uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

ある日、超能力に目覚めた件 84P

 初めての桶狭間忠国との開口から2日、なんとなく、二人は探り探り距離を縮めようとしてる。それこそ朝あったときは挨拶を返す程度の仲にはなっていた。でもまだその程度、で友達かと言われるとそうではないし、知り合いかといわれると、かろうじて? の範疇だと思ってる。

 なにせ二人は別に親しくなりたい……と思って接触をしようとは思ってない。互いに、おたがいを探ろうとしてその関係性を模索してるのだ。しかも……お互いがコミュ障というほどではないにしろ、積極的にそういうのを築こうとはしてこなかったタイプの二人である。

 ようはとても難航してるということだ。普通なら「おはよう」から次の話につなげたりすれば良いのだろうが……二人は朝あって「おはよう」と互いにいって、そして「それじゃ」――である。もうなんで挨拶をしてるのか意味がわからない。

 

いや勿論、ふたりともそれぞれ事前に色々と準備してたりする。話題を2・3個は用意してるのだ。けどそれを上手く切り出すことが出来ないのが、野乃野足軽桶狭間忠国だった。別にそういう事を知りたいわけじゃないし……とか、今じゃなくても……となって、なんか挨拶だけをしたら別れるというふうになってる。

 

「野乃野君は友だちが欲しいの?」

「いや、友達は普通にほしいけど」

 

 昼休み、最近はほぼ毎日昼食を共に取ってる平賀式部がそんな事を野乃野足軽に言ってきた。すると平賀式部は長机の向かい側に、互いに弁当を広げて食べてたわけだけど、ガタリと立ち上がりなんと、椅子に足をのせる。その際、平賀式部の白い太ももが見えてちょっとドキッとして目を逸した野乃野足軽

 けどそれで終わりではなかった。椅子の上に乗った平賀式部は更にその膝小僧をのぞかせて、机に乗っかった。そして上半身を反対側に乗り越えさせてくると、野乃野足軽に近づいてきた。いきなりの急接近に野乃野足軽は何も出来ずにただびっくりしてた。そしてその行為を見守るだけ……平賀式部のその整った顔が迫ってきて、そしていつもは絶対に見ることが出来ない、四つん這いみいたな態勢で迫ってきてる平賀式部のその格好に男として何かが湧き上がってきてるのを感じてた。

 下側に垂れる髪、それをかき上げる様な動作……それに制服の胸元が重力に従うことで、いつもよりも中が見える。いや、それでも平賀式部はきっちりかっちりとと制服を来てるから、それでも鎖骨が見える……ってほどまでもいかない。

 でもそれでも、いつもよりも少し深く覗くその隙間がエロいと野乃野足軽は思ってたし、胸だって、いつもりよりも生々しくみえる。制服はエロさを抑制するように出来てるのか、大きさとかがわかりにくい。そもそもがアニメや漫画みたいに制服の上から不自然に突出するような胸なんてのはリアルではそうそうない。

 けど今は、その隠された胸が見えているような……少なくともそこにあるとはわかる。そんな事を思っててもどうしていいのかわからない野乃野足軽。そこに平賀式部は行儀も気にせずに机に体の大半を預けてこういった。

 

「私だけじゃ駄目?」

 

 その言葉を野乃野足軽は頭の中で何回も何回も反芻していた。いや、どうしようもなく頭が今の言葉でいっぱいになったんだ。