uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 973

 襲撃された。それは自警団だった。軍よりは一段落ちるが、この街を普段から守るってるのはその自警団だ。市中を見回ったり、市民の相談事に乗ったりしてる。
 そして市中の揉め事には軍は大袈裟すぎるから基本はその自警団が対応する。そんな奴らが俺のアジトにやってきた。いきなりのことだった。
 やりすぎたのかも知れない。その前の夜に、ある一角の屋台をぶっ壊しまくったのが原因だろう。やりすぎた。けど、あそこの店主が余計な抵抗をするから悪い。
 思わず武器を出してしまった。そしてスパッと……いやその店主を殺ったわけじゃない。その一角の店を切りまくった。それだけだ。殺人はしてない……筈。実際突撃してきた奴らも殺人の容疑……とかはいってなかった。俺は速攻でその場にいた取り巻きたちが戦ってるあいだに逃げてきてた。
 
「はあはあはあ……くそ。なんでこんな……」
 
 そんな悪態をつく俺。持ってこれたのは結局武器だけだった。けどこれがあればどこかの金持ちの用心棒とかやれるだろう。誰かに使われる……なんて嫌だが……
 
 そんな事を思ってるとザッザッザッと足音が近づいてた。そしてその影が暗闇から浮かび上がってくる。それは……
 
「お前……」
「残念。こんな風にやり合うことになるなんて」
 
 そういうのは彼女だった。でも彼女は傭兵のハズだ。なんでこんな……
 
「どうして?」
「ただ割のいい仕事だったのよ。私のお金になりなさい」
 
 そう言って彼女は剣を抜いた。変な期待をしてた。彼女は俺のことを気にしてここに来てくれたのかもしれない――と。けどそんな事はまったくなかった。でも……彼女はまっすぐに俺をみてる。今までのゴミを見る目じゃない。キラキラとした目。
 それは恋ではないだろう。言う馴れば金を見る目。けどそれでも、ドキドキしてる。それに、こいつは一人だ。べっこべこにしたら、その後には何をしてもいいよな? 
 なにせもうアズバインバカラでは指名手配されてる。なら……もう……やりたいことをやってやる。俺も剣をぬく。そして鞘を捨てた。
 
「はいそうですか? なんていうかよ。俺はお前を倒して最後に楽しんでやるよ」
「まあ生きてても死んでてもいいでしょう。いつものお遊びじゃないわよ」
 
 ピリッとした空気。いつもはただ視線だけが厳しかった。殺気なんてなかった。けど今は違う。彼女の全身から殺気がビリビリとでてる。俺はこの瞬間から逃げ出したかった。
 けど視線は彼女の脚、尻、腹、胸……と舐るように上がっていく。きっと今の俺は気持ち悪い。けど、その体を見てたら想像して、逃げるなんてもったいないと思った。なにせ、彼女は一人だけだ。