uenoutaの日記

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1047

「なあ、俺達って……」
 
 だれかがそんな事を言おうとしてた。けどその言葉は最後まで紡がれることはなかった。なにせ……
 
「やめろ! 俺達にだってできることはある。それにまだ、戦いは終わってないんだ! 気を緩めるな!」
 
 激が飛ぶ。皆は一時的に勝利の高揚を味わった。けどまだおわってはないらしい。たしかに俺達は長年俺達を食い物にしてきた教会には勝った。けどそれでも違った。
 教会にとっては死は終わりじゃなかった。奴らはここに来た時点でその覚悟を決めてたようだ。奴らはみな、楽園への通行券を得てるみたいなことをいってた。だから死ぬことにもうおそれはない……まあそれでも震えてた印象が彼らにはある。実際ただ静かに自分が殺されるのを待つなんてできようか? となったらできないだろう。
 ここにいる死を覚悟したも者たちだってそうだ。たとえ今は、ミレナパウスとかいう魔女のお陰で死は限りなく遠いものになってる。だから積極的な行動ができるが、でもだからとっていって痛いものは痛いし……怖いものは怖いのだ。それに注意喚起として頭とか心の臓とかは守れと通達が来てた。
 
 流石に即死はどうしようもない……ということだ。けど、それ以外なら、魔法は何でも直してくれる。絶対に治る……即死さえ避ければいい……とわかってはいても、その瞬間に恐怖はどうしても顔をのぞかせる。
 それはきっと生きているものが抱えてる根源的な恐怖なんだろう。死への恐怖……それは,きっと生きてる限り絶対になくなることはない。
 
「どうやら、我らの出番もまだあるようだ……」
 
 なにせさっきから勇者殿やそれに付き従ってるアイ殿の戦闘には我々は加わる事なんてできなかった。なんとか役に立とう……と思っても、空の扉から伸びてる腕には我々ではどうしても届かない。せめてあの手が砂についた時くらい。
 
 その時に一斉に突撃をして武器で傷つけるってことしかできなかった。あの扉から出てきた髪も最初はすべての者にむかってたが、今や勇者殿とアイ殿にほぼむかってる。
 あの二人しか脅威になりえないと扉から出ようとしてる化け物は判断したのかもしれない。
 
 事実、勇者殿は化け物の腕を切り落とした。自身の何十倍も太いその腕を……だ。それにきっとただでかいだけ……なんてことはないだろう。けど切った。そしてそれが落ちた振動に我々はてんやわんやした。あれだけでかいからしかたない。けど負傷書はいなかった。
 ――が、何やら落ちた腕がモゾモゾとうごめいてた。そしてそこから、何かが大量に這い出てくる。砂銃……じゃない。あれは一体?