uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1049

「はああああああああああああああああああああ!」
 
 再び聖剣を振り下ろす。さっき確かに扉の化け物の腕を切った実績がある。だから頭だって潰せるはずだ。なんとかアイは耐えてるが、ジリジリと押し負けてる。けどお陰でこっちに意識を持ってくる余裕はないようだ。行ける!! 頭にむかって突き出す聖剣。
 そして確かに化け物の頭に突き刺さった。けどそれだけじゃ終わらない。突き刺さった聖剣はヤツの頭の中で回転しだす。そしてそのまま腕をふるって、頭を木っ端微塵に粉砕した。
 
バッガーーーーン!!
 
 とまるで内部から爆発したように化物の頭は吹き飛んだ。それと同時に化物が放ってた攻撃もきえてその破片をアイの砲撃が塵芥へとかえる。頭は消えた。そして腕もなくなったことで、扉から出てた九割の部分がなくなったと言える。普通ならここまでしたら勝っただろう。
 勝どきを上げても問題ないくらいだ。けど、そうは思えなかった。なぜなら、地上で交戦してる化け物の腕から発生したナニカ……はまだ健在だったからだ。本体がやられても自立して行動できる存在なのか? それならまだいい。けどそうじゃなく本体がまだ健在だからあのナニカも生きてるのだとしたら? 
 
「アイ!」
「ええ、すべて滅します」
 
 同じ思いを俺達は共有してた。九割滅しても終わり何ておもってない。すべてを消し炭にして、あの扉を力尽くでも閉める。それによってこの戦いは終われるだろう。せめてこの状況を改善できるとしたらそれをやるしか無いと思ってる。本当ならあの扉は入るための扉の筈だ。楽園へと続くと言われてる扉なんだから、そのはずだろう。
 けどその扉から化け物が出てる。それはおかしなことだろう。だからこそ一度閉める。それをしたら後は……そう思って自分はG-01殿をみる。そう、きっと閉めたら、G-01殿があの扉をちゃんと元に戻してくれるだろう。
 だから今残ってる肩から首の部分、そこも滅して扉を閉める。なにせその部分は邪魔だ。扉から出てる部分をなくして、扉を無理矢理閉めるために肩にも首にも剣をいれて、そしてアイの砲撃によって穴だらけにもしてもらう。少しずつ自分たちは 化け物の身を削る。
 
 けどその時、扉の向こうから淵を掴むように指が見えた。きっと反対側の指だ。やっぱり生きてるらしい。でも出させない。今の聖剣なら指の一本や二本くらい簡単に切れる。
 
「出させるかああああああ!!」
 
 そうやって指を切ってアイが消滅させる。そして自分は扉の片側に手をかけた。
 
「アイ!」
「はいはい」
 
 空の扉はでかい。そしてこちら側に開いてる両開きの扉だ。なので体全体を使って押し閉める為に、反対側をアイに任せる。一緒に押していってもう少し……というところだった。
 その時――
 
『お、い』
 
 そんな声というか、音というか……そんなのが聞こえた。そして次の瞬間、扉の向こう側から野太い光……黒い光が飛び出して自分たちは吹き飛ばされる。そして一気にさっき切り刻んだはずの化け物の上半身……そのすべてが姿を表した。