「死んでたはずじゃ……ってバカ!」
俺はやばいことに気づいた。確かにこの女がまさか生きてた……というのが一番やばいことなんだが……それよりももっと尊厳というか……そういうところの事。まあつまりは何が言いたいかと言うと、女は今、裸なのだ。
まったくもって本人は気にしてないが、俺的にはきになる。別に俺は女の体を見たことないような童貞野郎ではない。寧ろたくさん見てきた。なにせやりたいようにやってきたのだから……だから普通よりも沢山の女を抱いてきた……と自負してる。
なら恥ずかしがることもないじゃないか? と思うだろう。本人だって別に恥ずかしがってなんかない。なら、俺自身が気にすることではない。
それはそうかもしれない。でも……なぜだろうか? なんか直視できない。けどだからって俺の服を……となってもおれのも大抵きたない。俺の服を着せてもって感じだ。
「どうした? いや、なるほどな。貴様に晒すほど安くはないが……今は非常事態だ」
そう言って堂々してる女。こいつ本当に女か? 確かにこいつは女というよりも戦士だろう。そっちにすべてを振ってるといって過言じゃない。
というか、それくらいしないと、女が男に並び立つなんて……いや寧ろ先に行くなんて早々できないはずだ。でも……だ。でも……俺だって貧相だったり、だらしない身体なら、そんなに気になんかしなかっただろう。それに今はそんな状況じゃない。それだってわかってる。もしかしたらすぐに他の教会の奴がくるかもしれない。
けどそれでも……俺の方が赤面してしまう。それは何故か。それはこの女の身体が完璧だからだ。鍛えてる筈……寧ろ鍛え過ぎな位の身体だと思ってた。でも実際、この女の身体はまだ女を残してる。
鍛えすぎると、女だって男のような体になるだろう。それこそ柔らかさがなくなって、筋肉が鎧のようになっていく。でも彼女はまだ女だった。
くびれてて、胸も尻も柔らかそうだ。肉体美というのはこういうのなんだろう……というのがわかる。そしてきっとその体は俺好みなんだ。
胸が苦しい。
「ふん! これでいいか」
そう言って女は教会の奴が着てた服を剥ぎ取った。そしてそれを着てた。上のシャツ、そしてズボンも。上のシャツもズボンも今の俺のよりもかなり上質。そして旨く殺したからだろう。どっちも血なんてついてない。
ある意味で良い拾い物をしたかのような……そんな感じだ。けど良かった、と思う自分と残念とおもう自分がいる。