uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 752

「リスクが高いか……」

 

 いつもなら一匹くらい鬼を狩るのはそこまで緊張するものでもない。けど、今は万全な状態じゃない。それにいつもと鬼たちの動きも違うし、なによりも今は明である。宵の時間は鬼たちはなんていうか? 勤務時間帯なわけで、だからこそあんまりこっちの対応に割けないって感じで、僅かな数しか相手に来なかった。

 けど今はどうだ? 実際、鬼たちは分解爆発のせいで出来た宵の穴を埋めるためにあくせく動いてる。だから実際、私が戦いを起こしたとしても、いつもみたいになる可能性もある。

 

「けど、いつもじゃない行動をしてるのも確かなんだよね。……それに時間をかけたくないし……」

 

 実際鬼の角を得るのは、そこそこの時間をかけてるのだ。だって鬼の角を折るのは並大抵の装備と威力では出来ないことだ。なにせ膨大な力を宿してるからだ。そしてそういうのは無闇矢鱈に奪うと大抵ろくなことにならないっていうね。

 膨大なエネルギーは下手に暴走したらそれこそ世界を壊しうるなんて事が起きる。特に鬼の角に宿ってるエネルギーなら冗談抜きでそれができる……出来てしまう。だからそこそこ弱らせて、ある程度角のエネルギーを制御できる状態、低下させた状態でもぎ取るのってことをしてた。

 つまりは万全な角を私は得てたわけじゃない。だからこそ、宵の時間をいっぱいつかって一本をとる……なんて事をやってたわけだ。けど、今はその時間がない。鬼の行動も宵とは違うみたいだし……できるなら、一撃で角を得たい。

 

「今なら、鬼の角のエネルギーをつかってG-01を回復させれば、ちょうどいい感じに制御できるようになる可能性もある……」

 

 いつもならある程度、鬼にエネルギーを消費させるわけだけど、その消費させるエネルギーを回復に回せば、いつものようになる可能性がある……というのは都合のいい考えだろうか? でも数字で出してる結果からもその可能性はなかなかに高い。おおよそ60%程度はある。

けどそれは……

 

「諸々全部がこっちの都合よく行った場合……何だよね」

 

 そんなに世界は私に優しいか? と言われたらNOと言わざる得ない。

 

「下手なリスクは取らないほうが……」

「うう……お父さん……お母さん……お話……したいよ」

 

 ネナンちゃんのそんな鳴き声に私は心が動かされるよ。だって幼い女の子が泣いてるんだよ? それを止めることが出来なくて、どうして空獣を倒せるようになるというのか? いや、全く繋がりないけどね。

実際、人の体のマネキンを作るだけなら、今残ってるだけのエネルギーでも十分できる。なにせ私の……というかG-01の数値上の1はこの世界の現地の人間の万人分のエネルギーだ。

 なので二体のマネキンなんてのは簡単にできるわけだけど……それは実際、ただのマネキンであって、人形である。それで彼女は納得できるか? いや鬼で感動してたネナンちゃんなら納得してくれるだろう。

 でも私は納得できない! 高性能な体ではなくていいだろう。けどどうせなら、短い時間でも最後の別れをさせられるくらいのちゃんとした体……せめてぬくもりを感じられる様なそんな体を用意したい!!

 というわけで、私はそっとネナンちゃん達から離れて、宵へともどる。大丈夫、私ならできる。