えていき、集団になっていってた。まだ正気の人を襲ってる人たちまで出てる。
 これはとんでもないことだ……とんでもないことになってしまってる。それを野々野足軽はすぐに理解した。