uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 482

 ビクビクと蜘蛛人間は砂に埋まって気絶してる。色々と危険な奴だけど、きっと有用な情報を持ってるだろう。私的には脅威でも何でも無いし、これで有益な情報が手に入るならやすいもの。
 
「さてさて、帰ろっかな?」
 
 え? もう一人居ただろうって? いやいやあっちは既にアズバインバカラへと入ろうとしてるからね。私の管轄外だ。それにどう考えてもあっちは囮だ。本命はこっちの蜘蛛人間なのは間違いない。ならあんな囮はラパンさん達に任せていて良いだろう。
 きっと追い返されると思うし。流石に今協会関係者をアズバインバカラへと入れる事はしないと思うんだよね。危ないし。一応アズバインバカラにも教会はある。でもそこの神父はまともな人で中央の教会とはかなり関わりが薄い。てか真面目に信仰をしてるからこそ、中央の教会とは距離を置いてる人だ。
 だからアズバインバカラ的には教会はちゃんとはしたところがちゃんと運営してるから、別に中央に頼ること何て無い。勿論色々と都市運営の為に頼ってた部分はあるだろうからこれから困るだろうけど、それも勇者と魔王、それに私がいればどうにか出来る可能性はある。
 今来てる中央の協会関係者は視察とか言ってごねてるんだろうね。それで強引に今まではアズバインバカラへと入ることは比較的容易だっただろう。何せ教会を拒否する街なんてほぼ無いんだし……でも今はもうそうじゃない。そもそもが敵をわざわざ中に招き入れるとも思えないしね。あれは放置でいい。こっちの奴の方がよっぽど重要だ。私はばっちい物を掴むように脚を一つつまんでもちあげる。全く抵抗しない。まるで死んでるみたいだ。
 
「まあ、バイタルはあるし大丈夫でしょ」
 
 ヤバかったら勇者に回復して貰えばいい。でもそのときはちゃんと拘束して、魔法とかを使えないようにしないとね。私は再びジャンプした。そしてあっという間に宮殿の庭に戻ってきた。なんか誰かいるね。あれは……ネナンちゃんとそのおつきの人達か。
 ネナンちゃんは大変特殊な地位になってるからね。ほぼラパンさんの娘みたいな待遇を受けてるから、このアズバインバカラの姫と言って差し支えない。そんなネナンちゃんに付き人や護衛がいないわけはない。だからネナンちゃんの周りには大人がいる。一人は侍女だろう。そして武器を持ってる男の人が二人。ネナンちゃんは最初にあったときのようなぼろ布ではなくて、今や立派な高そうな服に身を包んでる。
 まあ勿論ゴテゴテはしてない。何せ熱い世界だからね。肌が透けるような涼しげな服だけど、沢山ひらひらしてる。普通の子供が着てる服なんて大体布一枚だしね。それに比べれば全然違う。それに色々と飾り立てるためのアクセサリーをつけてる。
 実際は飾り立てるためではなくて、私が作ったネナンちゃんの力を吸収するアクセサリーなんだけどね。でも普通の人はそんなの知らないからね。超高級なアクセサリーをつけてるとっても大層なお姫様だと思うだろう。私はネナンちゃん達に注意しながら、庭に降りた。
 
「何のようだろう? いや、丁度良いか」
 
 私は庭に降りてさっそく地面に蜘蛛人間を投げ捨てた。「ぐえ」……とかいう声が聞こえた気がするが、それでも目を覚まさない蜘蛛人間。いや目を覚ますことが出来ないのかも知れない。まあどっちでもいいけど。
 
「なっ!? なんてすかこれ?」
「新種の砂獣? 貴方がとらえたのですかジゼロワン殿?」
 
 最初の声はネナンちゃんで次のは護衛の一人の声だ。ネナンちゃんにはちょっとグロい光景だったかも知れない。さてどうやって説明しようか? うん、丁度良くここにはピローネが寝てる。それを指さして、私は蜘蛛人間を指さす。これで気づいて欲しい。
 
「もしかして……これってこの子と同じ……そういう事なのかな?」
 
 答えを察してくれたネナンちゃんの言葉に頷くよ。それを聞いてハッとした護衛の二人は顔を見合わせて一人が急いで走って行く。きっとえらい人達に知らせに行ってくれたんだろう。それと同時に、ネナンちゃんを蜘蛛人間から遠ざける。万が一があるからね。
 勿論私がネナンちゃんに危害を加えさせやしないけど……彼らも仕事だからね。さて、私は人が集まる前に出来ることをやっておこう。