ボスボス……と僅かな音を出して、砂に落ちてる一体のドローン。それにどうやら教会の奴らは気づいてない。トリックとも言えないことって言うのはまあ……こういうことである。
つまりはあの一体のドローンに全てをまかせた。肩代わりさせたと言ってもいい。全てはあの一体で受けたのだ。どうやら無意味に……いやこの結果からしたら無意味じゃなかった? のかもしれないが、とりあえずなんの意味もなくクルクルと集合させたドローンたちを動かしてたのは、ドローンの総数をごまかすためには良かったのかもしれない。
どうやら教会の奴らの会話を聞く限り奴ら、一体に肩代わりさせたのを気づいてない。でもこれには弱点がある。それは――
「絶対にあと、2・3回したらバレるよね」
こっちもドローン自体が数百……とかよこしてるわけじゃない。数十である。具体的には30くらい。そのうちの一体――一機が落ちた。まだ不自然感がないが、これらどんどんと落ちていくと、流石にバレる。そうなると、こっちがなんの反撃もできないし、それに奴らに『倒せる』という自信をつかせることになる。
それは困る。今のように、恐る恐る……ってなかんじでやってくれないと、ここに向かってる部隊が来るまでに全てのドローンが落とされるだろう。そうなったらザンサンシャカレは終わりだ。一体どうしたら……
「とりあえずまだ一体落ちたのはバレてないし……ここは余裕を見せるのが大切かもね。下手に新たな動きをしたら、奴ら焦って攻めてきそうだし……」
私が望むのは膠着状態だ。それのためには、奴らに警戒を促す必要性がある。下手に動いて刺激したら、向こうが動き出す可能性がある。いや、実際すでに動いてるわけだけど、けどまだ教会側はドローンのことがよくわかってないから、様子見なんだ。
下手に刺激して本格的に攻撃をされたら、ドローンでは対応できない。それを知られると、一気に教会側は攻めてくるだろう。そうなったらこっちの負けなのだ。
だからとりあえず向こうの様子を私はみる。
「まだまだ攻撃を続けろ。向こうがなにもできないほどにしてやれ」
そんな風に言って再び炎が向かってくる。それもやっぱりさっきと同じ小石を使って強化しての攻撃だ。不味いな……とりあえずこっちが反撃してこないから、これで向こうも様子見をしてるらしい。
このままではバレるのは時間の問題。ただやられるだけではだめだ。この攻撃を防ぐのに二機を犠牲にした。けどとりあえず10機を使ってザンサンシャカレに降らせてた水をこっちに回して、防衛に当たる。ザンサンシャカレには雨のように降らせてたわけだが、今度は圧縮して放つ。
それによって炎をかき消す……なんてのはむりだが、直撃する前に爆発させる事ができた。それに……だ。水を炎にぶつけてるわけで、一気に蒸発した水が水蒸気となって白く周囲に満ちる。これはいい煙幕になった。
私はドローンをそれぞれ独立的に動かす。