uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 427

 私は勿論意図的にサソリ型砂獣を蛾のような砂獣の方向へと飛ばしたのだ。なぜなら、いつだって蛾のような砂獣の周囲には棒っきれみたいな砂獣が護ってるからね。
 あいつは一番地味で弱そうなのに実は一番厄介なのだ。なにせG-01の攻撃を防ぐことが出来るからね。巨大なサソリ型の砂獣だってこの小手でぶったたけば爆散させることが出来るのに、棒っきれみたいな砂獣はそれが出来ないからね。
 防御力は本当にピカイチと言って良い。そんな棒っきれみたいな砂獣も一体しか居ないって事をつく! 先にデカいサソリ型の砂獣を蛾のような砂獣へと飛ばせばそれを防がないといけないはずだ。そしてデカいサソリ型の砂獣をそれよりも小さな棒っきれみたいな砂獣が止めるのはそれなりに大変だろう。それこそその体全てを使って、身を挺して止めるしかない。その隙に私はそいつらを躱して、本命である蛾のような砂獣をとりあえず仕留める。
 
 容赦はしない、跡形も無く消滅させるつもりだ。実際無駄にデカいサソリ型の砂獣を跡形もなく消滅させるのはこの小手では難しい。なにせ小手だからね。局所的な攻撃の方が得意なのだ。当たり前だけどね。
 でも蛾のような砂獣はそこまで大きくない。大体胴体だけならG-01よりも小さいし、羽を入れたらこっちよりも大きいが、羽なんて薄いからね。防御力なんてほぼ無いだろう。
 
「よし! 狙い通り!!」
 
 私はそう言って二体の砂獣がぶつかった横を通り過ぎる。サソリ型の砂獣と棒っきれみたいな砂獣が絡み合ってるから、今こそチャンス! 棒っきれみたいな砂獣には蛾のような砂獣の近くに転送されるような仕組みというか機能というか、そういうのがありそうだけど、それもちゃんと想定した上で、私は蛾のような砂獣へと迫る。
 
 どんな事が起っても対処してみせる! その自信がある。私は蛾のような砂獣を追い詰めた。奴は緩慢だ。そして後ろに隠れるようにしてるから近接戦が得意とはおもえない。
 
 もちろんこいつだって腐っても砂獣だ。そこらの人間とかが下手に近寄ったらサクッと殺せるくらいの力は持ってるだろう。実際、目の前にきた私に対して、何か羽を高速で動かし鱗粉みたいな物を出してる。それによって蛾のような砂獣がぶれたように見える。
 幻覚か煙幕……するとそのとき、何かが伸びて来た。私は首をとっさに動かしてそれを……躱すことが出来なかった。なにせびっくりしたからね。
 
「きゃ!? びっくりした……」
 
 とかいったくらいだ。でも大丈夫。ダメージはない。
 
『強度が足りなかったら顔面を穿かれてましたね』
 
 そういうAIの声はどこか憐憫があったかもしれない。もちろん私にではない。砂獣のほうへだ。相手が悪かったね。そんな中途半端な攻撃は私へは……いやG-01には効かないよ!!
 
 私は拳を握りしめ蛾のような砂獣を殴るために動く。でもそのときAIの声が響く。
 
「背後から高エネルギー反応を検知しました」
 
 背後の映像を映してるモニターを見る。それを見ると、サソリ型の砂獣の背中にある砲台が光ってた。なるほどね、そういう武器もあったね。でも無視する! なにせサソリ型の砂獣なんか私にとっては脅威ではない。こいつの……蛾のような砂獣の方がよっぽど厄介だからまずはこっち! でも次の瞬間、私の拳よりも早く、サソリ型の砂獣の攻撃が蛾のような砂獣の目玉を穿った