uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 394

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
『私たちの愛の力にひれ伏しなさい!!』
 
 二人……というか一人と一個のその言葉でその攻撃にどれだけの思いというか、力がこもってるかというのが想像出来る。蛇腹の聖剣と更にもう一つ……もう何でもありな聖剣は命を刈り取るような形をした剣を突き刺してくる。
 
 ギャギャギャ――と変な音を立てて刃が回ってる。なんかチェーンソーみたいな? そんな感じになってる。むしろ鋭さよりも凶悪さを体現したような……そんな感じ。しかもだよ……切ると言うよりも、削るという方向に特化してるように見える。
 
 スパッと切るというよりもいかにぐちゃぐちゃに削るか……確かにその方が修復とかもちょっと時間かかるからね。嫌なところにばかり頭がいくようになってちゃって……やっぱり使い手が変わるとそっちに引っ張られるっていうのはあるみたい。
 
勢いよくその凶悪になった聖剣を突き刺してくる黒い勇者。こっちの装甲をえぐり取っていくかのように嫌な音が立つ。
 
「つう! ……ったいじゃない!!」
 
 今までのくすぐったいのとは違ってなかなかに今のは痛かったよ。でもまだまだ私、いやG-01を破壊するには至ってはない。私は手のひらで今の攻撃を受けたわけだけど、そのまま黒い勇者を手の中へと収めて地面へとたたき込む。
 
 さあ、捕まえたわよ……これでちょこまかと逃げられることもないし、直接的に聖剣に触れてるから、聖剣の防壁も突破して暴走してる此奴の力を押さえ込む!!
 
 さっきから手の中でギュインギュギュゥゥゥン!! とめっちゃ手のひらを削りに来てるが、ははーん、もう手のひらの痛覚は遮断しました! 鈍感になるとかAIは五月蠅いが、この状況なら良いでしょ。それに手のひらの一部だけだしね。まあ感覚を切ったら、こっちの力の感覚も鈍くなるのはその通りではあるけど……大丈夫、私と勇者と聖剣の関係上、上位はどうあっても私なのよ。
 
「ご主人様に刃向かったんだから、罰は受けてもらうわよ」
『私たちの! 私たちの愛はこの程度では阻めないわ!! 私たちの愛を引き裂こうとしても無駄なのよ!!』
 
 やばいよ……頭に直接やばい言葉が響いてくるよ……聖剣のこの思いを知っちゃったら、今までと同じような姿になったとしても、これまでと同じように聖剣を見れないと思う。
 
 まあけど思いだけではどうしようもない事ってあるよ。それに……黒い勇者はきっとそこまで思ってない。だってなにせ……
 
「この! もっとだ!! もっと俺のために力を引き出せえええええ!!」
 
 とわめいてるからだ。通じ合ってないよ……悲しいことにさ。黒い勇者はあくまでも聖剣を便利な道具としか見てない。一見それで上手くいってたように見えるけど、ずれてた思いは一番大切なところでかみ合ってないから、力がロスしてるよ。
 相乗効果に至ってない。もしも相乗効果出来てたら、私の腕を壊すくらいは出来たかもね。
 
「もう終わりです。諦めなさい」
 
 私はそう言って私の力を聖剣の方へと送り込む。自分自身のことは勇者自身がなんとかしなさいな。