「何か来た――ウオオオ!?」
でっかくなった教会の奴はジャンプして別のダンゴムシに移った――と同時に、その勢いのままザンサンシャカレの兵士たちを押しつぶした。筋肉の塊の様になってる今のそいつは、同じく筋肉で覆われてるだろうザンサンシャカレの兵士たちをベキベキにしてた。
おなじく筋骨隆々だが、大きさの違いが出ちゃったかもしれない。
「ふしゅーーーーー」
そんなふうに白い息がローブから漏れる。けどそれはもう息って感じじゃない。どっちかというと、なんか排熱? してるみたいな? そんな勢いである。てか……
「なんか湯気みたいになってない?」
でっかくなってしまった教会の体から白いものが沸き立って、その体の周囲がなんか歪んで見えてるような?
「うわぁ……」
私はあいつに絶対に近づきたくないって思ってしまった。だって……だよ。だってあれ……絶対にくさそうじゃん。まあけどあの現場の人達はアレから逃げるなんてできないだろう。
寧ろこれから立ち向かわないといけない。けどあいつはさっきの場所でザンサンシャカレの兵士たちを一掃してる。その結果を知ってるだけに……ちょっとご愁傷さまって考えが……
「でも、あのときは複数いたわけだし……」
そうなのだ。あのときは一つのダンゴムシに四人くらいがデッカクなってた。けどあそこには二人……そしてもう一方に二人である。
サイドからせめて、そこを攻め落としたら、最後のダンゴムシには四人が合流するってことなのかも。確かに確実な作戦かのように思える。けど、それでも一応最初の場所よりも戦力的には半分になってるわけだし絶対にその通りに行くかはわかんない。
二つはなにせすでに教会の奴らは全部倒されてるわけだしね。ここはどうやら分水嶺だ。ここで……このでっかくなった教会の奴らを止められないと、ザンサンシャカレの兵士たちはやられて、そしてダンゴムシだって止められない。
「行くぞ!!」
そう言ってザンサンシャカレの兵士たちはひるまずにでっかくなったそいつ等に向かう。そしてそれをこれまでと同じ様に正面から受け止めようとするでっかくなった教会兵。
一体ザンサンシャカレの兵士たちはどうやってこの筋肉を攻略するつもりなのか……私も何がドローンで出来る事はないか考えるよ。