とりあえず様子見のためにか、教会側が魔法を撃ってきた。空宙に炎が出てきて、それがいくつか向かってくる。とりあえず私は何もしない。
なぜなら……
「無傷……だと?」
そんな風にダンゴムシに乗ってる教会の人たちは言ってる。なんか驚愕してるが、この程度で驚愕してるのが私的に驚愕だよ。だって今のは本気じゃなかったよね? いや流石に私から見たらこの世界の奴らなんて大抵雑魚ではある。
けどそれでも、教会の奴らはこの世界でも強者のはずだ。本気で来たら、流石にこのドローンくらいはどうにか出来る……と思ってる。けどさっきの炎では多少のダメージは受けたけど、自己修復でなんとかなる程度だ。
致命的ではない。流石に今のは全力ではないとは思う。けど、それでも奴らはこの程度でなんとかなる――と思ったんだろう。私はあの程度でどうにかなるとおもったの? ――という感じだ。やっぱりそこにも齟齬がある。
「くっ、流石にこの程度ではだめか。交代しろ!」
そう言って前に出てた何人かが、後ろに控えてた何人かに変わった。そして再び詠唱を開始する。さっきと同じ詠唱だ。けど違いがある。それは何かを皆さん持ってるということだ。それぞれ小さな小石? みたいなのを掲げてる。詠唱を続けていくごとにその石が赤く光りだす。そして完成した魔法にその光が乗っかるように、なんか強化された。そしてそれでその人達が持ってた石は崩れ落ちる。
「大体二倍くらい?」
そのくらい強化されてる。あれだけの石ころ? で魔法が二倍に強化されるとなれば、とても有意義なアイテムかも知れない。それに……だ流石にドローンたちに二倍に強化された魔法はヤバいかもしれない。向かってくる数十の炎の塊それがドローンたちのそばで爆発する。空に炎が広がる。メラメラ……メラメラと。
「これでも……か」
そんな教会のやつの悔しそうな声が聞こえてくる。やれやれ、危なかった。ドローン達はまだ健在だ。なぜか? まあ理由は色々とある。いや、本当は簡単だ。奴らはこのトリックに気づくか?
まあ実際はトリック――とも言えないようなことなんだけどね。