uenoutaの日記

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 684

「くっそ……何やってるんだ俺は……」

 

 そんな事をつぶやいてる人がいる。それは建物の外に元からいた人の一人だ。まあつまりはサーザインシャインインラの軍の人なんだけどね。彼らは波が始まった時に上の適当な命令で外に出て、戦って、そして心折れてしまってる人達である。

 実際、あれを体験したら心が折れてしまうのも仕方がない……と思うんだけど、ただの一般人達が武器を持ち砂獣に立ち向かう姿を見てしまっては「何やってんだ」と思うのも仕方ないと思う。

 しかもその中には女や子供だって……勿論小さすぎる子供はいないが、武器を持てるくらいの子供だって外に出てきて砂獣に立ち向かってる。生き残った軍の人達は互いに顔を見合わせてる。これでいいのかって……互いに言ってる気がする。

 

「この武器があれば……もう一度……」

 

 そんな事をいって、軍の人が武器を手に取った。そしてそれに続くように、生き残ってる十人くらいの人達がそれぞれ武器を手に取る。

 

(ようやくか)

 

 私はドローンで見ながらそんな事を思う。やっぱり軍の……というかちゃんと訓練受けた人達が動いてくれたほうが安心感が有る。それに今は一般市民の人達は好き勝手動いてる。今は私が勇者にいって、砂獣の数をコントロールしてるからそれでもどうにかなってるが、そろそろ数も揃ってきたし、それもやめようかと思ってる。

 どうやらこの波には特殊な個体が混じってる。それはヌメリアさんが産んだ砂獣が絡んでる個体っぽいんだよね。なんか同じ波長というかデータというか……ドローンたちからところどころに居る特殊個体をスキャンした結果が届いてるけど、そう見て取れる。

 特殊な個体へと進化してるそいつらは手強い。流石にあれは今武器を取った一般市民たちに相手にはさせるには荷が重すぎる。だから勇者に出張ってもらうしかない。一応隊長さんは既に戦ってたりする。けどそっちも苦戦してるからね。軍の奴らの何人かは隊長さんの援軍に行って欲しいところだ。

 一応隊長さんの方も映像としては流してるし、それなりに戦えるやつなら、隊長さんがこのままでは危ないと気づくだろう。一般人ならよくやってる……と思う映像でしか無いが、特殊個体共には打ち合ってる時点で、これまではとは違うんだ。

 今までは隊長さんなら、私が持ってきた武器を使ってそれこそ複数の砂獣を一掃してた。けど特殊個体共はそうはいってない。それだけで苦戦してるってことだからね。

 なんとか武器を取った隊長さんの部下たちだけど、他の一般市民たちとは違っていきなり駆け出したりしない。それは慎重なんだろう……さすが軍人……とか思ってたけどそうじゃないらしい。

 

「うげええ」

 

 と一人が吐くと、皆さん吐き出した。どうやら軍の人達は砂獣に対しての拒否反応が出てるようだ。これは……やばいかもしれない。