鬼達は創作活動に夢中になってる。粘土遊びをしてない奴らもいるが、そいつらはこっちに向いてないから無視して大丈夫だろう。それよりもいきなり粘土遊びし始めた奴らが気になる。
そいつらは何やら新たなる砂獣を作ってるように見えるしね。其れが気になるから私も恐る恐る芸術に精を出してる鬼達に近寄ることに。
「いざとなったからこれで……」
私はそう言って新たな装備に成った小手を装備した腕でシャドーボクシングをしてみる。最初はただただ地味で不満だったけど、今はこれがあるだけでちょっとは心強い。
まあこれよりも魔王と勇者を武器にした方が強いんだけどね。あの二人を本来の姿である剣にして戦うのが完璧なG-01の装備というか、多分? そうだと思う。
『それでは鬼達には力不足だと思いますよ』
無慈悲なことをAIが言ってくる。この小手で何でも出来る――って気になってるのにそんな水を差すようなことを言わないでほしい。確かにこれではデカすぎる相手はちょっと荷が重いかなって思ってたよ。でもそれなら……
「ならもっと強力な武器をちょうだいよ」
エネルギーならまだある。都市核というエネルギーがね。一個使ったけど、あと四つあるし、最悪一個残しておけば後で返すときにも問題無いと思うんだ。
だから四つ使えばこの小手よりももっと強力な武器が作れると思う。
『今の貴女では色々と足りないのでそれ以上の武器となると難しいですね』
「エネルギーが問題なわけじゃないって事?」
『開発可能な武器の一覧で、検索を描けると表示されない武器があったと思います』
「それはあったね」
確かにAIの言うように検索を描けるとなんか除外される奴とかあったね。でも其れを抜きにしても大分いっぱいの武器の一覧があったとおもうけど……
『細かな条件は沢山あります。それにまだまだベースであるこの機体自身のスペックが最低の部類である――ということを覚えておいてください」
「うぐ……それって私のせいなの?」
『誰が操ってるのかと言うことを考慮すればわかるかと……』
何でこういうときに限って当回しに言うかな? 嫌み度が増してるよ。絶対にそれを狙って遠回しに言ってるんだと思うけどね。
「もっと細かくエネルギーが貯まったらパーツをアップグレードしてた方が良かったって事?」
『その可能性は高かったと言うことですね』
「ならそう言ってよ……」
AIが言うのはいつだってもっとG-01を理解しろって事しか言わなかったじゃん。だからこそそっちに脳細胞を裂いてたわけで……それなのにパーツを随時更新して行ってたら、それこそスペックが常に更新されていくことになる訳じゃん? ついてけないよ。だからこれは私のせいではない。
「じゃあ、今はこの小手以上の武器は期待しない方が良いって事?」
『一応おすすめのパーツや武器を選別してそれをここでアップグレードするという事も出来ますが――』
出来るならそれをした方が良いと思うんだけど、何か意味深に止めたね。とりあえずまだ続くんだろうし黙って待っておく。すると私の反応が淡泊だったのが気に入らなかったのか若干トーン落としてこう言った。
『――それはおすすめしませんね』
「おすすめとか最初に言っておきながらおすすめしないとか……矛盾してるんですけど……」
「いくつかそれに理由があります」
どうやら私の的確なツッコミは無視を決め込むつもりのようだ。