「これは……やっぱり……げん……じつ?」
傷があったことでチャブ氏はそんなふうにその傷を触りながらつぶやく。その時だ。
「いや、待ってくだされ!」
そういったのは機械に一番強いミカン氏だ。ミカン氏も運動不足を隠そうともしない体型をしてる。いや、その歳になると隠せないのかもしれない。そもそも皆さんが(猩々坊主除く)きっと社会で働いているだろう。そうなると、いつもは会社で仕事をして……となって、その後で健康に気を使って運動なんてやるよりは、こうやって趣味の仲間とダラダラ話し合ってるときのほうが楽しいから仕方ないかもしれない。
そんな普段はネット越しに雑談をしてる彼ら三人なわけだが、そんな時にはいつだって、ビールやらおつまみやら、それこそお菓子やら、ジュースとかがお供なのである。
楽しく話してたら、酒もジュースも進むだろう。そして同時におつまみやお菓子だって……そうなると、どんどんと脂肪は溜め込まれていく一方だ。それが全体にいくか、それか腹だけに行くかは人によって違うんだろう。
でもミカン氏は見た限り重そうであるが、チャブ氏よりは余裕があるように見える。案外……といったら失礼なのかもしれないが、彼は体型よりは身軽なのかもしれない。
そんなミカン氏は何かに気づいたらしい。
「その傷……そんな感じでしたですか?」
「そんな感じとは?」
「えっとですね。確か、もっと大きな爪に引っ掻かれたような……そんな傷ではなかったですか?」
そんな事をいったミカン氏。そして傷を触ってるチャブ氏だけど、そこでアンゴラ氏がコンビニにいって水を買ってきた。
「これを」
それで何をやるのか……すぐにチャブ氏は理解した。キャップを開けて
、手のひらに水を流した。そして溜まった水を頬に……正確にいうと、傷につける。それによってズキッと染みたり……と覚悟をしてたチャブ氏だ。
けど……
「…………」
わずかに硬めを閉じてたが、なにやら次からは一気にドバドバとペットボトルから直接水をかけまくって、さらには掛けるだけじゃなく、指でゴシゴシと傷口を擦るチャブ氏。
それには流石に傷に悪いとおもった周囲が「おいおい」とやったが……次の瞬間……猩々坊主もアンゴラ氏もミカン氏も「「「え?」」」となった。
なぜなら、血が綺麗に流れきったチャブ氏の頬には傷なんてなかったんだ。