uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 450

「うおおおおおおおおおおおおらあ!!」
 
 魔王の手から黒い衝撃が放たれる。それはとても広範囲に広がってる。しかもそれはどうやら倒すための攻撃ではない。魔王にしては珍しいが、軍や賞金稼ぎ達のことを考えての攻撃を魔王はどうやらやってるらしい。ナニをしてるのかといえば、魔王はどうやら自分の攻撃に石化の力を乗せてる。それによって魔王の黒い光を浴びた砂獣が石化して行ってる。
 確かに石化したら砂獣の進撃は止まる。それに新しく出てきた枯れ木のような砂獣だって石化はする。いくら堅くても石になってしまえば関係ない。それに……
 
「増えることがなくなった?」
 
 なんとなくだけど……そんな気がする。魔王が石化で沢山の砂獣の進撃を止めて動いてる奴だけに攻撃を絞れば良くなったから全体が見えるようになった……のかもしれない。それによれば……感覚だけど確実に砂獣が減ってるような気がする。
 
「もしかして、倒すから補充されるとか……そういう事だったのか?」
 
 しかもその補充の数が一を倒したから一が補充されるとかじゃなく二が補充されてたとか……そんな感じだったから減った気がしなくて、寧ろどんどんと増えて行ってたとか……そういうオチの可能性もある。でも……もしもこれがこの砂獣のスタンピートの攻略法だとしたら……ある意味で残酷な気がする。
 だって……ここに魔王が……いや俺たちがいたからこれを知ることが出来たが、普通は無理だ。いやこの世界の人達だけではこんな石化して……何て反則技はそもそもないとして、罠とか設置して行動不能に陥らせるなんてあの数相手にはまず無理だろう。
 それこそ普段から僅かな砂獣との遭遇の時に気づいて検証して、そして有効な何かを見つけてこういう決戦に備える……とかしないとだが……それだけの余裕なんて普通はない。それに普段遭遇するときは、別に砂獣が補充されるなんて事は無い。気づくことは難しい。
 もしかしたら普段から補充されてるのかもしれないが、こういう大規模に攻めてくる時以外は、その場で補充されてないとしたら、それこそ街同士で密に連絡を取り合って砂獣の情報とかを共有とかしてないとだろう。この世界でそれは難しい。
 いや、魔法があれば……もしかしたらそれらの問題、全て魔法が解決してくれたのかもしれないが、魔法は協会が牛耳ってる。血浄は戦闘に特化してる技だから応用性は低いし……やっぱり教会が諸悪の根源だなって結論に行き着くな。
 魔王がどんどんと砂獣を石化させてくれるから戦いが楽になってきた。けどこれって……
 
(このままじゃ、ジゼロンワン殿の出番がなくなりそうな気が……)
 
 そんな一抹の不安が。このままじゃ王様の立場を高める作戦が台無しだけど、実際これで勝てるならそれでもいいような気がする。どうにかやって無理矢理にでも王様の威厳にきっと変えてくれるだろう。お偉い人達がね。