uenoutaの日記

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 979

「親父……俺ひゃ……」
「もういい! もう喋るな!! 不快だ。貴様の声は……」
 
 そんな風に言われた。既に顔がボロボロで息も絶え絶え……顔の周りは血と涙と鼻水と涎で酷いことになってた。いつもの俺なら、こんな状態なら、もう完全に謝り倒す方向になってるだろう。
 けど相手は親父である。これだけの事を……苦痛を与えてきた親父だがそれでもこの人は家族に甘いとわかってる。それに家族のつながりはこの世界ではとても強い。それを簡単に切り捨てられるなんて思ってない。それに今の俺はきっとかわいそうだろう。実際泣いてるのは本当に痛いからだし……顔中腫れて、まともに喋れないけど、それでも俺は謝る。そういう姿勢か大事だ。
 謝っても無理な奴ならなんとかして逃げることを考える。でも相手は親父……だからこそ、この可哀想な姿で一生懸命謝るんだ。
 
「ぼめん……おれ……ぼめん……ぼめん……ぼめんばない」
 
 そうやって俺は床に頭をこすりつける。顔中が痛いんだから、もうどこをこすろうとよくわからない状態だ。そんな惨めな姿を一生懸命みせる。
 
「よせ、そんな事もう意味はない。お前は、やりすぎたんだ。もう私の判断でどうこうできる段階じゃない」
「うしょだ!! 親父なら! 親父ならなんしょかできるだろ!? だがら俺をここにしゅれてきたんだ!!」
 
 そうに違いない。だってなにもできないのなら、俺をここに連れてくる意味なんてない。いや、むしろ親父は危険を冒してる。俺は犯罪者なんだ。それを匿うなんてしたら親父にだっで罪状がかかるかもしれない。
 だったらどうするか……簡単だ。俺を軍に引き渡せばよかった。あの女はきっと親父が金で雇ってたんだろう。そうまでして俺をここに運んできた。それが親父が俺を見捨ててない証拠じゃないか! 俺は自分の中の完璧な理論に基づいて親父をみる。親父なら……なんとかできる。
 あんなことを言ったのだって、俺に反省を促すためなんだ。
 
「親父……おひょれ……もう、しゃからわないから……たひゅけて……たひゅけてくれよ……」
 
 親子の情、それに訴えるように俺は必死にすがりつく。なにせ死が迫ってるんだ。親父に見捨てられたら、俺は確実に死刑か……それかもう日の下に出ることはできないかもしれない。すると親父はこういってきた。
 
「もう遅い……言っただろう。お前はやりすぎた」
「しょんな! なあ親父! たひょむ……たひょむよ……死にたくひゃいよ……」
 
 俺は死にたくない……といってシクシクとなく。惨めにみすぼらしく、そして情けない……そんな姿で。いや、これは演技じゃない。本心である。だって、誰だって死にたくなんてないだろう。
 
 すると親父が何かを落とした。それは……なんだ? 破片?
 いや武器の欠片?
 
「ひょれは?」
「これは独り言だ。お前のケツはもう拭えない。それは絶対だ。だが、お前が何か大きな手柄を立てたら……変わるかも知れないな」
「それって……」
 
 つまりは自分自身の力で手柄を立てて罪を覆い隠せってことか……それしか無いのなら……やるしかない。