uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 422

 脳の機能が拡張されて色々と余裕が出来た。なるほど、私自身とそしてG-01の強化はどうやら並行的にやっていく方が良いらしい。まあよく考えればそれは当たり前というか、当然という気もする。
 だって結局の所、G-01を操ってるのは私だからね。てか自分自身を強化していけば、自分のこのちょっと鈍いところとか改善されるのでは? 運動神経とかもさ……もっとこう、凄くなれるかも? でも不安もある。
 
(それってもう、改造人間ではないの?)
 
 けどそもそもが私は普通の人間ではないっぽいからね。今更そこを考えるのも意味ないような? それに見た目的にそんなにロボットというかサイボーグ化しないのであれば別に良いというか……ありがたいというか。
 
 余裕が出来たからそんなことを考えながら鬼達の様子を観察してると、鬼達が作った新型の虫へとへばりついてたドロッとした砂獣が次第にその中に入っていってるような……浸透して行ってるというか? そんな感じに消えて行ってる。
 そして何の変哲もない……というのは語弊かもしれないけど、新型の虫の模型は結局の所模型でしかなかったわけだけど……
 
「ん?」
 
 なんか今一瞬、目が光ったような? いや点滅というか明滅? してるね。最初は弱く光ってた。けど、その目の光りが次第に大きく強い物になって行ってる。そしてその光りが明滅から常時点灯に変わると、その口から甲高い悲鳴? いや叫びなのか……それが放たれた。
 私にはとても気持ち悪いというか気分が悪くなる叫びだった。けど鬼達はとても満足そうだった。それを観て絶対にわかり合えないなって思った。
 
 てか――
 
「魂入っちゃったよ!」
 
 ――さっきまでただの模型みたいなただの物だったのに、今はその中にどうやら魂が宿ったようだ。叫びと共に、その新たな形の虫……いやもう砂獣か……に色がついてく。長い胴体に三つの蟻の顔、さらにはその胴体についてる全ての脚が鋭い鎌になってる砂獣はなんか金ぴかだった。まぶしい……蛾のような羽を持つでかい目の砂獣は虹色に光ってる。こっちもまぶしい。
 そして最後に作られた体と足しかない奴はなんか茶色というか、銅色にテカってた。綺麗だけど、こっちは地味だね。体も地味なら色も地味って……何かかわいそうな奴である。
 
「これって砂獣――だよね?」
『おそらくはそうでしょうね」
「もしかしてこの宵の後にはこいつらが襲ってくる……何てことは……」
『可能性としては80パーセント以上はありますね』
 
 だよね! わざわざこんなの作ったんだもん。それが何のためかって考えたら、多分私や勇者対策? でも今まで沢山の砂獣を相手にしてきて思ったのは、砂獣と言う括りでは流石に私たちに対抗する存在ってのは難しいのでは? って事でもあるけど。
 まあ一体だけ、勇者や魔王では勝てそうにない砂獣がいたけど……あれはね……ほら、私がやっちゃったせいだから……鬼達が関係してたのか……はわかんないけど。
 
 でも都市核を内包してても私自身ではそれほど脅威を感じたことはないからね。だからもしかしたらいくらエネルギーを内包出来ても、砂獣という括りではもしかしたら出力的な限界があるんじゃないかって……
 
「エネルギー的には都市核を内包する奴ほどじゃないようだけど……でもなんかエネルギーは満ち満ちてるね。出来たばっかりだから?」
 
 一応スキャンして内部的な情報も頭に入れておく。解析した結果は一つの都市核程のエネルギーもないよ。でも……どうなんだろうね。こればっかりはやってみないとわかんないかも? そう思ってると、鬼達が一斉にこっちを振り返った。
 そして湧き上がる危険信号。予想通りに、今し方できあがったばかりの砂獣達が私へと襲いかかってきた。