細かく切り刻んだ二回目の超巨大な隕石。それが再びくっつかない様に、外側から自分の力で覆ってやる。やっぱりだが、超巨大だったときに比べて、小さくなるとそれだけこっちの力に対する吸引力? というかそういうのは弱くなるみたいだ。
まあそこは良かったと言っておこう。なにせ細かく切り刻んでもその特性がデカいままなら、切り刻んだ後に自分の意図したところへと偶然を装って誘導出来ない。けど実際は、さっきよりも破片ですら吸引力が増してる気はする。
そのせいで余分に力を込めてるしな。まあ細かく切り刻んだと言っても、もとがなにせ超巨大な隕石だ。それこそそれだけで月くらいはありそうな程の。だから自分が切り刻んだとしても、優に数メートルはある破片になってるだけだ。
けどまだどうにかなった……
(ふう……流石に焦ったっすよ)
ノアの奴がそういってる。まるで額の汗を拭うかのような動作が見えるような言葉だった。でも本番はここからだ。もういっそ今回で空間を壊した方が良かったか? とか思うが……
(いや、向こうの最大の攻撃を捌いた後のほうが隙が大きくなるはずだ)
もしも今回で壊したとしても、あの最後の一個の超巨大な隕石がどうなるかわからない。そもそもあんなのがこの空間から出てきたらと思うと……自分だけでなく、他の皆にも影響があるだろう。そんなこと、流石にある訳ないと思う。
思うが……それでも絶対にない……とはいえない。ならやっぱり向こうの狙いを全て叩き潰した上で乗り越えた方が後顧の憂いがなくて良いだろう。
だからこそ……勝負所はここだ。最後の一つ。そして最後の一つは更に大きい。しかもなんか今まではとは明らかに違う。なんか表面がウニョウニョしてる。近づいてくるとそれが何かわかった。今までの超巨大な隕石は本当にただの硬質な岩って感じだった。まさに隕石の見た目だ。けど……どうやら最後の奴は違うらしい。
近づいてくること、その表面がウニョウニョしてるのが見えた。そしてそれがなんなのか……
(なにっすかあれ? って旦那!?)
どうやらノアも気づいたらしい。アレが近づいて来たとき、体に異変が起きてる。力が持って行かれてる。いや、正確に言うと、あの超巨大な隕石から発せられる攻撃に対抗してるせいで力がゴリゴリと減ってる。
どうやら最後の超巨大な隕石は、蛇の集合体らしい。そして先に戦った奴と同じような攻撃をしてきてる。それは石化だ。でも一体の頭に居た蛇の数と、超巨大な隕石全部が蛇だと、その数の差は数十……いや数百? はたまた数千倍か……そのくらいの差があるだろう。だからこそ、こっちの抵抗する力も生半可な力では対抗出来ない。石化の呪いを中和するために、超巨大な隕石と接触する前から力を削られる。
最後の隕石が蛇の集合体となると、今までと比べてやわいのか……いや、そんなはずはない。だからこれまで以上の力を聖剣に込める必要がある。けど先にめっちゃ力を使わされてる。やってくれる。流石に正面からぶつかるのは不味いかもしれない。