uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 485

「これはどういうことだ?」
 
 私に厳しい視線を向けてる軍の人がどうしようか? とか思ってる間にさっき走っていった人が沢山の人を連れてきた。そんなに? って感じでぞろぞろ来てる。いや本当に。50人は居るよ。どんだけ連れてきたの? ラパンさんにその側近とか、後は王様くらいで良かったでしょう。
 何故にこんなに沢山の人が? 確かに蜘蛛人間はなかなかに珍しい異人種だとは思う。それなら檻にでも入れて見世物にしたら人気が……
 
「出ないね」
 
 私は蜘蛛人間を見てそう判断した。だって全然可愛くない。ぶさ可愛くもない。アレでは駄目だ。だって顔は普通におっさんだし。ジャラジャラとした宝石みたいなので誤魔化してるけどさ、普通に直視するのはきついんだよね。
 
「状況は聞いてるが……それがジゼロワン殿が捕らえたという者……か?」
 
 ラパンさんが代表してそう言って首をかしげてる。皆さんも同じだね。物珍しそうに蜘蛛人間に対して視線を向けてるが、すぐに首をかしげる。なぜならそれは……
 
「なんで脚が一つない?」
 
 まあそうなるよね。一体何があったのか――と言いたくなるのはしょうがない。けど、私は喋れない設定だからね。ラパンさん達と一緒に勇者も来てくれてたら良かったのに。まあ今こっちに向かってるようだけど……
 
「それはいきなりそれが化け物の脚をもいだのです」
 
 それって……ラパンさんもちゃんとジゼロワン殿とか言ってるのが分からないのかなこの下っ端は。それが礼を失してると思わないのだろうか? すると案の定――
 
「それとは何だ! 敬意を持って接さないか!! すみませんジゼロワン殿」
 
 ――そう言ってラパンさんは私へと頭を下げる。するとラパンさんに続いてお偉い方達も頭を下げてくれる。王様は頭下げないけど、まあ王様だから許してやろう。簡単に頭を下げることもできない……そう王様ならね。そのくらい私も分かる。それでもただふてぶてしい奴なら私だって許さないけど、この王様なら許そう。
 
「すっすみませんでした!!」
 
 下っ端の兵隊がようやく自分の失態に気づいて頭を下げる。実際は私事G-01は勇者や魔王の所有物的な見方されてるから物と同じように扱って良い……とか想ってる奴等は他にもいそうではある。でもその戦力は勇者や魔王よりも上だとここ最近の働きで気づいてきてる奴等もいるだろう。
 だからこそ、無下には出来ないって思ってる奴等もいる。ラパンさんはこれから協会と事を構えるんだ。勇者や魔王、そして最大戦力に成り得る私を手放すことになったら、それこそアズバインバカラは終わりになると分かってる。
 私たち抜きでは教会には太刀打ちできない。だからこそ、私のような物にも経緯を払うのを忘れないんだろう。出来る男だよ本当に。
 そういうわけで、出来る男なラパンさんに免じて許してやろう。私は心が広いからね。