uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ見えて 932

『ええ、わかってます。もぐりこむこと自体は簡単でした。これからは目的に適合する相手を探してみます』

 

『どうでしょう? こいつはどうやら誰からも頼られる存在らしいです。他人のことを放っておけないらしく、ここに来たばかりの俺たちにもよく――いや、厄介をしてきますよ。

 本当にむかつきます。まるで自分が上かのように……こいつはその美貌で有名です。それなのに、高飛車でもなく、教会の神父をよく手伝ってるのだとか。狙ってる男どもは沢山います。

 なので実行に移す前にいいですかね? ――へへ。

 こいつは相談役らしいです。困ったことがあったらこいつを頼ればいいとはなかなかここでは評判らしいです。確かに地上に生きる奴らにしては長生きしてるようですが、すぐにでも砂に帰りそうなやつです。こいつは一番先にやって砂に返してやりましょう』

 

『へへ、やってやりました。でもあの爺、やけに大人しかったんですよ。なので何回も何回もさしてやりましたよ。まあそれでも一切声を上げなかったですけどね。ただなんか……いえ、戯言ですね』

 

『はは、どうやらここの警備はザルみたいですよ。まああいつが誰彼構わず信用してたりするからなんですけど。大切な話があるっていえば、のこのこやってきましたよ』

 

『なんかやっぱり砂にまみれた女はダメっすね。なんかひん剥いたあとそれでもやけに抵抗してきたから、ヤル前に殺してしまいました。

 よく考えたら砂の上で生活してる奴らなんてどんな虫が巣くってるか分かったものじゃないからよかったですよ。はははははははは』

 

 それはもう一つのモニターに流された映像だ。今まさに自分は「やってない」と叫んでたやつの生々しい声としぐさ。はっりき言ってめっちゃ近くで、表情さえも分かるほどの映像だった。

 まるでインタビューでもしててカメラを向けられて意気揚々としゃべってるんじゃないか? と錯覚するほどである。けどこれは盗聴である。決してインタビューをしてるわけじゃない。

 でもここまで鮮明でさらに近くの映像はドローンでは実際難しい。なにせさすがに近くにいるとドローンは駆動音がするからだ。じゃあ何が撮ったのか? というと、これはG-01の一部である。G-01の指型スパイガジェットとでもいえる代物。なにせG-01の指は分離して稼働できる。まあけどそのままだと気持ち悪いし、そもそもが人より大きなG-01である。指だけど、その大きさは野球ボールくらいはある。なのでそのまま動き回ってるとそこそこ目立つので、改良を施したのだ。今やG-01の指から出てくるガジェットは多脚ロボだ。平たい体にタンポポの房みたいなのかついてそれらの先端に収音機と映像をとらえるカメラがあるのだ。さらには多脚部分はどんなところも踏破できるようになってる。

 さらには緊急用のブースターも完備というかなりの高性能である。ドローンとどっちが高性能化というとこっちの方が高性能だ。そんなのが撮った映像だから鮮明である。声だってばっちり。

 あいつ等は最初だけ仲間で集まって、あとは全く集まるということをしなかった。きっと誰かか捕まっても大丈夫なように他人を貫いてたんだろう。けどそれぞれで同じような報告をしてるわけで……まあこうやって情報を集めてる私からしたらその関連性をつなげるのはわけない。

 

 私は追加でドローンが持ち上げてる奴や、ほかの場所で拘束されてる奴らの映像もここでドカーンと流してやった。まだ勇者のところにいる奴はいい。なにせ針の筵になってないのだから。私がドローンで持ち上げた教会の刺客は皆からそれこそ射殺されんばかりの視線を浴びている。